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皐月賞レース展望

先週の桜花賞は戦前からハイレベルになりそうな好メンバーが揃っていましたが、今週の皐月賞も非常に楽しみなレース。
76年ぶりとなる牝馬による皐月賞制覇に挑むレガレイラ、凱旋門賞馬ソットサスの全弟シンエンペラー、今年大活躍中のPalace Malice産駒ジャンタルマンタル、ゴールドシップ産駒の大物メイショウタバルと、バラエティ豊かなメンバーが揃っています。
ではこの皐月賞というレースはどんな適性が求められるのかを紐解いていきましょう。


-皐月賞-

このレースで問われる能力・要素・傾向
最後までバテずに走り切る持続力
タフな馬場への適性、中山をこなすパワー
コーナーで加速する器用さ
荒れた馬場への適性
やや外枠有利(馬場に注意)
やや逃げ先行有利
能力重視
※データは過去5年

中山芝2000mコース図

中山芝2000mはスタート後とゴール前と急坂を2回上るコースで、他場の2000m戦と比較してもパワーが必要なタフなコースです。
スタートから1コーナーまで距離があるため、スタート後は先行争いでペースが速くなりやすいものの、ゴール前の急坂に加え1コーナーも上り坂となるため前半のペースは落ち着きやすく、2コーナーから下り坂となるため徐々にペースが上がる流れになりやすいコースです。
そのため最後までバテずに走り切る持続力や、コーナーで加速する器用さが求められるコースです。

そこに加えて、このレースは春の中山開催の最終週に行われます。そのため馬場が荒れて時計のかかる馬場になっていることも多く、荒れた馬場への適性も必要となるレースです。
2022年5人気1着のジオグリフはタフな洋芝で開催される札幌2歳Sの勝ち馬で、父はダートでの活躍馬も多く輩出しているドレフォン。パワーと持続力に長けた産駒で、後のダービー馬ドウデュースと古馬相手にGIを連勝するイクイノックスに勝利しました。
2021年に8人気2着と好走したタイトルホルダーはタフな馬場にも対応でき、後に菊花賞と天皇賞春を制するほどのスタミナも備えていた子。父はドゥラメンテ、母父はMotivator(Sadler's Wells系)、母母父はShirley Heights(Mill Reef系)と欧州のタフな血を持っていました。

穴をあけたこの二頭の共通点はダービーではパフォーマンスを落としている点です。
ジオグリフは皐月賞を勝利した後ダービーでは4人気7着、タイトルホルダーは皐月賞で2着に好走した後ダービーでは8人気6着とどちらも掲示板外に敗れています。
ダービーは広い東京コースで直線でのトップスピードが求められるレース、対して皐月賞は小回りコースでパワーや持続力といったタフさも問われるレースとなっています。このように異なる適性が求められる点に注目です。


続いてのポイントはやや外枠有利です。

1〜4枠
【3-2-3-32/40】
勝率7.5% 連対率12.5% 複勝率20.0%
単勝回収率29 複勝回収率40

5〜8枠
【2-3-2-41/49】
勝率4.2% 連対率10.4% 複勝率14.6%
単勝回収率22 複勝回収率44

中山芝2000mはスタートから最初のコーナーまで距離があるため外枠の馬もポジションを確保しやすく、内外の有利不利が少ないコースです。
更にこのレースは春の中山開催最終週に行われるため芝が荒れていることが多く、内側は走りにくくなり外枠の馬が好走するケースが目立ちます。
しかし、馬場の傷むスピードは天候の影響も受けるため傾向はその年によって変化します。全体的に馬場が荒れて内有利に傾く年もあるため、レース前日〜当日の馬場状態にも注意しておきましょう。


