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チューリング論文読解2.2

1.直訳

2.解釈

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*訳者のさばと、ミンギスの、某予備校の休憩室での会話です

・場所:予備校の休憩室

・対話者:さば,ミンギス



さば「この論文って、哲学的やな、なんか」

ミンギス:「哲学的?」

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2.解釈

現代にとって、私は人間の記憶が必ず有限であるという事実にのみ正当性が存在するとだけ言っておこう。(訳より)

ミンギス:「これってどういう意味ですか?いまいちピンときてない」

さば:「うーん」

ミンギス:「今の時点でぼんやりした理解なのはしょうがないかもね」

さば:「この論文、哲学的やんな、なんか」

ミンギス:「たしかに、チューリングの思想を感じる。なんで、『人間の記憶が必ず有限であるという事実』が根拠になんのかっつー話ですよ。」

さば:「計算機械を人間の脳にたとえてるな」

ミンギス:「そうか。チューリングって、本気で人間の脳って計算機械だと思ってたんだ。

我々は「m数列」と呼ばれる状況q1,q2,q3,.....qnの有限数という性能のみをもち、機械へ実数を数え上げる過程において、この正当性を比較する。

ミンギス:「m数列ってなに?」

さば:「書いてある通り。q1,q2,q3,.....qnのことをm数列という。qnは、状態のこと。あとで詳しく説明されると思う」

ミンギス:「ふむ」

さば:「『機械』が、m数列をもっている」

その機械は有限数を通じて機械を通じて働きかける(アナログの紙である)テープを供給され、それぞれの「シンボル」をもつようにそれぞれのセクションが分けられる。どんな時でも、機構であるシンボルG(γ)をもちながら、γ-thを表すある1つのスクエアが存在し、そのスクエアを我々は「スキャンスクエア」と呼ぼう。「スキャンスクエア」上の象徴は「スキャンシンボル」と呼ばれる。その「スキャンシンボル」はいわば、「直接的認識」である機械のたったひとつのものである。

さば:「絵で描くと、こんな感じ」

さば:「『機械』は、テープに記入されている『スキャンシンボル』をみることができます」

しかしそのm数列を変換することによって、スキャンされたと前もって見なされている(ようである)シンボルのいくつかを効率的に思い出すことが出来る。どんな時でも機械の計算可能性は「m数列qn」と「スキャンシンボルG(γ)」によって決定づけられるのだ。qnとG(n)の2つで「配列」と呼ばれている。従って、その配列が機械の計算可能性を決定づける。

さば:「『機械』がもつ『m数列』とテープに記入されている『スキャンシンボル』の組み合わせによって、『機械』がどう振る舞うのかの『可能性』が決まる」

ミンギス:「テープは、『機械』の中を通ってるんやんな」

さば:「うん。『スキャンシンボル』と『m数列』のペアを『配列』と呼びます」

スキャンスクエアは空白である。つまり、何のシンボルも持たないという点でのいくつかの数列では、機械はスキャンされた新シンボルを書き起す。...(略)...

さば:「ここからは、『機械』の基本的な振る舞いについての説明になる」

ミンギス:「オーケー」

さば:「『スキャンスクエア』が空白のこともあって、そういうときは新しく『シンボル』を書き込む事もある」

ミンギス:「はい」

さば:「反対に、『スキャンシンボル』を消す事もある」

ミンギス:「うん」

さば:「で、『機械』は右にひとつ動いたり左にひとつ動いたりする」

ミンギス:「え?」

さば:「『機械』は、テープのひとつ右のます目をみるように動いたり、ひとつ左のます目に動いたりするってこと」

ミンギス:「なるほど」

書き起こされたいくつかのシンボルは計算された十進法数のまとまりを形作る。そのほかはまさに「記憶補助」へにとっての粗い覚え書きのようなものである。それらの消去動作は計算可能な数字で使われているもの全てを含むというのが私の主張である。読者がこの機械論に精通している時、この主張の支持はより容易になるだろう。従って、論理の発展を進めて、「マシン」「テープ」「スキャン」、その他によって意味されていることを理解されたと私は確約する。

さば:「こんな感じの操作をすることで、10進法の計算ができるらしい」

ミンギス:「ほえ〜」

さば:「さらに具体的な操作については、まだわかっていないが」

ミンギス:「『読者がこの機械論に精通している時、この主張の支持はより容易になるだろう。』って、ようするに、僕の言ってることがわかるかどうかは読者の君たちの理解力次第なんだよって言われてる感じがしますね」

さば:「そ、そうなの?」



つづき→チューリング論文読解3.1

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参考: http://kitchom.ed.oita-u.ac.jp/jyo/proh09/mkiribu/ronbun.html

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