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わたしの相方のこと 9

ねぇ…もうそっちにイッていいかな?
わたし、もうツラい…。
くだらない事で喧嘩したり、言い合いしたり、愚痴をこぼしたり、飛び出していったり。
そんなことはいつもだったっけ。
でも、お弁当を作って海をみながら、のんびりと過ごしたり、あなたが、お弁当のおかずを近寄ってきた鳥に投げたりして。
おかずがコロコロと転がって遠くに飛んでいってしまって、2人で笑ったりしたっけ。
いま、わたしがそっちにいったら、あなたはきっと怒るだろうね。この世界からいなくなるには、あまりにも早すぎるって。
それはお互いさまでしょう。
あなたも早すぎたでしょ。
あなたの息遣い、鼻にかかるような声、大きな瞳。人情厚い唇。すべてが懐かしいけど、昨日のことのようにハッキリと覚えている。きっと、忘れることはない。
まだ、わたしにはここで、やるべきことがあるから、まだいけないのが歯痒い。待っていて。
次に巡り会えたときには、謝るね。
さきに、逝かせてごめんね…と。
ゆっくりおやすみなさい。わたしの愛しい人よ。

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