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私お薦めのハンバーガー、ついにお披露目

日本でもアメリカでもマクドナルドの売り上げが低迷、そのうち表参道にShake Shackが来る!とばかりに変化しつつある気がするハンバーガー事情ですが、いい機会なので(?)私が普段から贔屓にしているバーガー屋をさらすことにします。この店がお気に入りの理由はこんな感じ。

・気軽に入れる
流行りのお店として知られていないので観光客/日本人客がいない。高級レストランではないので「うぉー!肉食いてぇ!」というライオンのような急性の発作が起きたときに、並んだり待たされたり、あるいは「やだ、すっぴんでお一人様バーガーをパクついてる変なおばさんがいるわよ」などと後ろ指を刺されることなく食べられる。

・コスパがよい
六本木にできたウルフガングやBLT、虎ノ門のルースとか、肉塊を乾燥熟成させた「エイジド・ビーフ」が日本にも進出しているようだし、他にも熟成ステーキを食べさせるお店が都内にもいくつか出来ているようですね。しかし、お一人さま1万円越えはあたりまえ、お財布も胃袋も心してかからないと食べられないのではないかと。ニューヨークでもピーター・ルーガーだの、ベンジャミンだの、有名どころのステーキハウスに行けば、熟成肉をひき肉にしたハンバーガーは食べられるわけですが、そこまで行くんだったら素直にステーキを注文しろよ、という気もしますし。あるいはザガットのトップに乗るような高級レストランでハンバーガーがメニューに載っているところで食べてももちろん美味しいわけですが、周りがみんなナイフとフォークで食事しているところで手づかみでパクリ!とかぶりつくのも勇気がいるところでしょう。ざっと見たところそういうお店だとお値段も20〜30ドル。チップ&タックス入れたら5000円出してバーガーを喰らうというのもいかがなものかと。

・うちから近い
あ、すみません、これは私以外にはメリット全くありませんねw。でもユニオンスクエア駅からLに乗るか、少々歩くぐらいなのでどこからでもアクセスはそんなに悪くないと思います。

他に今回のおすすめバーガーの「うり」は、

・ダイナーやバーで出されるバーガーなので、時差ボケしてて早朝とか深夜とか変な時間に食欲が起きてもありつける。

・バーガー専門店ではなく、バーガー「も」あるお店なので、肉がダメな人とも行けるし、入ってから気が変わっても大丈夫。

・どれもこれから日本に出店する可能性は限りなくゼロに近い。

・フォアグラ入れてみるとか、積み重ねてみるとか、奇をてらったことはしていない。

Joe Jr. Restaurant(ジョー・ジュニアー)

Address: 167 3rd Ave, New York, NY 10003
Phone:(212) 473-5150
Hours:  6:00 am – 11:30 pm
(ホームページさえない!看板がペコちゃん並みにダサい!店内がカジュアルすぎていつも写真撮るの忘れる!)

レストランというよりここは「ダイナー」、50年代のドラマに出てきそうな「大衆食堂」でござーい。ミッドタウンなどマンハッタンの観光地にある「ダイナー」だと、お店が綺麗でピカピカで、お値段も観光客向けぼったくりな似非ダイナーも多い中で、ここは違う。日本で言えば、地元の人ぐらいしか行かないけど、チャーハンや日替わり定食が安く美味しく、回転率も悪くなく、足腰が効くうちは老夫婦で回してます、みたいなお店。いやもう『孤独のグルメ』のアメリカ版。お一人様でも空いているブースがあれば占拠オッケー、なければカウンターにでも座っておいて、というテケトーさ。周りの客はいつ行っても常連でツルんでる爺さん婆さんたちと、グルメサイトEaterで美味しいという評判を聞きつけてやってきたヲタク系ヒップスター1人客と、地元の公立校のグループが学校帰りのおしゃべりのためにきているだけ。

ウェイターのおじさんがお給仕、支払いはテーブルにチップを置いて、チェックを入り口のレジで支払う昔風スタイル。メニューにファンシーな食べ物は一切ないので、傷だらけの重たいコーヒーマグに入った薄いアメリカーンなコーヒーを頼むしかないでしょ。オシャレとは無縁の世界。っていうか、着飾っていったら浮くよw

ここのハンバーガーは、熟成肉でさえなく、普通の赤身。これがまたO-157ってナニ?な、タルタルで食べても大丈夫そうな新鮮度。外側はこんがり、中はジューシー。バーガーの味付けもシンプルなので、ここはアメリカーンなスライスチーズが程よく溶けた状態でパテを包んでくれるチーズバーガーをお勧め。塩胡椒さえも控えめなので、あとは自分で好きなように細工しよう。置いてあるケチャップはもちろんハインツしかないし、頼んで出てくるソースはもちろんA-1なので、それを自分でアレンジするか、あるいはバター醤油とか、デミグラスとか、大根おろしを持ち込むとか、ご勝手に。ちなみに私は、トレジョーで売っている黒トリュフ入りのお塩を振りかけていただくという外道グルメなことをやったぞw 

