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コースを学ぼう!-part40-【小倉ダート1700m】

こんばんは!限界化競馬Vの碧馬らいむです🍀🐴

ここでは競馬場のコース毎の特徴押さえておきたいポイントについて記載しています!普段何気なく見ているレースも、コース形態や特徴を把握して見ていると面白い部分があったり、レースの振り返りや馬券購入のヒントに繋げられる部分もあります✏️📖
「このコースはこんな特徴があるんだ!」と思っていただければ嬉しいです✨

さて、今回は今週行われるプロキオンSの舞台でもある小倉ダート1700mについてまとめました!📊
過去のデータについても記載していますので、競馬に詳しい方も競馬初心者の方も少しでも参考になれば嬉しいです🎶


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🟢コースの概要🟢

コースの全体像

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小倉ダート1700mは観客席側からのスタートとなり、一周してゴールとなるコースです。
施行回数の多い条件で、昨年から京都競馬場改修工事に伴う番組編成の影響もあり重賞のプロキオンSがこの舞台で開催されます。



🔴押さえておきたいポイント🔴

直線の短い小回りコース!
小倉競馬場はJRA全10場のなかで3番目に直線距離が短い競馬場です(291.3m)。
そのため後方からの差しは届きにくく、ダートは芝に比べて前有利な傾向が強いこともあり直線入口で勝ち負けできるポジションにいるかが非常に重要なコースとなります。詳しくは脚質別成績で述べますが、前にいることが重要となるため先行力やコーナーでポジションを上げていける器用さが必要となるコースです。


2コーナーからは下り坂が続く!
小倉競馬場は1コーナーの坂を上った後、下り坂が続くコース形態となっています(直線は僅かに上りとなっていますが、起伏は少なくほぼ平坦と捉えています)。最後の直線が短いこともあり、早めにペースが上がりやすく最後までバテずに走り切る持続力が問われるコースです。早めにペースが上がるレースやハイペースの流れを得意としている子に注目です。



📊データ編📊

ここからはデータを基に更に深掘りし考察していきます。
データは2017年1月〜2022年6月26日(日)の期間に行われた小倉ダート1700mの結果を集計しました!✏️
(集計時に単勝50倍を超えるオッズのお馬さんは除外して集計させていただきました。理由は一頭馬券内に絡むだけで回収率の数字に大きな変化が現れ、正確さに欠けると感じたためです。)


🐴枠順別成績🐴

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 14頭立て以上

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勝率では中枠が、複勝率では内枠の成績が良くなっていますが好走ゾーンは全体的にバラけており、8枠の好走率が低くなっています。
こう見ると枠順による大きな差はないように感じますが、小倉ダート1700mは馬場状態によって顕著な違いが見られるようになります。それがこちらです。


良〜稍重馬場・14頭立て以上

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重〜不良馬場・14頭立て以上

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良〜稍重では中枠と外枠の好走率が上昇し、反対に重〜不良では内枠の好走率が上昇しています。
小倉ダート1700mは雨が降ると特に時計が速くなり、スピード(追走力)が強く求められるコースとなります。その結果外からの押し上げが効かず内前有利が顕著となり、良馬場と比べると内枠の成績が上昇しています。

昨年のプロキオンSは重馬場で行われ、内枠から先行したメイショウカズサが9人気1着、トップウイナーが14人気2着、大外枠から逃げたメイショウウズマサが12人気3着と内前有利が顕著に現れた結果となりました。更にこのレースはレコードタイムが記録されたレース。トップウイナーとメイショウウズマサは1400m以下での実績もあり、スピード(追走力)が問われたレースであることを象徴する結果となりました。
馬場状態によって枠の有利不利があることは覚えておきたい特徴です…!


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馬場が湿るとスピードが求められ内前有利になると述べましたが、それでは8枠の成績が上昇するのはおかしいですよね。
ではここで8枠で好走した子達を紐解いていきましょう。

〜重・不良で8枠から好走した例〜
○21/8/14 小倉11R 阿蘇S
ケイアイパープル 10人気1着(単勝24.5倍,複勝6.7倍)
コーナー通過順(4-4-3-2)

○21/7/11 小倉11R プロキオンS
メイショウウズマサ 12人気3着(単勝37.2倍,複勝10.0倍)
コーナー通過順(1-1-1-1)

○21/2/27 小倉12R 早鞆特別
フラッグアドミラル 7人気2着(単勝15.5倍,複勝3.9倍)
コーナー通過順(2-2-2-2)

○20/2/22 小倉1R 3歳未勝利
コパノラクラク 9人気1着(単勝22.2倍,複勝5.7倍)
コーナー通過順(4-4-2-2)

