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悲しめ。悔しがれ。そして再び立ち上がれ。(清水‐東京V)

2023.12.2  J1昇格プレーオフ
決勝 清水 1-1 東京V

こんにちは。
メンタルコーチ 兼 清水サポのLilyです。

なんとも残酷な幕切れでした。

なにから書いたらいいのか、
まとまりがつきませんが
書きたいことはたくさんあります。

選手のこと、チームのこと、クラブのこと。
サポーターのこと。
何回かに分けてお伝えしたいと思います。

このnote は清水エスパルスの試合を元に
一般の人に対してわかりやすく「メンタル」を
お伝えする、というのが第一目的のものなので
初回は「サポーターについて」書きます。


1,気持ちの話。


最初に、メンタルとは関係ない
単なるサポーターとしての私の気持ちを話します。

正直、自分自身もあのファウルの後のことは
記憶が曖昧です。

鈴木選手がゴール裏を煽ったのは見ました。
大久保選手もわずかにボールに触りました。

もし私たちの声が、気持ちがもっと届いていたら、
あのボールを外にはじけていたのかもしれない。

PKを提示された瞬間、
諦めた人、怒った人、声を出し続けた人、
もしこの中にメンタル的に正解があったとしたら
たぶん最後の人です。

もう一つ、アディショナルタイムが8分と表示されたとき
ゴール裏がざわついた。
その時、去年の終盤のゴール裏と似ている、
と感じてしまいました。

VARが入って、選手が痛んだ時間もあって
ATが長くなるのは想像できていた。
(去年そうだったから)
あの時、「まだ8分もあるのか」ではなく
「残り8分!やりきるぞ!!」の雰囲気を作れていたら?
(もちろん切り替えて応援していたと思うのですが)

ここ最近のエスパルスは最後まで守り切ることが
できるチームになっていたと私は思う。
リーグ二番目の失点の少なさだったんだよ。
1試合1失点以下だったんだよ。
ジュビロ戦のこと忘れた?山形戦のこと忘れた?
昨日だって、最後まで守り切ることはできたはず。
ただ、うまくいかなかった。

なのになぜ、最後の最後に
「去年から何も変わっていない」と言えるのか。
「何も」じゃない。
何かは変わった。でも一歩足りなかった。

私も自分自身を振り返ります。
ゴール裏でもっと声を出せた?
周りを煽動できた?
自分がやり切ったか?どうか??
だから素直に泣けなかったのかもしれません。

そういう意味で私たちもまだまだ
成長できるところがあるのかな。


2,受け入れられなくても、悲しくて涙が止まらなくても


多分自分はまだ受け入れられていないのだと思います。
悔しくもなく、悲しくもないからです。

もしくは、受け入れられすぎて
悔しくもないのか?? いやそれはないだろう・・・

水戸戦の後も書きましたが
こういう事実を受け入れるのには時間がかかります。

喪失体験と言いますが、
そこから立ち直るまでの時間は1週間かもしれないし、
1か月くらいかかるかもしれない。
ことと場合によっては年単位で引きずる人もいます。
でも今回、私たちは希望を永遠に失ったわけではありません。

私たちにはエスパルスがある。
どんな時でも、新しいシーズンが来れば
やっぱりわくわくしてしまう。
今はそんな未来が想像できないとしても、
もしかしたら数年かかるかもしれないけど、
そんな日が必ずまたやって来ます。

クラブ創設以来のエスパルスファンであり、
うち18年はサポーターとして
ゴール裏に通っていた自分が言うのですから、
間違いありません。

変なたとえですみませんが、
失恋と同じようなもので
J1という片思いの相手に振られたんだけど
来年になればまた「清水エスパルス」という
大好きだった元カレが「よりを戻さないか」って言ってくれるんで
うん、ほんとは私もまだ好きだった
みたいな気持ちになるんです。

とはいえ、今悲しんでる人は
十分悲しんでください。
今悔しがっている人は
十分悔しがってください
今そんな先のこと考えられるかという人は
十分今を苦しんでください

ちょっと突き放すような書き方になってしまいましたが
感情は素直に出した方が早く回復するからです。
フロイトが提唱した「喪の仕事」です。

第一段階 無感覚、情緒の危機
事実を受け止められていない状態。
今の私は多分ここです。
第二段階 否認、抗議
深い悲しみややり場のない怒りに苦しむ。
第三段階 断念、絶望
事実を受け入れるが、絶望感が高まる
第四段階 離脱、再建
現実を肯定的に受け止め
その中で新しく生きようとする

この仕事をおろそかにしてしまうと
気付かぬところで傷が深くなってしまっていたり
時間がたってから急に大きな反動が来たりする。

回復にかかる時間は人それぞれなので
SNS等でそれぞれの意見が出てくるのは
当然なことです。

そして、それぞれの意見に対し
反発する気持ちが沸くのも当然の感情。
無になっている人に「悔しくないのか!」
前を向いて進んでいる人に「真剣味が足りない!」
いらいらしている人に「冷静になれよ!」
思うのは、仕方ありません。
喪の段階が違っているからです。

だからそれを責めようとも思いませんが、
ただこの事実を知っているか知らないかだけで
少し気が晴れるというか、
ああそうなんだなって受け入れることもできます。

私自身、仲のいい友人と話してても
え? この子こんな風に考えてたのかーとか、
こういう受け取り方するんだな
って思うことがある。
多分相手からも同じようなこと思われてると思う。

