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Global Journey Blog vol.7 池上結

こんにちは!池上結です。

マイアミでの生活も残り1か月半ほどとなり、やり遂げたいことに気合いの入る日々です。

さて、私は留学先のマイアミで観光学を専攻しているのですが、今この地で観光について学べることに非常に大きなメリットを感じています。

というのもマイアミは観光地として急成長中の都市なのです。以前は”富裕層が夏を求めて訪れるリゾート地”として、カナダやイギリスなどアメリカ国外からの観光客が多くを占めていました。

しかしコロナ禍においては、温暖で広大な土地において感染を避けやすかったため、国内でも注目を集める人気急上昇中の都市となりました。

このブログを書くきっかけにもなったのですが、履修している観光学の授業にて2人のゲストスピーカーからお話を聞く機会がありました。

GMCVB(Greater Miami Convention &Visitors Bereau. マイアミ中心区やビーチへの観光促進を目的とした非営利団体)

Visit Lauderdale(マイアミから北東にある海岸沿いの都市、Fort Lauderdaleにおける観光マーケティングを行う政府組織)

今回はその方々からの情報やデータをもとに、マイアミの現状をぜひお伝えできればと思います。

観光地として注目され土地開発や環境整備に力が入る一方で、その影響はさまざまな形で見られます。今回はこれまでの留学生活をもとに、観光による課題や生活面での影響についてもお話したいと思います。



コロナが明けて急成長中の観光地

先程も軽く触れましたが、マイアミはコロナ禍からアメリカ国内で注目を浴び始め、2021年以降、訪問客数において国内で非常に回復力が早かった都市です。

そんなマイアミですが観光地としての魅力としては、冬でも快適な気候や年中楽しめる綺麗なビーチ、世界各国の料理が楽しめるレストランなど要素は満載です。

特に食文化においてはミシュランのシェフを含め、次々と新しいレストランがオープンしていて、世界各地の味を楽しむことができます。日本料理を試したことがあるという人にもよく出会いますが、”omakase"というコースが人気で、シェフが鉄板を使って目の前で料理を提供してくれるレストランもあるそうです。

週末はいつも大規模なイベントで盛り上がっていて、有名なアーティストのライブやスポーツ観戦など多彩な経験ができます。

この数か月中にもラッパーのTravis ScottやDrakeのライブがあったり、メッシ所属チームのサッカー観戦ができたり、Ultra music festivalという10万人規模の音楽祭が開かれます。

個人的に思い入れのあるイベントとしては、毎年2月末に開催されるSouth Beach Wine &Food Festivalです。有名シェフが集まるフードフェスで、ボランティアとして参加しました。

イベント設営やシェフの助手として参加し非常に楽しかったのですが、普通に参加しようとすると入場料は300ドル(約4万5千円)から、会場によっては1000ドルを超えていました。そのため出演しているDJやシェフは大変著名な方ばかりでした。(私は疎いのですが友人や他のボランティアはテンション激上がりしていました)


担当したコカコーラスタンド。氷を運んだりドリンクを配ったりしてました。



2026年FIFAワールドカップの3位決定戦の会場になったりと大きなイベントも控えており、続々と大手ブランドを中心としたホテルの建設、空港やクルーズ船用のターミナルの増築など進んでいます。

ファンシーさで有名なカジノ付きホテル、Seminole HardRock Hotel。一泊400~500ドルから(日本円6~7万円)

夜は空に向かって光が伸びるのですが、ギターのネック部分を表現しているようです。


昨年この会場にてBruno Marsのコンサートに行くことができました、、!




生活面への影響

このように観光によってどんどん発展していますが、一方で生活面への影響も見られます。
はじめに、物価が高すぎることです。スーパーでの買い物や車での移動費、またマイアミに限らないことかもしれませんが、ディナーなどの食事代は非常に高額になることがあります。高級志向のレストランが多いため、サービスに対して支払う料金やチップがかさんでしまいます。

たとえば、こちらのサンドイッチは約3000円。


こちらのアヒージョは約3500円です。


限られた期間で食体験を楽しみたいという思いと、それにしても高すぎるという気持ちでいつも葛藤していますが、この経験ができることに感謝をして、行くと決めた際には全力で楽しんでいます。
また量が多い時は持ち帰って何食かに分けて食べるようにしています。そうすることで気持ちも少し軽くなっています。