○19/9/1 小倉1R 2歳未勝利
キメラヴェリテ 6人気1着(単勝14.7倍,複勝4.0倍)
コーナー通過順(1-1-1-1)

○17/2/25 小倉6R 4歳上1勝クラス
スマイルフォース 7人気1着(単勝18.0倍,複勝3.8倍)
コーナー通過順(5-5-2-2)


好走馬を見てみると逃げ先行馬が多く、上記に挙げた通り人気薄で馬券に絡んだ子は殆どが前のポジションで競馬を運んでいました。
外枠でも逃げもしくは先行して前目のポジションを確保できれば内前有利馬場の恩恵を受けることが出来ます。
外枠だから消し!ではなく、前に行きそうな子の並び順を見てポジションを確保できるかどうかを考えるのが大切です。枠で嫌われて逃げ先行馬が人気薄になっているのなら穴馬を仕留めるチャンスかもしれませんね…!
(8枠から逃げ先行で好走している穴馬が多く出ているため、この数字は上振れの可能性もあるかもしれません)




🐴脚質別成績🐴

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14頭立て以上

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小回りコースのダート戦らしく逃げ先行馬の好走率が高く、基本は先行力が大事になるコースです。
そしてもう一つ注目したいのが捲りの成績。このコースは道中捲った馬の好走率が非常に高く、回収率でみても優秀な成績を残しています。

そこで注目しておきたいのが下記のデータです。

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1コーナーで先頭グループにいた子と4コーナーで先頭グループにいた子を比較すると、好走率と回収率に大きな差があります。
ここからも道中捲っていった馬の好走率が高いことがわかりますね。

ではなぜ小倉ダート1700mは捲りが決まりやすいのか?というと、これはコース形態が関係しています。
小倉ダート1700mはスタート後にペースが速くなった後、1コーナー+上り坂のタイミングでペースが緩みます(これは平均ラップの項目でも後述します)。その後は下り坂で徐々にペースが速くなっていきますが、この部分で一度ラップが緩むため後続はポジションを押し上げやすいタイミングとなります。

直線の短い小回りコース特有の早仕掛けというパターンもありますが、ペースが緩んでそのまま楽に前を行かせてしまうと後方にいる馬にとっては苦しい展開となってしまいます。そのため過去に捲った経験のある馬や小倉コースに実績のある馬がいる時や、積極的な騎乗をしてくれる騎手が乗っている時は、道中で捲りが発生するかも?と頭の中に入れておきたいコースです。


また、こちらも馬場別の成績を確認しておきましょう。

良〜稍重馬場・14頭立て以上

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重〜不良馬場・14頭立て以上

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逃げ先行有利、捲り有利ということに変わりはありませんが、逃げ馬の好走率(特に勝率と連対率)が大きく上昇しています。
馬場が湿るとスピード(追走力)が問われ内前有利なコースとなるため逃げ馬が簡単には止まらなくなります。
雨が降った時は前有利傾向が増す、と覚えておきましょう…!




🐴種牡馬別成績🐴

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勝利数1位はクロフネ、2位はルーラーシップ、3位はオルフェーヴルとなりました。

クロフネは好走率・回収率共に高く好成績です。クロフネの産駒や母父にクロフネを持つ子はハイペースに強いという特徴を持つ子が多く、芝でもソダシやレイパパレがハイペースのレースで強い競馬を見せています。
このコースは早めにペースが上がりやすいことから厳しい流れになることが多く、適性の高い舞台と言えそうです。


ルーラーシップは好走率が高いわけではないものの、人気薄も多く絡んでいます。産駒は長く脚を使える子が多く、このコースでは逃げ先行タイプばかりではなく後方から差したり捲って穴をあける子も目立っています。
上がりを使える子や小回り向きの器用さを持っている子、逃げ先行馬が多く展開の向きそうな時の差し馬には要注意です。


オルフェーヴル好走率・回収率共に優秀な成績となっています。
産駒は芝でもダートでも重賞勝ち馬が出る活躍を見せていますが、小回りコース向きの器用さを持つ子が多くこのコースにも高い適性を感じさせます。
芝→ダート替わりでも馬券になっており、特に前走芝を使っていた牝馬がよく絡んでいるため注目したい条件です。


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他、高い回収率となっているのがシニスターミニスター
後述するパイロと同じエーピーインディ系の種牡馬で、特徴的なのは高い勝率。人気薄もよく馬券に絡んでおりこのコースへの適性の高い種牡馬です。エーピーインディ系の種牡馬は好成績をおさめている子が多く、覚えておきたい系統です。


ランキング外で注目しておきたいのがスマートファルコン
勝率12.5% 連対率35.7% 複勝率42.9%
単勝回収率181 複勝回収率156

と非常に優秀な成績を残しています。
揉まれ弱さを抱えた産駒も多いものの、スムーズな競馬ができた時に強く湿った馬場にも強いという特徴があります。
枠順別の成績を見てみると、
1〜4枠
勝率3.6% 連対率35.7% 複勝率42.9%
単勝回収率29 複勝回収率158