続いてのポイントはやや逃げ先行有利です。

初角5番手以内
【2-4-1-21/28】
勝率7.1% 連対率21.4% 複勝率25.0%
単勝回収率45 複勝回収率60

初角6〜9番手
【1-1-0-16/18】
勝率5.6% 連対率11.1% 複勝率11.1%
単勝回収率9 複勝回収率17

初角10番手以下
【2-0-4-36/42】
勝率4.8% 連対率4.8% 複勝率14.3%
単勝回収率18 複勝回収率41

皐月賞はクラシック第一弾とも呼ばれる3歳牡馬路線で最初に行われるGIレースです。そのためマイル〜中距離路線の様々なカテゴリーの有力馬が集まるレースとなっており、2000mより短い距離を使われていた馬も多く出走するため、前半からペースが速くなりやすい特徴を持っています。
しかし、中山は最後の直線が短い小回りコースであるため直線だけで後方から差し切るのは簡単ではなく、過去5年で初角6番手以下から勝利したのはソールオリエンス、コントレイル、サートゥルナーリアで、3頭とも1〜2人気に支持された実力馬でした。
他に初角6番手以下に控えた馬を見ていくと、2023年はフリームファクシが4人気9着。2022年はドウデュースが1人気3着、キラーアビリティが4人気13着。2021年はアドマイヤハダルが3人気4着、ヴィクティファルスが4人気9着、ラーゴムが5人気13着。2020年はサトノフラッグが2人気5着、ヴェルトライゼンデが4人気8着、クリスタルブラックが5人気16着と、上位人気に支持され人気を裏切るケースも目立ちます。

反対に穴をあけるのは逃げ先行馬
初角5番手以内のポジションからレースをした馬は、2023年にタスティエーラが5人気2着。2022年はジオグリフが5人気1着。2021年はエフフォーリアが2人気1着、タイトルホルダーが8人気2着。2020年はサリオスが3人気2着。2019年はヴェロックスが4人気2着、ダノンキングリーが3人気3着と好走しています。
更に遡ると、2018年はエポカドーロが7人気1着、サンリヴァルが9人気2着、ジェネラーレウーノが8人気3着で人気薄の先行馬によるワンツースリー。2017年はアルアインが9人気1着。2014年はウインフルブルームが逃げて8人気3着と人気薄での好走も目立ちます。
差し追込勢のレベルに疑問があるなど、後方脚質の馬が信用性に欠ける時は特に先行力のある馬を狙いたいレースです。


最後のポイントは能力重視です。
ま世代限定戦はメンバー同士の力差が出やすいのも特徴の一つ。今後重賞〜GI戦線で活躍する子もいれば、条件戦をなかなか勝ち上がれない子も一緒に走ることとなります。そのため戦ってきた相手やレース内容を精査し、能力を見極めるのも大切な要素です。




-有力馬診断-

レガレイラ

-近走の内容-
・前走:ホープフルS 1着
→前半3F35.4-後半3F35.9、高速馬場のややハイペースで差し追込馬が恵まれたレース。
展開自体は向いたが、直線に向いたときは詰まって外に持ち出すまで追い出しが遅れる不利。

-評価-
スタートが不安定で出遅れ癖があるが、末脚のレベルが非常に高い馬。
新馬戦は最後に緩める余裕を見せながらスローペースを加速ラップで差し切って勝利。着差以上に強い内容で、この時2着に負かしたセットアップはその後札幌2歳Sを制しており、高く評価できる内容だった。
アイビーSは超スローペースになり差し損ねてしまったが、最後まで減速の少ない流れのなか前との差を縮めており、勝ち馬にも劣らないパフォーマンスを見せた内容。
そして前走のホープフルS。直線で追い出しが遅れるロスがありながらも加速ラップで差し切ってGI勝利と、まだまだ底を見せていない内容。出遅れ癖がある点や、乗り替わりのことも踏まえると差し損ねのリスクはあるが、これまで見せている走りから能力の裏付けは十分すぎるほど持っており、評価したい一頭。



ジャンタルマンタル

-近走の内容-
・前走:共同通信杯 2着
→前半3F37.3-後半3F33.1、極端なスローペースで逃げ先行馬が恵まれた。
外で折り合いを欠いたが速い上がりは使って好走。

-評価-
立ち回りの上手い器用さと瞬発力に長けた先行~差し馬。
本馬は立ち回りの上手さを活かして内でロスなく運び、直線に向いてからサッと加速して抜け出すのが得意パターン。デイリー杯2歳Sや朝日杯FSも内枠から得意パターンに持ち込んでの勝利だった。
前走の共同通信杯は直線の長い東京コース替わりで外枠を引き、本馬の長所を活かせない条件。加えて距離延長で折り合いを欠きながら上がり2位の末脚で好走したことを考えると、能力の高さは証明した内容だった。
デイリー杯2歳Sの内容から荒れた馬場への適性も高く、共同通信杯を見ても使える脚が短いことから、直線の短い中山へのコース替わりも好印象。あとは本馬の強みをどこまで活かせる環境になるかが今回の問題点。
理想は道中で内をロスなく立ち回り、本馬の器用さを活かす競馬。そのためには内が使える馬場コンディションであることは必須であり、行きたがる気性面も考慮すると内目の枠が理想的。
開催最終週に行われるレースでその年によって馬場傾向も変化しやすいため、週末の傾向には注意しておきたい。条件が整えば十分勝ち負けになるとみている一頭。




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