また、交通渋滞も深刻です。

中心区ではモノレールやバスなどで渋滞緩和を図っていますが、ダウンタウンやビーチなど定番スポットからキャンパスへの移動(ぐっと東西に移動する際)には時間がかかることがあります。帰る時間がピークの時間帯と被った時には、時間をおくか、友達と覚悟を決めて帰路に着いたりしています。

また週に1度、バスで1時間の海沿いにあるキャンパスに通っているのですが、時間帯によっては30分から1時間ほど遅れることもあります。

夏には道路拡大のための工事によって道が封鎖され、大渋滞が度々起きていました。”道を増やすための封鎖で渋滞って、、”と思いながら2時間以上揺られて帰った日もありました。


見えにくいですが、ただひたすら渋滞しています。


もうひとつ問題として挙げられるのが、観光客の増加による治安維持の難しさです。

マイアミは1960年代に映画の舞台となったこともあり、春休みの旅行先として人気になりました。日本でいうと春休み中の学生が一足先に夏を感じようと沖縄旅行に行く感じでしょうか。70歳近い教授も自身が大学生だった1970年代にはマイアミで春休みを満喫していたそうです。

そんなマイアミの最近の天気はというと、30度を超える日もあり冬を全く感じないです。そんな温暖な気候は大きな魅力のひとつだと感じます。

しかしお酒・クラブ関連のトラブルや事件が絶えないため、今年はこれまでになく大々的かつ厳しい規制を設けて治安悪化を防止するようです。

3月の中旬2週間(ちょうど今)は最も混雑する時期として、ビーチへの入場規制や駐車場の使用制限や料金の値上げ、飲酒や喫煙の禁止などで対応しています。

授業を通じて観光客の制限を行う有名都市の例を学ぶこともありますが、そうした大規模での規制の様子について身近で見れるのはいい機会だなと思います。

今は規制中のビーチ。夕焼けは最高に綺麗、魅力的なのも納得です。



マイアミの観光策について感じるのは、高級志向です。
新しくできたモールやホテルはどこも豪華でデザインも派手、提供される食事も洗練されて高価なものばかりです。



しかしマイアミの観光地としての魅力はその温暖な気候や豪華なリゾートだけに限らず、多様な文化にもあると思います。

一部の都市化した地域から離れると広大な湿地帯が広がっています。ネイティブアメリカンが住んでいた地域もあり、本当に豊かな生態系が広がっています。

以前国立自然公園のエバーグレーズを訪れましたが、野生のクロコダイルとアリゲーターという2種類のワニが生息している珍しい場所で、1000種類以上の植生がみられる広大な土地でした。

これはクロコダイル。アリゲーターの方が珍しいみたい。



また、何度かご紹介もしましたが、南米からの移民の影響が強いです。2019年時点ではニューヨーク、ロサンゼルスを越して最も移民の数が多いとのこと。それ以降もコロナによる経済状況の悪化から、アメリカに移り住む人は増え続けているようです。

参考にした情報です、ご興味のある方はぜひ!

https://www.migrationpolicy.org/article/south-american-immigrants-united-states(Jane Lorenzi and Jeanne Batalova. South American Immigrants in the United States. 2.16.2022)

https://news.miami.edu/stories/2023/02/record-breaking-number-of-migrants-place-burden-on-city-resources.html
(Caroline Vail; Record-breaking number of migrants place burden on city resources, 2.22.2023)

料理以外でも音楽やアートなどでもラテン要素を感じることが多く、いい意味でアメリカ感がないと思います。そんな豊かな多様性と活気ある文化は、魅せ方によってはさらに多くの人を惹きつけ、楽しませることができると感じています。


さいごに

今回は観光学を専攻し授業を通して学んだこと、そしてここに住むいち学生としての感覚からも観光の影響について考えてみました。
観光地としてまさにピークを迎え栄えようとしているこの土地で、モダンかつどこまでもファンシーなホスピタリティを体験できたこと、
そして環境や観光公害を考慮して持続可能な都市開発を目指す様子を見れたことはとても貴重だなと感じています。ここに来てよかったと感じる理由の一つです。
次回のブログの頃には帰国直前となります。留学の振り返りや心境を残してみたいなと考えています。
ラストスパート、やり切ったと思いきり言えるよう日々大切に過ごしていこうと思います。
ご精読ありがとうございました。




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