5〜8枠
勝率21.4% 連対率35.7% 複勝率42.9%
単勝回収率333 複勝回収率153

と、連対率と複勝率は変わらないものの勝率に大きな差が生じています。全体で見ても優秀な数字ですが、特に外枠を引いた時に狙いたい種牡馬です。


もう一頭ランキング外で注目しておきたいのがカジノドライヴ。先程名前を挙げたシニスターミニスターや後述するパイロと同じエーピーインディ系の種牡馬です。
湿った馬場に強いのも特徴で、昨年重馬場で行われたプロキオンSではメイショウカズサが9人気1着と穴をあけており、この舞台では要注目の種牡馬です。



次に、馬場別の成績を見てみましょう。

良〜稍重馬場

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重〜不良馬場・14頭立て以上

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注目したいのは重〜不良馬場でのランキング変動。上位馬の顔ぶれが変わり、上位にはキングカメハメハやディープインパクト、下位にはロードカナロアやエピファネイアといった芝適性の高い種牡馬がランクインしてきています。
馬場が湿るとスピードが求められるため、芝でも走れるような軽さが活きるのではないでしょうか。

しかし、芝適性の高い種牡馬=湿ったダートが得意とは限りません
その代表がハーツクライです。
産駒はタフなダートで好走傾向にあり、実際にこのコースでも良〜稍重馬場で好成績を残しています。


そして湿ったダートに強いのがパイロ。前述したシニスターミニスターやカジノドライヴと同じエーピーインディ系の種牡馬です。
人気薄での好走も多く、オープンクラスでもケイアイパープルが不良馬場の阿蘇Sで10人気1着と穴をあけるなどの活躍を見せています。
雨が降った時は押さえておきたい種牡馬です。


🍀注目種牡馬クロフネオルフェーヴルシニスターミニスタースマートファルコンカジノドライヴハーツクライパイロ




🐴平均ラップ🐴

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参考として古馬1勝クラス古馬2勝クラス古馬オープン2021年プロキオンS小倉ダート1700m全レースの平均ラップをグラフにしました。

ダート戦らしく序盤の先行争いで速いペースを刻んだ後、コーナーと上り坂を迎えるタイミングでペースが緩み、下り坂となる2コーナーから徐々に加速し最後は失速するラップとなっています。

下り坂の影響もあり早めにペースが上がり、後半は失速し続けるラップになっていることから最後までバテずに走り切る持続力が問われるコースであることがこのグラフからもわかります。

脚質別成績で述べたことと重なりますが、コーナー+上り坂の部分で大きくペースが緩み後続がポジションを押し上げやすいタイミングが生まれるため、捲りが決まりやすい要因となっています。
直線の短い小回りダートコースらしく前半のペースが速くなることもあり、持続力だけでなくハイペース適性、馬場が湿った時はスピード(追走力)も大事になるコースです…!




🐎人気薄の好走例🐎

これらを踏まえて実際に人気薄の子が穴をあけた例を見ていきましょう。

穴をあけた例①
2022年1月16日(日)
小倉11R 門司S(良)
エクレアスパークル 8人気1着(単勝33.8倍,複勝6.4倍)

こちらは良馬場で行われたレース。レースラップも確認してみると
7.0-10.7-12.0-12.9-13.2-12.2-11.9-12.4-12.7
と、コース形態通り途中でペースが緩み、早めにペースアップする展開となっています。しかし道中の緩みが大きかっため後続が早めに前との差を縮める展開となり、捲りが効く流れとなりました。
勝ち馬のエクレアスパークルは外枠から先行すると、ペースが緩んだタイミングでポジションを押し上げ早めに先頭に立ちそのまま押し切って勝利。父は良馬場で好成績を残しているハーツクライでもありました。
(5人気2着に好走したニューモニュメントは道中後方にいましたが、他馬より早めに仕掛けて外から捲っていき2着に好走しました。)

-買い要素-
・外からスムーズに先行が叶いそうなメンバーと枠
・良馬場は内枠<外枠
・前走の奥羽Sは早めにペースアップする持続力が求められる展開で勝利
・ハーツクライ産駒(良馬場で好成績)



穴をあけた例②
2021年8月22日(日)
小倉10R 薩摩S(不良)
アスターマリンバ 15人気1着(単勝78.3倍,複勝19.2倍)

