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ゆるゆるなオーシャンズ8は期待値ゼロの女子会モードで観にいくのが正解

映画のレビューとして読むと肩透かしをくらいます。駄文です。

ついでだからもういっちょ、最近観た映画の話をさせて。オーシャンズシリーズといえば、11~13ではジョージ・クルーニーがブラピだの、マット・デイモンだの、イケてる俳優仲間と、ラスベガスのカジノをだまくらかしたり、オランダ東インド会社の株券を盗んだりするわけだが、豪華キャストとスティーブン・ソーダーバーグ監督が組んでいるわりには、演技も脚本もゆるゆるで「アカデミー?なにそれ美味しいの?」ってな映画なんですな。

で、オチにしたってこのイケメンどもがすんなり捕まって牢屋でクサイ飯を食わされるハメになるわけはなく、こっちも安心して観ていられるというか、そこに「捕まるかもしれない」「失敗するかもしれない」というサスペンスはないわな。むしろ脇役でわけのわかんない特技を発揮して活躍するサポーターたちが面白かった記憶が。

で、オーシャンズ8は、ガラッとキャストが変わって全員女子、と聞いたのでちょっと興味がましましだったわけ。最近、「ゴーストバスターズ」を女性キャストでリメイクとか、「スティール・マグノリア」を黒人女性キャストでリメイクとか、けっこう聞くよね。勢い余って『蝿の王』や『スプラッシュ』まで男女入れ替えてキャストした映画が作られていると聞いて、おいおいそこまでやるのかよ、という気もしないではないが。

オーシャンズ8の場合、主人公のオーシャンはデビー・オーシャンという、ダニーの妹という設定で、コンビを組んでギャラリーの絵を違法に空売りした詐欺(?)でボーイフレンドだと思ってたヤツにハメられて5年服役、シャバに出たところで映画が始まる。これは11と同じ。釈放前の面接で見せたしおらしい態度はもちろん5年間練習した演技で、デビー姐さん、のっけからこれからも盗みで世を渡って行く気満々で、これが実に頼もしい。さっそく昔のパートナーであるルー(ケイト・ブランシェット)を呼び出して、もっとデカイことやろうぜと持ちかける。NY随一のパーティー、METガラでセレブがカルティエから借りるダイヤのネックレス、盗もうぜ、って。

この先はあらすじ書いてもネタバレになるだけなんで、どうでもいいニューヨークのディテールなぞ。

デビーとルーがくっちゃべっている場所のひとつが、1950年代からずっとイーストビレッジで頑張ってるウクライナ料理の「ヴェセルカ」。ここはピローギやご飯入りのロールキャベツが旨いざんす。あ、ボルシチやグーラッシュも外せない。夏のスイカアイスティー飲みたい。そういえば、日本にウクライナ料理の店ってあるんだろうか。どうせロシア料理とごっちゃにされているんだろうな。それこそプーちん様の思うツボじゃろうて。(わかんない人は2014年のロシア軍によるクリミア侵攻についてお勉強しませう。)

他にも打ち合わせに使われてたのがブルックリンのジュニアーズ(チーズケーキが有名だけど、アタシには重たすぎてダメ。代わりにSoHoにあるEileen'sをおすすめいたしまする、スプーンさえあれば1個丸々いけるw)、そして教会っぽいのはブッシュウィックにあるメソジスト教会、だと思う。(中身はスタジオっぽい、かな?)

それとコンデ・ナストビル内のヴォーグ誌編集部内にもカメラが入ってて、アナ・ウィンター編集長(あのヘアスタイルだけでわかるw)も映るし、これまでのMETのファッションガラに呼ばれたセレブの映像が、映画の登場人物と絡んでいるかのように使われてたので、これも編集の匠の技として楽しめました。このシーンで、リアーナの卵焼きドレスが出てきて、ハッカー役のラスタなリアーナが会場外で待機しているバンのなかで「なにそのドレス? Eggいな」とか言ってたりしたら最高のジョークになったのになぁ。

それと、全く本筋とは関係ないけど、トークン・エイジャン役のアクアフィーナって子、たまに見る顔なんだけど、今回のメンバーの中でいちばん貧乏で、バス代ケチって、スケボーでブルックリンからマンハッタンの打ち合わせに出てくる、その社畜度wに心意気を感じますた。このシーンで出てくる「メトロカード」というのは、日本のSuicaやIcocaに当たるものなんだが、ちっとも進化してなくて、愛おしくさえある。安くねーしw このAwkwafinaって名前、コカコーラ社が出してる水道水Aquafinaのもじりなんだろうけど、それに今まで気がつかなかったんだよ! Crazy Rich Asiansでいい味出してるらしいから観にいくけどな!

それと、サンドラ・ブロック(彼女は半分ドイツ人なのでドイツ語が堪能というのはわかるんだけど)もケイト・ブランシェットもフランス語がんばってるので、その辺はインスパイヤされました。フランス語キライなんだよ。発音と数字でいつも挫折した。でもポッドキャストあたりでゆるく再挑戦すっかな。

というわけで、せっかくだからOcean's 11〜13みたいに、3年ごとぐらいにユルく9と10をやってもらいたいね。こっちもなんも考えずに、特殊技能とコスチュームで別人に成り代わったり、人様のものを盗みまくるワルでキレイな姉さんたちを拝みに行きたい。

蛇足だけど、世の中ぜんぶ女性キャストで入れ替えてもいんぢゃね? 女性がやっても映画は面白いし、戦闘機は飛ぶし、医者だって問題ないでしょ? ズルしてしがみつくのは老害の始まりだぞw


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