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コースを学ぼう!-part48-【札幌芝1800m】

こんばんは!限界化競馬Vの碧馬らいむです🍀🐴

ここでは競馬場のコース毎の特徴押さえておきたいポイントについて記載しています!普段何気なく見ているレースも、コース形態や特徴を把握して見ていると面白い部分があったり、レースの振り返りや馬券購入のヒントに繋げられる部分もあります✏️📖
「このコースはこんな特徴があるんだ!」と思っていただければ嬉しいです✨

さて、今回はクイーンSや札幌2歳Sが行われる舞台でもある札幌芝1800mについてまとめました✍🏻
過去のデータについても記載していますので、競馬に詳しい方も競馬初心者の方も少しでも参考になれば嬉しいです…!



🟢コースの概要🟢

札幌芝1800mコース図

札幌芝1800mは観客席側の直線からスタートし、一周してゴールを迎えるコースです。
このコースは夏に行われるGIIIクイーンSやGIII札幌2歳Sなどで使用されます。




🔴押さえておきたいポイント🔴

札幌は平坦なコース!緩急の少ない流れになりやすい!
札幌競馬場の高低差は0.7mとJRA全10場のなかで最も起伏が少なく平坦なコースです。そのため他場で見られるような上り坂でペースダウン、下り坂でペースアップ…といったことがなく、同じようなラップが続く流れになりやすいコースです(詳細は平均ラップの項目で後述します!)。
パワーが無く坂が苦手…といった子も好走しやすい舞台のため、平坦コースを得意としている平坦巧者に注目したいコースです。
(特に同じ洋芝コースの函館は起伏が多くパワーが求められるコースですので、函館⇄札幌のコース替わりは意識しておきたいポイントです。)


直線は短いものの、起伏がなくコーナーが緩やかなため捲りが決まるコース!
札幌競馬場は直線距離が266.1m(Aコース使用時)と短いものの、コーナー角が緩やかなコースです。そのため他の小回りコースと比べて器用さが求められず、コーナーで加速して最後の直線を迎えることができます。それに加えてこのコースは起伏もないため、早めに加速して動いて行きやすく捲りが決まりやすいコースとなっています(詳しくは脚質別成績で後述します!)。


洋芝巧者に注目!函館との違いも覚えておこう!
札幌競馬場の芝コースは全て洋芝で、これは函館競馬場と札幌競馬場だけの特徴となります。洋芝は他の競馬場で使用されている野芝と比べて寒冷な気候に強く、耐久性に劣るといった特徴を持っています。そのため開催が進むにつれて馬場が傷んで時計がかかるようになり、パワーが必要とされる馬場になるため開催前半と後半の芝状態の違いは意識しておきたいポイントです。
他の競馬場と芝が異なるため、函館・札幌コースを得意とする洋芝巧者と呼ばれる子もいます。
また、札幌競馬場は函館競馬場より水捌けが良いため雨が降っても函館競馬場ほど馬場が重くなりにくい競馬場です。起伏も少なく函館ほどスタミナやパワーが問われにくいため、函館で好走した子が札幌では力を発揮できず凡走、逆に函館で凡走した子が札幌に替わって好走といったパターンもあります。
同じ洋芝の競馬場でも違いがあることはこの距離に限らず覚えておきたいポイントです。




📊データ編📊

ここからはデータを基に更に深掘りし考察していきます。
データは2018年1月〜2023年7月16日(日)の期間に行われた札幌芝1800mの結果を集計しました!✏️
(集計時に単勝40倍を超えるオッズのお馬さんは除外して集計させていただきました。理由は一頭馬券内に絡むだけで回収率の数字に大きな変化が現れ、正確さに欠けると考えているためです。)


🐴枠順別成績🐴


14頭立て以上

好走ゾーンが外枠に偏っており、内枠の好走率が低いことがわかります。
スタートから最初のコーナーまでの距離が短いコースは内枠有利になりやすいのが通常ですが、札幌はコーナー角が緩くコーナーで加速しやすいといった特徴を持っています。それに加えてこのコースはスローペースになりやすく、外からの捲り外を回しての差しも決まりやすくいため外枠からも好走しやすいコースとなっています。
ただし、開催直後の綺麗な芝では内有利傾向が強まる場合があり、洋芝は馬場の傷みも早いため当日の馬場コンディションにも注目です。




