見出し画像

「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章   エピソード1の字幕と原文チェック

GoT最終章を楽しみたいけど、エピソード1から見直すのもメンドクセー人や、これって、原文でなんて言ってるの?という疑問に答える同時放映版の字幕の英語力について語ります。当方、The Songs of Ice and Fire読破、エピソード3からはrecapが出るくらいのタイミングでアップしていくのでよろ!

オープニングの男の子が、デネーリスの軍隊見たさに木を登るシーンはシーズン1のオープニングでブランがウィンターフェル城にやってくるラニスター軍を見るために白の城壁をよじ登るシーンに呼応している。迎えるためにお城にいなきゃいけないはずのアーリャが勝手に城外で隊列を見物しているのも同じ。

そこでティリオンとヴァリスがかます下ネタジョーク。have balls(タマタマが付いている)というのは、「肝っ玉が据わっている」という意味でもある。

「北部の者はよそ者を信用しない」というジョン・スノウの言葉は、今のイギリスが移民問題でブレグジットに至るまでの問題を反映しているかのような。大英帝国として自分たちがさんざんよその土地を植民地にしてきた歴史があるのに、その植民地からの人には冷たいという構図そのまんまですな。

ジョンが最後にブランに別れを告げた時、ブランは偶然、ジェイミーとサーセイがまぐわっているのを見てしまい、ジェイミーに城壁から突き落とされ、下半身不随で意識不明の状態だった。「Look at you. You’re a man.(すっかり大人だな)」と言うジョンに対し「どうかな(原文ではalmost.)と答えているのは、人間の形はしているけれど、自分はもう三つ目の鴉なのだ、という含みがあるんだけど、ジョン・スノウはわかってない。

ついでに言えば、サンサも抜け目のない冷静な指導者になって、アーリャも暗殺サイボーグになっているのに、ジョン・スノウだけが昔の認識のまんま、というのを示唆しているシーンでもある。

ウィンターフェル城の謁見室でアンバー家の頭領となった若い男の子が「陛下」「閣下」と言いよどんでいるのはイギリス英語でmanner of address/style of officeと呼ばれる、身分による呼びかけの使い分けに戸惑っているからで、これはダウントン・アビーで貴族の末娘シビルと結婚したトムがduchessだのmy ladyだの混乱していたのと同じ。

呼びかける時はmy lord(男性)、my lady(女性)の他に、位によって違う。my king/my queen、南部で使われる皇子・皇女にはmy prince/my princessでmy graceとも言うようだ。王と女王にはmy king/my queenでこれも呼びかける時にmy grace。デネーリスに膝を曲げてbend the knee(屈して)北の王という位を返上したジョン・スノウに対し、リアナ・モーモンとがyour grace(陛下)と呼びかけるの、変だよね?

一応夫婦だったサンサとティリオンが再会。一部訳がイマイチ。
「最後に話したのはジョフリーとの式だ。散々だった」(Last time we spoke was at Joffrey’s wedding — a miserable affair.)
「いい思い出ね」(It had its moments.)
サンサがここで「いい思い出」というより、「面白い一幕もあったわ」と、ジョフリーが毒殺されたことを言っているのです。全体的にサンサやデネーリスが男っぽい言葉遣いなんだけど、言語だとそうでもなく、サンサは相変わらず

ジョン・スノウとアーリャの再会。こっちは皮肉の応酬じゃなくて、武器の見せっこw
アーリャが殺人鬼になったことに全然気づかないジョン。
ラムジーやベーリッシュ亡き今、嫌われ者ナンバーワンのユーロンが2万の黄金部隊をひきつれて王都に帰ってきた。サーセイったらそんなにゾウさんが欲しかったのね。デネーリスがドラゴンを見せびらかしたからw コトの後で「プリンスをしこむぞ」と粋がるユーロンだけど、サーセイが既にジェイミーの子供を宿していると知ったら、どういう展開になるのか、ちょっと楽しみではある。

ブロンが娼婦館で相手している3人がアーチー、のっぽで男前のウィリアム、赤毛のエディーと言っているのは、アーリャが王都に行く途中であったエド・シーランとその仲間たちのことだよね。女の子のひとりが王の手カイバーンに「優しくするわ」って言ってるのは原文では、I’m partial to older men.って「あたし、ジジセンなの」って意味なんだけど、反映されてないなぁ。

なんかわりとあっけなく姉ヤーラを助け出したシオンだけど、お礼代わりの頭突きがこの姉弟らしいw「死者は永遠に死せず」というのはグレイジョイ家のスローガンでここでは別れの挨拶がわりに使われているけれど、その後に「奴らをぶっ殺せ」というのは、原文だとWhat is dead may never die. But kill those bastards anyway.と、シオンがウィンターフェルで戦う事になる死の兵士たちを言ってるんですな。

デネーリスのドラゴン達が食欲ないって、普段どんだけ食べてんの?ってな頭数なんだけど。ジョン・スノウとデネーリスのドラゴンデートは映像で見るとすごいけど、撮影の様子見るとグリーンスクリーンに囲まれて演技するって大変ねって感じだよな。

アーリャがハウンドとゲンドリーと再会。ナイツウォッチに連れられてた時からゲンドリーはアリーと名乗っていてもアーリャが女の子だというのを見抜いていたわけだけど、今は女を見る目になっとるw

サンサはすこぶる賢くなって、ジョンがデネーリスにホの字なのを見抜いている。「彼女は父とは違う!」「そうね、だんぜん美人だわ」ってのがツボる。

そのデネーリスは、ジョラ・モーモントを助けてくれたサムにお礼を言いにきたけど、ドラゴンで父親と弟を焼いちゃったわけで、バツが悪いのなんのってw 思わず泣いちゃったサムが寒そうに誰かを待っているブラン(その「旧友」とはw)に、今からすぐジョン・スノウとデネーリスに「おまいら仲良くドラゴンデートしてるけど、叔母と甥っ子だからな」って言ってこいと言われる。

それを聞かされたジョン・スノウ、「叔母だと?」でもなく、「王様だと?」でもなく、「父がずっと嘘をついてたって?」という反応。

Last Hearthでベリックとトームンドが、ナイツウォッチの生き残りエドと再会。でも、みんなを連れてウィンターフェルに戻るはずだったアンバー家の男の子が壁に「かかっている」それがいきなり蘇るんだからビックリするよ〜、心臓に悪い。

最後はこっそりと入場したジェイミー、「旧友」としてブランがお出迎え。それに気付いた時の顔がw

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?