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清水エスパルス応援考察

オフシーズン企画 第三弾 応援について

こんにちは。
メンタルコーチ 兼 清水サポのLilyです。

オフシーズンですので、1年を振り返ったり
最近話題になっている事なんかを
取り上げていきたいと思います。

第三弾は応援考察です。

私、実はメンタルコーチの他に音楽療法士も
やっておりまして
普段から音やリズムが人に与える影響とか、
かなり気にしている関係で、応援についても
気になることがたくさんあるのです。

その中で、清水の応援について感じていることを
ちょっとだけ考察してみます。


1,応援にもリズムがある


ひとつめは応援の長回しについて。

声がでかければいいというものでもないですが、
1つの応援が長く続くと声はだんだん小さくなります。
これは心理学的には「馴化」と呼ばれていて
ずっと同じことを続けていると人は慣れて
手を抜き始めてしまうからです。無意識で。

馴化を防ぐためには変化をつけることです。
一番簡単なのは長回しをしないことですが、
同じ応援を続ける中でも
時々コールリーダーに煽ってもらったり、
少しリズムに変化をつけたりすると「もう一度!」と
声が大きくなったりします。

国立でやっていた、普段サンバでやっている部分を
太鼓だけにするとか、
音楽で例えるならBメロ的とか落ちサビみたいなのを
挟むことで、サビに戻ってきたときにまた
声が大きくなるみたいな感じですね。


2,サンバと太鼓


エスパルスには「サンバ隊」と「太鼓」と両方います。
他のチームはよく知りませんが、
多分清水だけなんではないでしょうか。

太鼓は選手コールの時などに
叩かれる洋楽器の太鼓で
サンバ隊は音程差をつけたスルドと呼ばれる大太鼓や
アゴゴやシンバルのような金属楽器、
その他大小の様々なサンバ楽器を組み合わせて
合奏をしています。

野球の応援で「応援団の太鼓」と「吹奏楽部の打楽器隊」
が分かれているような感じですかね。

そのおかげで、清水の応援は他とちょっと異なる音色を
持っております。そのサンバの雰囲気が好きで
エスパルスサポーターをしている方もいるかも知れません。

清水サポは毎試合サンバのイントロドンをしているので
それってすごいよなと思っています。

よく対戦相手のサポーターから
「耳に残る」「気づいたら口ずさんでた」
と言われるのは、この独特の音色のおかげかも、しれません。


3,音楽は世につれ


古い曲でも「クラシック」と呼ばれるものは
昔の楽譜が残っており、しかも楽譜通りに演奏することが
基本なので長い時代を経ても曲が変わらないのですが、

応援は口伝であり、楽譜がありません。

みんな耳で覚えて、何となく合わせて歌っているうち
覚えていきます。
楽譜もなく、口伝つまり聞いて覚える方式だから、
少しずつ変わっていきます。

わらべ歌や地域の民謡などもその多くが口伝であり
歌われる場所によって歌詞が若干違ったり
節回しがちょっと違っていたりするんですね。

ジャンケンの節回しや、
どれにしようかな、の続きが
育った場所によって違うように。

また時代によって、若干の変更が加えられていきます。
昔の難しい言葉をたくさん使っている童謡など、
最近では子供に分かりやすい言葉に歌詞を変えて歌っているようです。

例えば「どこかで春が」は東風(こち)をそよ風に変えていますし
「おべんとうばこの歌」ではおべんとうのおかずが今風に変わっています。

話を戻すと、エスパルスの応援も20年前と
ちょっと変わってるなと思うところがある訳で、
それは「時代の流れ」なのかなーと思いながら

これはもったいないからそのままがいいな!
と思っているベスト2をこっそりあげます。

一つはクラップ。
××× × × × ×××  エスパルス!
エスパルス!の前にブレイクが入るんですよね。
裏拍です。

ここで、「エス!パルス!」みたいに言っている人は
裏になっていないと思います。
「  エスパルス!」ですね。
これはカルリーニョス選手のチャントみたいに
休符がいい感じになっているチャントです。

もう1つはフォッサ。
これも裏拍問題です。
レーーーーフォッサエスパールス(× × × ×)←表拍
エーエーエーイッソエスパールス( × × × ×)←裏拍
この「エーエーエー」の後の裏拍、
最近一部の方は表拍になりつつあります。
一部の人はきちんと裏拍のままなんですが
これは裏の方が絶対カッコいいです。断固。


4,音楽的観点から


清水エスパルスにはたくさんの種類の応援があります。

楽しい応援、耳に残る応援、リズムだけの応援、
リズムが難しい応援、振り付きの応援。
カッコいい応援、メッセージ性の強い応援。

それらを組み合わせて、試合の流れを見ながら
コールリーダーが指示を出しています。

試合が白熱してきたり、
イケイケの時間帯になったりすると
だいたいテンポが上がってきます。
試合のテンポと応援のテンポがリンクしてくる。

相手の時間帯には少し落ち着くテンポやリズムの
応援をもってきて、試合を落ち着かせる、
なんていうのも応援の役目だと思います。

メッセージ性の強い曲や
リズムを聴かせたい応援ではゆっくり目の方が
よく聞こえ、届きます。
リバイブ「共に行こう、いつまでも、俺たちがついている」とか、
Tifosi「俺らのこの声を 清水の力に」とか、
Seven Nation Army「戦え清水 この街とともに」
とかですね。もう少しゆっくりの方が、伝わりやすい。

