1.レイアウトってなんだ

新人原画さんに向けたよもやま話をしようと思う。
基本、プロ向けで、用語は特に解説なく進むつもり。

アニメには正解はない。
ないが、「こうするとこう見える」とか「アニメとして成立させるためのお約束」というのは、ある。

レイアウトとは、「完成予想図」のことである。
これを見れば、作画のみならず、仕上げ、美術、3D、撮影まで、カット内容が分かるもの、を指す。
建築でよくある「完成予想図」、あれと同じ。カラーで人がいて、こういう建物がここに立ちますよー、というのがわかるもの。
逆に言うと、それがわかるように原画さんは描かなくてはいけない。

場所はどこで、光の方向はどうで、時間帯はどうで、どこまでがセルで、どこから背描きで、どこから3Dで、キャラクターがこうやって動いて、カメラはこうやって動く。
それらを網羅して、各部署との共通認識を作るのが、レイアウト。

なので、レイアウトにはカメラフレームが印刷されているし、
BGとキャラを一枚に書き込むのが基本。

撮影して最終的にこう見える、を提示するのがレイアウト。

レイアウトから、撮影に必要とされる背景(下絵)を描き出すのが「BG原図」
レイアウトから、撮影に必要とされるセルを描き出すのが「原画」

今はレイアウトに“シートとラフ原画込み”なのは“アタリマエ”のようなので、レイアウトの事を「BG原図」とイコールと思っている人もいるようだが、それは違う。

スキャンされて、撮影さんの手元に行く「レイアウト」が「BG原図」のみ、という事も、ままある。

「キャラクター配置」は何処へ。

デジタルの恩恵に預かって、拡大作画したのち、縮小して撮影、という手はよく使う。

が、完成形を提示するはずのレイアウトがなければ、どのくらいのサイズに縮小して、どの位置に配置すればいいのか、伝わらない。

これでリテイクになる事もある。
#アニメ #原画

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