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オークスレース展望

今週行われるのは牝馬クラシック第二戦目のオークス。
桜花賞を勝利したステレンボッシュが二冠達成となるのか、他馬が逆転するのか、それとも別路線組が台頭してくるのか。距離が大きく伸びるこのレースにおいては適性の差も出てくるため、そこも見どころの一つです。

話は変わりますが、お洒落してるお馬さんって可愛いですよね。本人(本馬?)からするとなにこれ〜って感じかもしれませんが、お洒落していたり綺麗に毛並みが整えられてるのを見ると、丁寧に愛情を込められて育てられているんだろうなと思います。

では、オークスの話をしていきましょうか。


-オークス-

このレースで問われる能力・要素・傾向
最後までバテずに走り切る持続力
長い距離をこなすスタミナ
やや内枠有利
差し追込有利
※データは過去5年

東京芝2400mコース図

東京芝2400mは最後の直線が長いことからスローペースになりやすく、直線での速い末脚が求められるコースです。
スローペースなら一気に加速する瞬発力、ペースの緩みがないと最後までバテずに走り切る持続力が求められますが、どちらも速い上がりが求められるため直線でのトップスピードが重要となります。
そしてオークスでの大きな特徴は、牝馬限定戦のレースのなかでも最も距離が長いレースという点です。更にこの時期の3歳牝馬は2400mを経験する機会がほとんどなく、多くの馬が初めて経験する距離です。有力馬は桜花賞からのローテーションとなることも多く1600m→2400mの大幅な距離延長で臨むため、距離延長に対応するスタミナや最後までバテずに走り切る持続力が求められるタフなレースとなります。


最初のポイントはやや内枠有利です。

1〜4枠
【2-2-4-31/39】
勝率5.1% 連対率10.3% 複勝率20.5%
単勝回収率7 複勝回収率136

5〜8枠
【3-3-1-43/50】
勝率6.0% 連対率12.0% 複勝率14.0%
単勝回収率38 複勝回収率75

このレースは3歳牝馬にとってスタミナが強く求められる過酷な条件です。そのため内でロスなく立ち回ることの恩恵が強く、外を回しすぎなかった馬が穴をあけるパターンも目立ちます。
しかし、雨などで馬場の傷みが進行していた場合は必ずしも内有利になるとは限らないため、当日の馬場コンディションにも注意しておきましょう。


続いてのポイントは差し追込有利です。

初角5番手以内
【0-4-1-25/30】
勝率0.0% 連対率13.3% 複勝率16.7%
単勝回収率0 複勝回収率97

初角6~9番手
【3-1-2-16/22】
勝率13.6% 連対率18.2% 複勝率27.3%
単勝回収率54 複勝回収率85

初角10番手以下
【2-0-2-33/37】
勝率5.4% 連対率5.4% 複勝率10.8%
単勝回収率28 複勝回収率115

前走初角6番手以下+3着以内
【5-1-2-10/18】
勝率27.8% 連対率33.3% 複勝率44.4%
単勝回収率124 複勝回収率295

繰り返しになりますが、このレースは3歳牝馬にとってスタミナが強く求められる過酷な条件です。そのため逃げ先行策で粘り込むのは難易度が高く、差し追込馬の活躍が目立つレースとなっています。
特に桜花賞で先行して好走した馬は苦戦を強いられやすく、2023年にコナコーストが3人気7着。2022年はウォーターナビレラが7人気13着。2021年はソダシが1人気8着。2020年はミヤマザクラが4人気7着、スマイルカナが9人気16着。2019年はダノンファンタジーが4人気5着と、人気を裏切るケースが目立つ結果となっています。反対に桜花賞を差して好走した馬はオークスでも好成績となっており、条件が変わることで求められる適性も変化する点に注意が必要です。