熟成肉じゃないけど、シンプルで余計なもののない新鮮な素材。あ〜、そうそう、牛肉って本来こういう味ですよ。これこそアメリカンなパテですよ、ってな。付け合わせはこれまたコールスローとピクルス。フライドポテトも基本のアイダホ味w これが付け合わせありの「デラックス」で9ドルちょい。


Brindle Room (ブリンドル・ルーム)

Address: 277 E 10th St, New York, NY 10009
Hours: 12:00 pm – 12:00 am
http://www.brindleroom.com/

ここは割と最近みつけたんですが、ブルックリンまで行かずとも、ウィリアムズバーグっぽい今時のオサレ度が楽しめるお店。かといってデートスポットやトレンドスポットでもないし、カップルじゃなくてもよし。こぢんまりしてて、ワインもベジタリアン料理もある。

メニューに「Sebastian's」のハンバーガーとあるのは、お隣のニュージャージー州にあるステーキ屋さん、「セバスチャン」で切り落としの熟成肉を送ってもらってブレンドしているから。出てくるケチャップがブルックリンの意識高い系のサー・ケンジントン、手書きのラベルがださナウいPGBの辛口ソースもオーナーこだわりの自家製(ハバネロ入りで本気で辛い)、ポテトフライさえもそこそこオサレ。サードウェーブがなんぼのもんじゃ!みたいなていねいな暮らしぶりw


ただし音楽は「ど」アメリカンで、いつ行ってもトム・ペティーとかボブ・シーガー。選択として地ビールもワインもいちおうありまっせ。ランチ12ドル(夜はメニューに載ってなくても頼めば15ドルで作ってくれる)。

牛肉の本場、ネブラスカ州のオマハ(ここでロデオしてるカウボーイと茶色い牛さんたちを思い浮かべるべし)からセバスチャンに直送されてくる特注の熟成ブレンド挽肉に「デックル」と呼ばれる(アメリカ人でもあまり知らない)リブアイの周りの牛脂を配合してあるんだとか。それを分厚い鉄フライパンでひとつひとつ焼き上げ、問答無用で甘くなるまで炒めた玉ねぎとアメリカンチーズが乗っかってくるので最初は何もつけずに、残り半分ぐらいでケチャップ(サー・ケンジントンのだからあまり甘くない)をつけて食べるのがおすすめ。


Brazen Fox(ブレーズン・フォックス)

Address: 106 3rd Ave, New York, NY 10003
Phone:(212) 353-1063
Hours:  11:00 am – 4:00 am

見た目、週末に若者で溢れかえるスポーツバーっぽいんだけど、2階席もあってそれなりに広い。そこに夏場はテラス席も加わる。バーガーは何種類かあるので間違えそうだが、ここの一押しは「Bone Marrow butter」入りのバーガー。メニューに囲み付きで載っている。

「骨髄バター」ってなんじゃらほい?と思って、オーナーに聞いてみたら、「アメリカ人に骨髄っていってゼリー状のを出すと、気持ち悪いって思われちゃうんで、バターは風味を出すためにパンに薄く塗ってあるだけで、ぐちゃっとしたお汁はぜんぶ骨髄液だよ!とのこと。

(というわけで日本だったら「コラーゲン・バーガー」として女性が殺到しそうな話。だけど、ちなみにコラーゲンバーガーを1個くらい食べてもお肌はプルンプルンにならないよ。体内で吸収されるコラーゲンで微量だし、翌日に効果が出るものでもない。コラーゲン飲んだり、お肌に塗って若返ると思っている貴女、騙されてるんですよ。)

しかも自家製で75日熟成させたお肉をブレンドということだし、そこに炒めタマネギとチーズが乗っているので、ややグジュグジュになりやすいかも。お味といえば、オックステールみたいな煮込み肉のジビエっぽい風味。これが中身ピンクのバーガーで楽しめるというのが面白い。ケチャップはハインツしかないけど、それをぶっかけるのは遠慮したい。何もつけずに最後まで食べ切るのがお薦め。

バーの中央の地ビールコーナーを見ればわかるように全米各地のクラフトビールが生で楽しめるし、夏場は奥のリンゴサイダーのサングリアが3種類もあって、こちらも美味!バーガーのお値段は18ドル。

ここで裏技をひとつ披露しておくと、みんなでちょこっとだけ試したいとか、バーガー丸ごとひとつは食べられないという時は、メニューに「ビーフスライダー」といって、13ドルでミニバーガーが3つ来るのがあるんだけど、ウェイトレスさんに交渉して、ちょっと余分に出すからボーンマロー付けてくれないかなぁ?と頼むとやってくれる可能性大。(その分チップをはずもう。)

ということで、うちの近くには5Napkin BurgersやShake Shackという有名どころもあるんだけど、量が多かったり、バーガー店だというこだわりがかえってちょっとウザい。

お粗末トレンディーなアメリカ人は相変わらずヴィーガンとかグルテンフリーとかジュースでデトックスとか、阿呆なダイエットばかりやっているけど、動物性タンパク質ってやっぱり必要だと思うわけですよ。あの肉の焼ける匂いに抗える人間がいるとは思えないし。

そして今月は近所に「ふたご」がオープンするってんで、しばらくはバーガーより焼肉!に走りそうな元祖肉食系オバサンが紹介する3店でした。

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