🐴脚質別成績🐴


14頭立て以上

このコースはスタートから最初のコーナーまでの距離が短くスローペースになりやすいコースですが、逃げ馬の回収率は高くなく、先行馬捲った馬の成績が高くなっています。
札幌はコーナー角が緩いことから後方から外を回した子も加速しやすく、スローペースになりやすいことから後方馬も速い上がりを使ってくるため逃げ馬が立ち回りの上手さを活かして逃げ切ることが難しいコースとなっています。
ただし最後の直線は短く後方一気の追込は決まりにくいため、早めに動いていける子や先行馬に注目したいコースです。




🐴種牡馬別成績🐴

勝利数1位はディープインパクト
好走率が高く回収率も優秀な数字を残しており、このコースとは相性の良い種牡馬と言えます。
ディープインパクト産駒の強みはスローペースからの末脚勝負に強いこと。スローペースになりやすく外から加速しやすいこのコースは末脚を活かしやすく、それが産駒の好走率の高さに繋がっていると考えられます。


2位のハービンジャーも優秀な成績。
ハービンジャー産駒は持続力に長けた子が多く、外から加速していく競馬を得意としています。
極端に馬場が重くなると成績を落とす面が見られるものの、多少荒れた馬場には強く洋芝のこのコースでは要注目の種牡馬です。


4位のキズナはディープインパクト系の種牡馬。
好走率・回収率共に優秀な成績を残しており、産駒はディープインパクトのような末脚よりもパワーに長けたタイプが多いのが特徴です。それ故に洋芝の札幌は得意としており、馬場が湿った際も好成績を残しています。


5位のルーラーシップはハービンジャー同様に持続力に長けた産駒が多いのが特徴。それ故に内でごちゃつく競馬は得意ではなく、外から捲りやすいこのコースとは好相性で抜群の成績を残しています。近走で包まれるなどの不利を受けて着順を落としている子の巻き返しには要注意です。


6位のゴールドシップも好走率・回収率が優秀な種牡馬。産駒は重い馬場や平坦なコースを得意としている子が多く、持続力に長けた産駒が多いのが特徴です。洋芝の平坦な札幌とは相性が良く、札幌2歳Sで5人気2着と好走したユーバーレーベンなど重賞での好走馬も出ているため、今後の活躍にも注目です。


7位のドゥラメンテは出走機会こそ少ないものの、抜けて高い好走率を記録しています。
ディープインパクト同様にレース後半での末脚が活かしやすい条件であり、残された世代は少ないですが今後も注目の種牡馬です。



🍀注目種牡馬ディープインパクトハービンジャーキズナルーラーシップゴールドシップドゥラメンテ




🐴平均ラップ🐴

参考として古馬1勝クラスクイーンS札幌2歳S札幌芝1800mの全レースの平均ラップをグラフにしました。

札幌芝1800mはスタートから最初のコーナーまでの距離が短いため早い段階でペースが緩みやすく、スローペースになりやすいコース形態をしています。コース全体の起伏が少なく平坦なコースであることから道中のペースのアップダウンも少なく、後半にかけて徐々に加速する流れとなり持続力が問われるコースとなっています。
スローペースになりやすく平坦なコースであることから速い上がりも問われるため、スローからの末脚勝負に強い子や持続力に長けている子を狙いたいコースです。




🐎人気薄の好走例🐎

これらを踏まえて実際に人気薄の子が穴をあけた例を見ていきましょう。

穴をあけた例①
2022年9月3日(土)
札幌11R 札幌2歳S
ドゥアイズ 6人気2着(単勝14.6倍,複勝3.1倍)

本馬は6人気の人気薄でしたが、本このコースと好相性のルーラーシップ産駒で持続力に長けたタイプであり、前走のコスモス賞では徐々にポジションを押し上げて好走していました。
更に今回は外枠を引いており、道中外からポジションを押し上げて好走しました。

-買い要素-
・外枠
・捲って差す経験あり
・ルーラーシップ産駒



穴をあけた例②
2022年7月31日(日)
札幌11R クイーンS
サトノセシル 8人気2着(単勝21.6倍,複勝4.5倍)

本馬は格上挑戦で人気を落としていましたが、前走は速い末脚が求められる東京コースで敗れており、持続力に長け洋芝実績も持っていたことから今回は条件好転のターンでした。
今回は内枠を引いていましたが、道中は外に出して早めに仕掛けた鞍上の好騎乗もあり人気薄で好走しました。

-買い要素-
・持続力に長けたタイプの差し馬
・洋芝実績あり




〜まとめ〜

○起伏がほぼない平坦なコース!急坂コースが苦手な平坦巧者な子に注目!

