アンドリュー・ワイエス展でモヤモヤする 逆オリエンタリズムの居心地の悪さ
四谷の美術愛住館っていう今まで聞いたこともなかった小っこいミュージアムでやってたアンドリュー・ワイエス展を覗いてきた。(今週末で終わりみたいですが。)正直に言うとワイエスの絵は実はあまり好きではない。
ニューヨークにいた頃はランダムハウスのオフィスに近くて便利だからという理由で、近代美術館MoMAの年間メンバーシップを買って、贅沢なことにニューヨーク近代美術館をセカンドオフィス/クライアントのランチプレース代わりに使っていた。(だってあそこ、いくら展示品が多いとはいえ、1日の入場料25ドル(3000円近い)はボッタクリだよね?)
でもジモティーにとって、MoMAは館内どこもフリーWiFiさくさくだし、たいていいつも観光客でごった返してるけど、みんながあまり使わない(っていうか角を曲がったところにあるので見えない)エレベーター側に革張りのふかふかのソファーがあったり、中に入っているカフェやレストランが、「シェイク・シャック」で一般的にも有名になったダニー・メイヤーがプロデュースしているので、The Modernからお手軽ビュッフェまで、予算に合わせられる上に何でも美味しいし、あまり人気のない特別展示だと資料が並んだデスクに誰も座ってなかったりしてサクサク仕事できるなど、いつも重宝していたのです。夜になると「誰がこんなマイナーなドキュメンタリー見るのよ?」みたいな企画もたくさんやってたので、夜まで入り浸ったりして、ずいぶんと世話になったもんだw
有名なワイエスの「クリスティーナの世界」は常設展の5階にあって、前を通るたびに「クリスティーナちゃん、元気?」と心の中であいさつするほどだった。でもこの作品、実は購入当時は知名度もそんなになくて、MoMAがずっと飾ってじわじわ人気が出てきたようなところがある。しかも、この絵に限ってはミュージアムショップでクリスティーナのピンが売っているぐらいなんだけど、MoMAに他のワイエス作品は何もない。この絵だけが文化的アイコン化してるけど、画風やアーティストに対する評価が伴っていないような…。
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