だからってその子を嫌いになる訳じゃないし
なんでもかんでも「そうだよねー」「わかるわかる」
みたいな関係ではむしろ歪んでる。
と、私は思っているので、気にならない。

まあちょっと知っておくと便利な
豆知識でした。


3,SNSデトックスも必要


SNSやネットというのは
いろんな意見を見ることができる反面
偏った意見だけを見ることができるツールでもあります。

検索すればいろんな意見、
それが正しいものも、間違ったものも、
主観的なものも、客観的なものも、
憶測も、捏造も、悪意のある誘導もある。

その中から私たちは自分の読みたいものを読む。
例えば「エスパルス」という文字の入ったもの。
例えば仲のいい友人、フォローしている人たちの意見。
その時点ですでに公平性は失われている。

ですから、SNSの話を全部真剣に受け止めないでください。
特にこれからの時期は「噂」という
インプレッション稼ぎのアカウントが乱立します。
それにいちいち、反応していても
自分がしんどくなるだけです。

選手の去就や来季の編成が気になる気持ちはわかります。
ですが、いちいち踊らされていては
身が持ちません。

実際、数か月前
自称「クラブの中に知り合いがいる」人から、
○○選手は移籍するらしい、既に調整に入っていてチームを離脱している。と聞かされました。
その選手、まだエスパルスの選手です。(昨日国立にいた)
それほど噂なんてあてにならない。
公式から発表があるまでは言及しない。
それが、幸せになる道です。

少しSNSから離れてみるのも、
心の安定のためには必要なことかもしれません。

4,今、私たちにできること


自分がまだ何もできていない状況で
こんなことを言うのもなんですが
ひとまず、この感情を我慢しないことです。

苦しいなら苦しい
悲しいなら悲しい
腹立たしいなら腹立たしい
いろんな感情をさらけ出すしかない。

でも、それを他人に向けるのはやめよう。
家族に八つ当たり
サポーター内での小競り合い
他チームへの当てつけ
他チームサポからの煽りへの報復
それは「あなたに」返ってきます。
それは「あなたを」幸せにするものではないのです。

清水エスパルスに対するアンチがいることは
自覚しています。

私もキライなチームがあるので
何とも言えません。

ですが、プレーオフ前に見かけたいくつかの言葉
「4位www」
「ブーメランだな」
「そういうチームなんだよ」
という言葉は、受け入れられませんでした。

だって、
なぜサポーターが起こしたアレコレの報いを
選手が受けなければならないの?
昨日一番悔しかったのは選手たち。
サポーターがやらかしたことの責任を
選手がとらされるなんて、そんなアホなことはない。

サポーターが起こしたアレコレの報いは
本人が償えばいいことです。
話をすり替えてはいけません。

といっても、喜んでそういう投稿をする人たちには
そんなの関係ないんでしょうけどね。


PO決勝が決まってからの
一週間はワクワクもし、旗を用意したり
チケットを準備したりと
ドキドキや不安もありながら楽しい時間でした。

そしてあの90分は最高の時間でした。
必死で応援したからこそ、
あなたにとって「エスパルス」が
他人ごとじゃなかったからこそ
得られなかった結果に
空しい気持ちになるんでしょう。
文句も言いたくなるんでしょう。
そんなことだろうと思ってた、と
言いたくなるんでしょう。

もしそうやって全て否定したら
あの90分を
この一週間をなかったことに
してしまうような気がしています。

それになんだかんだで
この1年私は楽しんだので
あなたもそうだと嬉しいのですが。

この1年で新しくサポーターになった人
今までライト層だったけど
初めてゴール裏に行ったという人など
サポーターも増えたと感じています。

この1年間本気で応援して来たからこそ
悔しさも残念さも悲しさもあるんでしょう。

だから自分を誇っていいと思います。

だから少し悲しんで悔しがって
元気が出て来たら、
いつものあなたに戻ってください。

胸を張って
次なる冒険への出発のために
英気を養え、エスパルスサポーター!


最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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  • 清水エスパルスを題材にメンタルを語るブログです。
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    ここを改善すべきだとかを
    論じるブログではございません。

  • 選手個人を挙げてメンタルを論じることはおやめください
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【プロスポーツメンタルコーチ Lily】

・独りきりでがんばるアスリートをなくしたい
・すべてのアスリートがメンタルコーチに頼れる世界に
・すべてのアスリートに幸せな引退を

静岡市出身。お茶の水女子大学心理学卒。
清水エスパルスとサッカー、音楽が大好きです。
小~高校まで吹奏楽部。高校野球の応援にも全力。
現在は清水エスパルスのゴール裏で声援を送る生活。

伸び悩む若手サッカー選手が
活躍できずに引退してしまう、
そんな姿を見たのをきっかけにメンタルコーチの道へ。

現在は音楽家(プロジャズミュージシャンなど)、
スポーツ選手(サッカー、ビリヤードなど)の
サポートの傍ら、自らの音楽活動も継続。

プロスポーツメンタルコーチ
プロチームメンタルコーチ
NLPマスタープラクティショナー
音楽療法士
リトミック ディプロマA

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