そして一緒に覚えておきたいのが、このレースで先行して好走した馬のその後です。
○オークスを初角5番手以内の先行策で3着以内に好走した馬
・2022年 スタニングローズ
→後に秋華賞を勝利
・2021年 アカイトリノムスメ
→後に秋華賞を勝利
・2020年 ウインマリリン
→後に香港ヴァーズを勝利
・2019年 カレンブーケドール
→後に秋華賞2着、ジャパンカップ2着など
・2019年 クロノジェネシス
→後にGIを4勝

オークスで先行して馬券内に絡んだ馬は、その後もGIで馬券になっていることがわかります。このレースで先行して好走するにはGI級の能力が必要であり、ここで好走できればその後も活躍が期待できる裏付けとなるため要注目のポイントです。


最後のポイントは能力重視です。
世代限定戦はメンバー同士の力差が出やすいのも特徴の一つです。今後重賞〜GI戦線で活躍する子もいれば、条件戦をなかなか勝ち上がれない子も一緒に走ることとなります。そのため戦ってきた相手やレース内容を精査し、能力を見極めるのも大切な要素です。




-有力馬診断-

ステレンボッシュ

-近走の内容-
・前走:桜花賞 1着
→前半3F34.5-後半3F34.1、高速馬場の平均ペース。差しも決まりやすい馬場で差し追込馬が恵まれた。
やや出遅れ気味のスタートだったが中団外から差し切り。

-評価-
現状目立った弱点を見せておらず、末脚に長けた差し馬。
休み明けのサフラン賞こそ内有利馬場で外を回してしまい上手く内で立ち回った馬に抜け出されてしまったが、新馬戦は斜行の不利を受けながら勝利、赤松賞は末脚勝負を制し優秀なラップで勝利と能力の片鱗を見せた内容。
そして阪神JFではペースアップに難なく対応し好走、桜花賞では立ち回りの差でアスコリピチェーノを逆転し、世代トップの能力を持っている馬。
この世代は阪神JFの時計が優秀で、勝ち馬のアスコリピチェーノがNHKマイルCでも好走しているように、世代限定戦では能力面で付け入る隙はない。加えて血統面からは中距離向きの血を多く持っている馬で、これまでスピードが求められる条件下でも好走できていること自体がこの馬のポテンシャルの高さを証明している。
現状気性面に課題も見せていないが、折り合い面を欠いたり大きな不利を受けない限りは崩れにくい一頭。桜花賞を差して好走していることもオークスに繋がる要素のため、ここは無理に逆らわず素直に重い印を打ちたい。



チェルヴィニア

-近走の内容-
・前走:桜花賞 13着
→前半3F34.5-後半3F34.1、高速馬場の平均ペース。差しも決まりやすい馬場で差し追込馬が恵まれた。
出遅れから大外を回すロスの大きい競馬、長期休養明けでもあった。

-評価-
高いトップスピード能力を持つ持続力タイプの馬。
新馬戦のボンドガール組は今世代屈指のハイレベル戦。その勝ち馬のボンドガールはサウジアラビアRCで折り合いを欠いて敗れてしまったが、後半5F57.5はGI級の数字で、2着に好走した本馬も高く評価できる走りだった。
そして強烈なパフォーマンスを見せたのがアルテミスS。直線で詰まる不利を受けながら、本馬自身はラスト2Fで11.0-10.9程度の加速ラップを刻んで勝利。着差以上に強く、この時の2着馬が阪神JFで4着、4着馬がエルフィンSを勝利と負かした相手のその後を考慮しても、世代トップレベルの能力を見せた内容だった。
前走の桜花賞はロスの大きい競馬+順調にレースを使えず長期休養明けでのレース。加えて出遅れからポジションを取りに行き、今まで経験のない速い流れで末脚を溜めない競馬をしたのは本馬の持ち味を活かせていない内容。本質的に距離が伸びていい本馬にとって、苦しい展開になってしまった。
能力はGI級とみており、距離延長+ルメール騎手が戻ってくるのは大幅な条件好転のターン。それだけに大きな人気落ちは見込めなさそうだが、桜花賞からの巻き返しが狙える一頭。

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