洋芝巧者に注目!特に札幌と函館の違いを覚えておけば札幌⇄函館のコース替わりが考えやすくなる!

○外枠が不利になりにくいコースで、後半外から動きやすい外枠有利!ただし洋芝は馬場の傷みが早いため馬場コンディションには注意!

先行馬や捲った馬の活躍が目立ち、早い上がりが求められるため逃げ切りは難しいコース!

○注目の種牡馬はディープインパクトハービンジャーキズナルーラーシップゴールドシップドゥラメンテ

○起伏が少なくコーナー角も緩いため、基本は前半スローペース→中盤同じようなラップを刻む→後半徐々に加速する流れになるコース!速い上がりを使える子やバテずに長く脚を使える持続力を持つ子に注目!





🍀クイーンSのポイント🍀

このレースで問われる能力・要素・傾向
最後までバテずに走り切る持続力
内枠有利
差し追込有利

札幌芝1800mはスタートから1コーナーまでの距離が短く、スローペースになりやすいコースです。
直線距離は短いもののコーナー角が緩やかなため、他の小回りコースと比べて器用さが求められないのも大きな特徴で、持続力末脚に長けた子が好走しやすいコースとなっています。
また、コーナーで加速して最後の直線を迎えることができる点から捲りが決まりやすいのも大きな特徴です。


そしてこのレースの最初のポイントは内枠有利な点です。

1〜4枠
【3-3-4-17/27】
勝率11.1% 連対率22.2% 複勝率37.0%
単勝回収率198 複勝回収率117

5〜8枠
【2-2-1-34/39】
勝率5.1% 連対率10.3% 複勝率12.8%
単勝回収率14 複勝回収率31

札幌芝1800mは捲りが決まりやすい点から外枠からも好走しやすいコースですが、このレースは開催2週目に行われるため内が有利な馬場コンディションになりやすいといった特徴を持っています。

2022年は1枠のテルツェットが2人気1着、3枠のサトノセシルが8人気2着、2枠のローザノワールが3人気3着と内枠勢が上位を独占。2020年は1枠のレッドアネモスが11人気1着と大穴で激走、2017年は2枠のアエロリットが2人気2着、1枠のトーセンビクトリーが6人気2着、4枠のクインズミラーグロが8人気3着、この年も内枠勢が上位を独占しています。
反対に外枠を引いた子は、2022年にウォーターナビレラが1人気10着、2020年はフェアリーポルカが2人気6着、コントラチェックが3人気10着、2017年はアドマイヤリードが1人気6着、マキシマムドパリが3人気7着、パールコードが4人気10着と人気を裏切っています。

開幕週で外差しが届いていても、馬場が踏み固められて内が伸びる馬場に変化し内外の有利不利が極端になることもあるため当日の馬場コンディションにも注目です。


続いてのポイントは差し追込有利な点です。

初角5番手以内
【2-0-3-25/30】
勝率6.7% 連対率6.7% 複勝率16.7%
単勝回収率18 複勝回収率43

初角6番手以下
【3-5-2-26/36】
勝率8.3% 連対率22.2% 複勝率27.8%
単勝回収率148 複勝回収率86

札幌芝1800mはスローペースになりやすいものの、コーナー角が緩いため捲りが決まりやすく末脚も活かしやすいコースです。そのため速い上がりが使えない逃げ先行馬はキレ負けしやすく、差し追込馬の活躍が目立つ結果となっています。
道中内をロスなく立ち回り、レース終盤で外に出して差す競馬が出来そうな枠に入った子には特に注目です。


最後に、このレースは前走GIを使っている子も多く出走します。

前走がGI
【3-1-3-10/17】
勝率17.6% 連対率23.5% 複勝率41.2%
単勝回収率71 複勝回収率74

前走がGIで5着以内、もしくはGIで上がり3F3位以内
【2-0-1-1/4】
勝率50.0% 連対率50.0% 複勝率75.0%
単勝回収率247 複勝回収率155

