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アップルの動画ストリーミングや定額読み放題E雑誌、オーディオブックに期待

いよいよ3月25日にアップルが新しいストリーミングサービスを発表するらしいんだけど、オーディオブックだのE雑誌だのの定額読み放題サービスも同時にスタートすると聞いて、個人的にはわりと期待している。

同時に、アップルがいくつか買いためていた素材を映画・ドラマ化した独自コンテンツのラインアップもお披露目される。その中でも気になるのが、2017年に刊行された李ミンジン(Min Jin Lee)のPACHINKOという作品。Korean New Yorkerの人が書いた小説で、いわゆる在日家族4世代を描いたものだ。

アメリカでは『ジョイ・ラック・クラブ』『ワイルド・スワン』のように、アジアを舞台にした移民の苦労話や母娘の確執を描いたものは、アジア系を超えた幅広い読者層を獲得することがある。これらのテーマはなにもアジア特有のストーリーに限ったことではないからだ。

PACHINKOもアメリカでかなり売れた。書評家にも好評だった。全米図書賞の最終候補作品にもなった。もちろん日本では翻訳版はずっと無視されていた。この話に出てくる日本人とその社会制度が主人公の家族を苦しめる要素となっている。でも実際に植民地にして2級市民扱いしてきたんだから、それも当然とはいえ、個人的には読んでいてかなり辛い部分もあった。

一方で、読んでもいないし、読む気もないくせに、反日小説としてこの本や著者の悪口を書きまくっているブログやSNSをいくつも見かけた。そういう受け取り方しかできない右翼の皆さんにはさぞかし面白くないことだろう。(ネットフリックスで近藤麻理恵のリアリティー番組がもてはやされると「日本すげー」ってあんなに嬉しそうにするくせにね。)

日本語で翻訳版が読まれていないのにも関わらず、アップルのドラマ(全8回)は全て英語、ハングル、日本語で同時公開となる。単なる反日プロパガンダではないことはドラマを観てもわかるはずだ。隠蔽したくともできない歴史がある。いくら難癖をつけたところで、このドラマが注目されるのを止めることはできないだろう。

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