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誰も教えてくれなかったおしゃれのルール(アーカイブ)おしゃれの筋トレ

洋服はどんな小さな町へ行っても売られている、ありふれた日常のものです。

あまりにありふれているので、それは当たり前すぎて、特段、何の感慨も抱きません。

しかし、その中から自分がほしい、自分に似合う、服としてよいものを選ぶには、それを選ぶ筋力が必要となります。

洋服ですから、それは見る力やさわって判断する力です。これがないと、結局、それ以外の価値基準で買うことになってしまいます。たとえば、値段とか、ただ単に流行っているとか。

では、洋服を選ぶための基礎的な力はどうやって身につけたらいいでしょうか。

その答えは、簡単です。

「いいものを見続けること」

これだけです。

ここで言うところのいいものとは、もちろん洋服に関してもそうですが、それだけではありません。絵画、音楽、デザイン、インテリアなどなど。とにかく、いいものを見続けることが重要です。

この場合、そのものを所有しなくてもかまいません。

いい絵を見る、いい音楽を聴く、いいデザインのものを見に行く、いいインテリアの空間に入ってみる、そういったことを経験するだけで十分です。

服でいえば、多分買わないであろう、いい服に袖を通してみることです。これをとにかく繰り返します。

いままで、こういう習慣がなかった人は、なおさら多く経験してみます。

このとき、自分が買うか、買わないかとか、値段はいくらなど、そういうことは一切手放してください。これをある程度、続けてみたら、今度は自分の服を買うために町へ出てみましょう。

驚くことが起こります。

ほとんどのものは、自分にとって無意味になります。

いままでカラフルに、均一な意味を持って目に飛び込んできていたものが、いきなりトーンが下がり、白黒映画の世界に迷い込んだようになります。

そのモノトーンの世界の中を歩き、一点だけ、光ってヴィヴィッドに色がついて見えるもの、それこそが、あなたの探していたものです。

そのほかは、自分にとってはどうでもいいものだということがわかります。

本当は、こういう基礎体力は、若いころからつけていたほうがいいのですが、いまからでも遅くありません。

どうしてだか、いつも変なものばっかり選んでしまうという方は、いまから始めてみてください。

筋力ですから、一日でつけるのは無理です。

けれども、このようにして筋力がついたあかつきには、あなたは洋服ばかりでなく、ほかの分野においても、的確にものを選ぶ力がついたことに気づくでしょう。

この力をもって世界を歩いたら、見える景色が違ってくることは明らかです。

2011・08・08

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