このレースはスローペースになりやすく後半の末脚を活かしやすいコース形態であることから、主流条件に近い適性が求められるレースとなっています。
そのため前走GIで好走もしくは速い末脚を見せていた子は好走しやすく、馬券外に敗れたのは内有利馬場で大外枠を引いたアドマイヤリードのみとなっています。
前走GI組は人気を背負うことが多いため、強豪相手にどんな走りをしていたのか内容を確認することが大切です。




🍀札幌2歳Sのポイント🍀

このレースで問われる能力・要素・傾向
最後までバテずに走り切る持続力
荒れ馬場適性
外枠有利
差し追込有利
能力重視

札幌芝1800mはスタートから1コーナーまでの距離が短く、スローペースになりやすいコースです。
直線距離は短いもののコーナー角が緩やかなため、他の小回りコースと比べて器用さが求められないのも大きな特徴で、持続力末脚に長けた子が好走しやすいコースとなっています。
また、コーナーで加速して最後の直線を迎えることができる点から捲りが決まりやすいのも大きな特徴です。

このレースは開催最終週に行われるため荒れた馬場での開催となり、時計のかかる決着になりやすいのが特徴です。

2022年…1.50.0(良)
2021年…1.49.1(良)
2020年…1.48.2(良)
2019年…1.50.4(稍重)
2018年…1.50.1(良)

1分50秒台の決着になることも多く好走馬のその後の成績を見てみると、2022年1着のドゥーラはオークスで3着。2021年1着のジオグリフは皐月賞1着、2着のアスクワイルドモアは京都新聞杯で1着。2020年2着のユーバーレーベンはオークスで1着と、距離が伸びていいスタミナタイプの子が目立ちます。
2020年はレコードタイムでの決着になり現在1600mで活躍しているソダシが勝利しましたが、タフな馬場で行われることが多いため荒れ馬場適性スタミナが問われるタフなレースです。


そしてこのレースのポイントは外枠有利な点です。

1〜4枠
【1-0-4-20/25】
勝率4.0% 連対率4.0% 複勝率20.0%
単勝回収率112 複勝回収率38

5〜8枠
【4-5-1-28/38】
勝率10.5% 連対率23.7% 複勝率26.3%
単勝回収率106 複勝回収率64

このレースは開催最終週に行われるため内が荒れていることが多く、外枠が好走しやすいレースとなっています。
札幌芝1800m自体が外から加速しやすいコースのため外枠有利になりやすく、外枠が恵まれやすい点に注目です。


続いてのポイントは差し追込有利です。

初角5番手以内
【1-0-2-24/27】
勝率3.7% 連対率3.7% 複勝率11.1%
単勝回収率17 複勝回収率16

初角6番手以下
【4-5-3-24/36】
勝率11.1% 連対率25.0% 複勝率33.3%
単勝回収率177 複勝回収率82

前走初角1番手
【0-0-1-16/17】
勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率5.9%
単勝回収率0 複勝回収率8

札幌芝1800mはペースが落ち着きやすくコーナー角が緩い点、そして開催最終週に行われることから外からポジションを押し上げやすく、差しが決まりやすいレースとなっています。

反対に逃げ先行馬は不審傾向で、特に前走逃げている子には注意。
このレースは世代限定戦で全馬のキャリアが浅いため差して好走した経験はプラスに働きやすく、反対に逃げて勝利した子は控えた時に折り合いを欠くリスクや初の馬群でパフォーマンスを落とすリスクがあります。
前走初角1番手で通過していた馬は、2022年にシャンドゥレールが2人気7着。2021年はトップキャストが2人気5着、リューベックが3人気6着。2020年はバスラットレオンが1人気3着、ウイングリュックが4人気8着、ピンクカメハメハが3人気13着。2019年にゴルコンダが1人気6着。2018年にウィクトーリアが2人気7着と、上位人気推されて人気を裏切るケースも多く目立ちます。
そのため差す競馬で経験を積めているかどうかも重要なポイントです。


最後のポイントは能力重視です。
世代限定戦はメンバー同士の力差が出やすいのも特徴の一つで、今後重賞〜GI戦線で活躍する子もいれば、条件戦をなかなか勝ち上がれない子も一緒に走ることとなります。そのため戦ってきた相手やレース内容を精査し、能力を見極めるのも大切な要素です。




以上、札幌芝1800mの特徴についてでした!
今後も気がついた事があれば随時更新していきます!

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