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ハロウィンに想いを寄せる|渋谷ハロウィンの奇抜な解決策

こちらニューヨークでは、もちろんハロウィンは子供メインのイベントです。
大人も仮装するけど、ニューヨーク公式のパレードに参加して、その後バーに飲みに行ったり友達の家でパーティーしたり…というパターンが多いでしょうか。
もちろん大人も楽しみますが、東京のどこかのように、毎年問題になるとか聞いたことないです。

わたしがハロウィンから思うことなので、ぼやーと聞いてくださると嬉しいです。ちょっと突飛もない意見なので、びっくりされたらごめんなさい。

隠れ変人

日本で生まれ、日本で育ち、1年だけですが社会人として働いたわたしは、いつもどこかで息苦しさを感じていました。わたしを知っている人(知り合い程度)からするといつも意外がられるのですが、見た目も普段の振る舞いも大人しめなわたしは、中身は意外とかなり規格外だったようです。

わたしをよく知っている人たちからすると「あなたってそういう人だよね」ということをよくわかってくれているので、お付き合いはとても楽チンなのです。初めましての人の前では、もちろん猫かぶります。猫…かぶるほど激しい気性ではないですが…知らない人たちのいる場所だととても疲れます。楽しくないです。

キックボードで通勤した日々

会社には定期代を浮かせるために、山手線の駅から会社の玄関までキックボードで通っていました。同じように節約している社員の方は多かったのですが、もちろん皆さん、駅までの一本道をひたすら歩いています。その波を新卒一年目の地味な22歳がシャーーーーー!!とキックボードで追い越して行くのです。毎朝。わたしはそれを恥ずかしいとか、目立つからイヤとか考えたことは微塵もなくて、歩くのがひたすら嫌いで時間とお金の節約になるならと当たり前のようにしていました。後から冷静に考えると、よくなにも言われなかったなあと思うのですが、あまりに突飛すぎて皆さん口にも出せなかったのかもしれません。

そして会社の女の子たちと一緒にいるのも苦手でした。休憩時間に普通にトイレに行くと、鏡の前で一生懸命お化粧している女性社員たち。初めて見たときに衝撃的な光景で、つい隣に立っていた友達に「すごい!ドラマや漫画で見たのと同じ」と言っていました。一瞬固まった彼女の表情、今なら理解できます。ごめんね、Eちゃん。

カフェにランチは行かない

わたしの部署は、わたし以外全員男性。わたしは得意なPC作業でひたすらデータ入力の毎日。隣のグループは女の子だらけの華やかな雰囲気でしたが、横目にキラキラした空気を感じつつ、自分は気楽だなと深く考えずに仕事をこなしていました。昔から少しオタクっぽい作業が向いていたのでしょう、ここに配属させた人事はよくわかっていたと思います。

その隣の華やかグループが時々ランチに誘ってくれたりもしました。「みぃちゃん、あそこのカフェ行こうよ」と。キラキラ女子が苦手と言いながらも、コミュニケーションは普通にするので(できていると信じているけど…)友達は普通にたくさんいました。でも、どうにも大勢でつるむのは苦手。何度か一緒にランチ行ったけれど、楽しいと思えずいつの間にか「今日お弁当だから」と断ることが増えていきました。

そしてある日の午前中。その日、お弁当もなく、かと言って外も行きたくない気分。その会社は40階建(もっとあったかな?)の大きなビルで一度外に出て帰ってくるのにも、ちょっと面倒なのです。疲れているし、めんどくささがMAXだったその日、わたしはあることを思いつきました。「ピザ食べたい」と。やはりいろいろな意味で疲れていたクレーム処理担当のEちゃんも「いいねー」。そして、電話で近くのピザのデリバリーを頼んでいました。

昼12時5分。「みぃさん、ピザお届けに上がりました!」部署のガラス戸を半分開けて、広いフロア全体に響く大声で呼んでくれたお兄さん。一瞬ざわつくフロア。大きな会社なのに、2人のためにピザをデリバリーしてくれたお兄さん、ありがとう。ピザ、最高に美味しかった。

知らない人が名前を知っている事態

大きな会社なので、会社内に会社専用の郵便局らしきものがあって、わたしはそこによく顔を出していました。自分の部署以外によく知っている人は、ここの人くらいだったのですが…

ある日、部長に頼まれて行ったことのないフロアにお届けものをすることがありました。書類を持って未知の場所へ。すると、存じ上げない方から「あれ?みぃさん、どうしたの?」と。わたし自身、顔と名前を覚えるのはとても苦手なのですが、おそらくその方は絶対に話したことのない自信がありました。もしかして会っているかもしれないのに、つい反射で「お会いしたことありました?」と聞いてしまいました。するとその方は笑いながら「君は知らないよね。僕は毎日道で追い越されるから知ってるけど」

わたしの知らぬ場所で「キックボードの子はみぃ」というように知れ渡っていることが判明したその日。わたしの中でかなり衝撃的な1日でした。

そのあとに「ランチにピザのデリバリーもみぃ」が付け足されたようです。

息抜き・毒抜きの場所

最初のトピックに戻るのですが、わたしが思う日本人は楽しみ方が下手な人が多いのかなと思うのです。自分が上手だとは思いません。でも、日々の中でやりたいことは絶対にやるし、相手の目は基本的に気にしません。しかしながらルールを破るわけでも、誰かに迷惑をかけてるわけでもありません。むしろ迷惑がかかるなら、その場には行かないようにします。