あとコール&レスポンスみたいに
サンバ⇒手拍子⇒サンバ⇒手拍子ってなるやつ
(なんていう曲か知らないんだけど)
あれは、速すぎて手拍子が追いついていないので残念。

とってもカッコいいしスタジアム映えする。
相手にプレッシャーを与えるにも効果的な応援だと思うのに
あまり伝わらないのがもったいないと常々思っている。


5,メンタル的側面から


最後に、メンタル的側面からの「応援」の位置づけを
整理しておきたいと思います。
ここまであれこれ書いておいて
「応援に意味はなかった」では残念ですからね。

「サポーターは応援することしかできない」
とよく言われます。
いや、実際応援しかできないんですが、
その「応援」が少なからず選手に影響を与えているという
研究結果もちゃんとあります。

応援「しか」という言い方が勘違いの元であると思っていて、
たとえば選手がサッカーをするのが役割であるのと同じように
サポーターも応援することが役割。

その応援の仕方はスタジアムで飛び跳ねること、
声は出さないけど応援すること、
TVの前で声援を送ること、ファンレターを送ること、
練習を見に行って声をかけること、成功を祈ること、
スポンサーになって金銭的な支援をすること、
人によりスタンスはそれぞれです。
どれが尊くてどれが劣っているということではありません。

東京大学とパナソニックの研究ではリモートの応援でも
応援効果があったようですし、
心の中で「がんばれ」と思うことも応援の定義に入っています。

選手のメンタルとして
「うまくいかないかも」「負けるかも」
というような気持ちで臨んだら上手く行かないのと同じように
応援も「信じる」気持ちが揺らぐと
応援の効力が弱まるのではないでしょうか。

秋葉監督も新体制発表の場で言っていらっしゃいましたよね。
ここでサポーターの皆さんにもお願いなんですけど
最後の最後に行けるぞ、って雰囲気を作ってくれると…。と。
それを聞いて、あ、やっぱり選手に伝わってるんだな
って思ってしまいました。
もちろんそういう雰囲気は22年より減っていますが、
国立で「アディショナルタイム8分」にどよめいたのが
多分、一番選手に伝わったんだと思います。

また、同時に「ファン」を名乗りながら
特定の選手について「ダメ」とか「期待外れ」と
言ってしまう事で、
その選手がこれからもっと成長し活躍するはずだった未来を
奪ってしまう事さえあります。

それは応援どころか、足を引っ張っていることに
他なりません。

私は、選手を成長させることよりも
選手をつぶすことの方がずっと簡単だと思っています。
だからこそ、どんな時も選手を信じ、選手に寄り添って
成長のために力を貸すことができるメンタルコーチで
ありたいと思っています。


最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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【お約束】

  • 清水エスパルスを題材にメンタルを語るブログです。
    皆さんの部活や生活、お子さんへの声掛けなどの参考にしていただければという気持ちで書いています。
    あくまで一般論としてのメンタルを語っており
    誰が悪いとかあの時○○すべきだったとか
    ここを改善すべきだとかを
    論じるブログではございません。

  • 選手個人を挙げてメンタルを論じることはおやめください
    ただし、○○選手のあの時のこの行動が
    その後の試合の流れに影響を及ぼしてた!(かもしれない)
    というようなことはブログ内では取り上げます。
    それは○○選手のメンタルの話ではなく行動の話だからです。

  • こちらに書かれていることを元に
    チームや選手個人にご迷惑をかけるような言動は
    おやめください。

  • 特定の選手、チームに対する暴言や誹謗中傷等もおやめください。


【プロスポーツメンタルコーチ Lily】

・独りきりでがんばるアスリートをなくしたい
・すべてのアスリートがメンタルコーチに頼れる世界に
・すべてのアスリートに幸せな引退を

静岡市出身。お茶の水女子大学心理学卒。
清水エスパルスとサッカー、音楽が大好きです。
小~高校まで吹奏楽部。高校野球の応援にも全力。
現在は清水エスパルスのゴール裏で声援を送る生活。

伸び悩む若手サッカー選手が
活躍できずに引退してしまう、
そんな姿を見たのをきっかけにメンタルコーチの道へ。

現在は音楽家(プロジャズミュージシャンなど)、
スポーツ選手(サッカー、ビリヤードなど)の
サポートの傍ら、自らの音楽活動も継続。

プロスポーツメンタルコーチ
プロチームメンタルコーチ
NLPマスタープラクティショナー
音楽療法士
リトミック ディプロマA

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