こちらは不良馬場で行われたレース。レースラップを確認すると
7.0-10.7-11.7-12.5-12.2-12.1-12.1-12.1-12.9
と、大きく緩む区間がなく一定のペースを刻んだ流れとなり、馬場状態も相まってスピード(追走力)が問われるレースとなりました。
勝ち馬のアスターマリンバは近走先行して粘りきれないレースが続いていましたが、この舞台で先行するとそのまま押し切って勝利。内前有利な馬場も味方につけて穴をあけました。
また、父はランキングにも入っていたサンデーサイレンス系のネオユニヴァース。芝的な要素も併せ持つ種牡馬でした。
(このレースで逃げていたシゲルタイタンは12人気4着と馬券内まであと一歩でした。雨で前有利馬場になっているのが結果にもしっかり表れたレースです。)

-買い要素-
・近走先行している
・前有利になりやすい舞台へのコース替わり(不良馬場は内前有利)
・ネオユニヴァース産駒(芝的要素も持つ種牡馬)



穴をあけた例③
2021年7月11日(日)
小倉11R プロキオンS(重)
メイショウカズサ 9人気1着(単勝19.8倍,複勝6.8倍)
トップウイナー 14人気2着(単勝73.1倍,複勝16.5倍)
メイショウウズマサ 12人気3着(単勝37.2倍,複勝10.0倍)

こちらも雨で湿った馬場状態で行われたレース。このレースではレコードタイムが記録されており、スピード(追走力)が強く問われたレースでした。
勝ち馬のメイショウカズサは近走先行しながらも厳しい展開になってしまったり、地方のタフなダートでの敗戦が続いていました。しかし、過去には不良馬場で2勝を挙げており、父は湿ったダートに強いカジノドライヴ内前有利×スピードが求められる舞台替わりで大きくパフォーマンスを上げました。

2着のトップウイナー、3着のメイショウウズマサは近走逃げ先行の競馬をしており、1700mより短い距離での実績もありスピードの裏付けのある馬達でした。
湿ったダートでは短距離向きのスピードがプラスに働くことも覚えておきたいポイントです。

-買い要素-
・近走逃げ先行経験あり
・湿ったダートでの実績や短距離での実績あり
・スピード決着向きの血統




〜まとめ〜

○直線の短い小回りコース!先行力や器用さといった小回り適性の高い子(小回り実績のある子)に注目!

湿った馬場では内枠有利になるコース!乾いた馬場では中枠〜外枠がやや有利なコース!

○直線の短い小回りコースらしく逃げ先行馬が有利も、道中捲っていった子も好成績!捲りやすいコース形態でもあるため、早めに動いていける子に注目!
また、湿った馬場では前有利傾向が強くなる!

○注目種牡馬はクロフネオルフェーヴルシニスターミニスタースマートファルコンカジノドライヴ!乾いた馬場ではハーツクライ、湿った馬場ではパイロにも注目!

○2コーナーからは下り坂が続くため、早めにペースが上がるコース!最後までバテずに長く脚を使える持続力や、速いペースに対応するハイペース適性が求められる!雨で馬場が湿った時はスピード(追走力)も必要になる!





🍀プロキオンSのポイント🍀

2022年も昨年同様小倉ダート1700mでの開催となります。
平均ラップの項目で触れた通りこのコースは

スタート後は先行争いで速いペース→上り坂+1コーナーでペースが緩む→下り坂が続くため早めにペースアップ

が基本的な流れで、器用さ持続力が求められるコースです。
昨年のレースを振り返ると

🏆2021年プロキオンS(重)🏆
1着 2枠3番 メイショウカズサ(5-4-5-4)
2着 3枠6番 トップウイナー(2-2-2-2)
3着 8枠16番 メイショウウズマサ(1-1-1-1)

昨年は重馬場での開催となり、レコードが出るような高速馬場でレースが行われました。
その結果内前有利傾向が強く出たため、内枠と逃げ馬が馬券内を独占しました。
特に2着のトップウイナーと3着のメイショウウズマサは1400mでの実績もあった子で、スピード(追走力)が問われたレースだったことがわかります。

馬場次第で顕著な傾向が出るため、今年も天気には注目。当日含水率の低いダートで行われるならば、昨年のイメージに引っ張られず外からの捲りも効く馬場になるとみて予想を組み立てたいです。
反対に今年も雨が降り昨年同様スピード(追走力)が求められる馬場になるのならば、内前のポジションを取れそうな子や、1700mよりも短い距離での実績がある子を重視して考えたいです。




以上、小倉ダート1700mについてでした!
今後も気がついた事があれば随時更新していきます!

最後まで読んでくださりありがとうございます、モチベにも繋がりますのでよかったらnoteのフォロースキもよろしくお願いします🍀

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(雨のダートって特徴出るよね)



いつもボクの記事を読んでくださりありがとうございます! これからも根拠のある記事、面白い記事を作成していけるよう努力します!