会社では休み時間にピザを頼んだことを後で怒られたこともなく、何度も自分の机の上であの四角い箱を広げてEちゃんと、時には同じ部署の人たちとピザを楽しく食べていました。キックボード通勤も道交法違反をしたことはないし、上司から咎められたこともないです。むしろキックボードのメーカーを聞かれたりしていました。ルールの範囲内で楽しんだ毎日でした。

わたしたちの部署は不思議となかったのですが(穏やかな人たちが偶然集まった?)、他の部署と合同の飲み会の時に、皆さんのハメの外し方に驚いた記憶があります。いつも皆さん、我慢しているのでしょう。この場は無礼講とばかりに大暴れするのです。言いたいことを言いまくるのです。これがとても不思議でした。後で知ったのですが、日本の飲み会はこれが普通の光景みたいで驚きました。

それが今、わたしの日本のハロウィンのハメの外し方と繋がるのです。もっと言えば、いろいろな場面(事件など)でそのイメージとつながるのです。

普段の日本人の大多数は、お行儀よく列を乱さず、ルールを守る。民族的に真面目なんだろうと思います。ここはこうするべき、前例がないものはダメ、誰々はこうあるべき、みたいな価値観が大きなグループとして共有され守られているのです。その中で突飛なことをしたり、新しいことをしたり、リーダーを務める資質がある人は、成功すれば特別視される。失敗すれば…非常に高い確率で非難され、叱責を浴びせられるのです。

それがストレスにならない程度というのがあるのですが、昨今の日本社会は非常に息苦しいことになっていて、ほんの少しのミスも許されないケースが増えてきているように思います。一度社会のレールからはみ出してしまった者は、元の場所に戻るのは厳しい世の中なのです。

何か1つきっかけがあると、爆弾を抱えている人は大爆発を起こしたりもします。突然キレる、というのは子供だけではなく、大人にもかなりあるような気がします。普段から息抜きを上手にして、ストレスを抱え込まずに過ごしていける方なら大丈夫なのですが(わたしみたいに)。

でもわたしも、ピザの宅配も会社に頼まず、キックボードの通勤もだめと言われたら、ストレスでおかしくなっていたかもしれません。それでも息苦しさはありましたから…。芸術系の大学で居心地がよかったのは、変わり者が多かったからかもしれません。

渋谷のハロウィン、パレードしちゃえば?

渋谷のハロウィンは若者が多いということですが、仮装を楽しむことは別に悪いことではないと思うのです。街自体が大きなパーティ会場みたいでとても楽しいのでしょうね。では逆に、今の日本に純粋に何かをただ楽しむために集まれる機会はあるのでしょうか?何かにつけて理由がないと駄目、若い人が集まるとろくな事にならない、前例がないから難しい…由緒ある歴史ある伝統を守ることも大事だけれど、新しいことをしようとしている人たちを(それがただ道楽のためであっても)何か汚らわしいもの・鬱陶しいものを扱うような態度を取るだけでいいのでしょうか。それをそこで完全に「悪」だとして潰してしまってもいいのでしょうか。否定するのは簡単だけど、否定して消そうとしてもその場はなくなっても、また同じ問題がどこか別で起こると思うのです。根本の解決には全くならない気がするのです。

例えばみなさんご存知のニューヨークのハロウィンパレード。あれは参加者はほぼ大人です。夜の8時にスタートなので、寝るのが早いアメリカの子供達の参加は厳しいのです。毎年同じところを出発して6番街を仮装した大人たちが闊歩して、踊って騒いで楽しくパレードします。夕方ごろから少しずつ道路は通行止になっていって、警察の警備も増えていきます。テロ対策で、沿道のゴミ箱は撤去。そして時間になるまでにその沿道は、身動きできないほどの見物人で埋まります。通り沿いのビルの住人は、最高の客席。それをNY1というローカルTVがライブ中継します。ある意味街をあげた、大人のための大きなハロウィンパーティです。でも、ここ何十年も事件も事故も聞いたことがありません(法律で外での飲酒は禁止されているので、それも乱れない一因かもしれません)。

ふと思ったのが、このようなパレードを公式行事として街が行えばいろいろな意味でいいことがたくさんあるような気がするのです。日本人お得意のルールを作って、最初からハロウィンパレードをすればいいのです。現実的ではないのかもしれませんが…それができたら、時間を決めてみんなで楽しく騒いで解散したらいいのにな、と思います。1億使うのであったら、もうちょっと違うことに使えないのかなと。

ハロウィンの行事は元々は〜などという人もいるかもしれません。わたしも日本で流行り始めたのを聞いて、少し驚きました。でも文化は守られるべきものもあるし、形を変えていくものがあってもいいと思っています。日本の新しい文化になるのなら、それも楽しいのではないのでしょうか。ある機会に実はこういう由来なんだよ、と子供達に話せたらいいですね。

バレンタインだってクリスマスだって、日本の形はすでに違うんですから。

Happy Halloween!

もう11月。あっという間に年の瀬。ここからはイベント盛りだくさんで、駆け抜けるように1年の終わりを迎えてしまう時期です。

今日のニューヨークはなんだか生ぬるくて気持ちの悪いお天気でした。日本各地はいかがですか?気候が急に変わるので、お身体には気をつけてお過ごしくださいね。では、また明日!

いつも応援ありがとうございます♪ アメリカは24時間子供につきっきりなので(シッターなどを頼むなどしないといけない)、子供といながら自分なりに楽しく頑張っていきたいと思っています。 サポートもありがとうございます!助かっています。 日本に帰る費用、新しい機材の購入にあててます。