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ガンプラとの出会いから現在までの系譜

自己紹介で語らせていただいたように、私はガンダムオタクであり、もちろんアニメーション作品が好きなのだが、とにかく登場するモビルスーツと呼ばれるメカのデザインを愛している。
デアゴスティーニのガンダムパーフェクトファイル全181冊コンプリートしてしまったほど愛している。
そして、ガンダムのプラモデル、いわゆるガンプラも大好物である。

ガンプラとの出会い

きっかけは小学生の頃のガンプラブームで、1981年当時小学校2年だった私はどういうものかもよくわからないうちに、なけなしの小遣いをはたいて300円のガンプラを買った。
アニメ自体はテレビで観ており(後に再放送と知ることになるが)、モビルスーツと呼ばれるメカのデザインに心底惚れ込んでいた。

最初に買ったキットは1/550ビグザムだったと記憶している。

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© BANDAI SPIRITS 1971-2021


なぜ子供ながらにこんなマニアックな機体を選んだのか。

単に玩具店においてガンプラが枯渇しており選択肢が無かったのである。
コレジャナイ、と思っても兎に角ガンプラを手に入れたかった一心で入手に踏み切った。

現在も巣ごもり消費で一部のキットが品薄となり、転売屋ども格好の餌食となっていると聞くが、1980年にバンダイがガンプラをリリースしてしばらくはガンプラブームが訪れており、入荷しては蒸発するように売れていた。
近所の模型店でも入荷予定と噂される日の開店前から行列が出来ていたほどの熱狂ぶり。

とりわけガンダム、シャアザクなどの人気機体のキットは雑誌でしかパッケージを見たことがない、というくらいのレアものであった。
見つけた!と思ったらゴミみたいな商品と抱合せで販売され、小学2年生には手が出せない価格であった。

しばらくすると製品供給も落ち着き、近所の模型店にて貯めた小遣いを投入し1/100ドム(700円)を購入したことは、今でも鮮明に当時の光景を思い返すことができる。

ガンプラの進化を目の当たりにした20代

小学校低学年当時のガンプラは組み立てに接着剤が必須だったため、机は汚れるし手に接着剤が着いたまま組み立ててキットに指紋がクッキリ残るなど、難易度の高さに何度も挫折しかけた。

さらには塗料や塗装道具を買うお金も持ち合わせてないため、単色もしくは2色程度にしか色分けされていない、非常に単調でプラスティック感丸出しの表情でモビルスーツが完成することになる。
さらに関節の可動域が非常に狭く、飾るポーズをつけようにもバリエーションは非常に限られた。

小学校高学年になると、ガンダム以降の続編作品のモビルスーツもガンプラとしてリリースされ、しばらくガンプラから離れファミコン野郎と化していた私は久々に作成に取り掛かった。

今度は少し増えたお小遣いをフル活用して、ニッパーなどの工具や塗料と筆を購入し、塗装への一歩を踏み出した。

自宅で組み立てると接着剤や塗料のシンナー臭で母がクサイクサイと連呼するので、仕方なく近くの建設中マンションに友人と忍び込んで一緒に作っていた。
見回りの警備員に見つかって派手に怒鳴られ、狂ったように笛を吹きながら追いかけてきたのを思い出す。 
ちなみに正しい塗装技術を知らなかった私は適切な塗料と筆を選ぶことができておらず、うまく塗れなかったことも付け加えておく。


時は経ち、20代後半になったある時、ガンプラ界に新たなムーブメントが発生していることを知る。

HG(ハイグレード)、MG(マスターグレード)、PG(パーフェクトグレード)と各スケールごとに銘打たれ、デザインをリファインした新設計のガンプラが登場していたのだ。

同僚もガンダム好きだったのを良いことに、客先に営業に行った帰りに社用車で模型店に寄り道した。

そこには大人になった私の胸を熱くさせる、それはそれは格好いいプロポーションのモビルスーツ達が山積みにされていたのだ。

早速当時好きだったガンダム0083という作品に登場する、GP-02ガンダム試作2号機(別名:サイサリス)のMG(1/100スケール)を手に取り、工具や塗料も揃えて購入した。

キットの進化は目覚ましく、多色成形され、パーツごとに細かく色分けされていたため、そのまま組み立てても(素組という)十分格好良く仕上がるようになっていた。
しかも接着剤不要!手も汚れないしニオイもしない!説明書もこの上なく親切でわかりやすい!
「感動した」以外の適切な感想を述べる言葉が見つからなかった。

内部構造まで再現されているため、パーツの点数は小学校当時の旧キットから飛躍的に増えており、それなりに時間がかかる作業であったが、夢中になって組み立て、1時間以上没頭した。

関節はこれでもかと言う程によく動くし、できるだけパーツの合わせ目が目立たないように注意深く設計されていた。

ここから私の第2次ガンプラブームが再来することになる。

金に物を言わせて沼にハマっていく

当時の私はそこそこ稼げるようになった自称デキるサラリーマンであったため、GP-02サイサリスの完成に気を良くして、ガンプラを買い漁り始めた。

素組での完成に飽き足らず、子供の頃に夢見たエアブラシでの塗装へとさらに階段を上がる。
いや、沼に向けて下っているのか。

ネットや雑誌で情報収集し、初心者向けだが使い勝手の良いと言われるコンプレッサーにエアブラシのハンドピースを買い揃え、着々と塗料のストックも増やしていった。

既に当時結婚していたが、妻も私と同じ様にガンダムにハマってくれて、理解を示すどころか彼女も自分用のガンプラを買って、一緒に組み立てたりもしていた。

止める者が居なければアクセルを踏み続けて加速していていくだけだ。

毎月ホビージャパンという模型中心の雑誌を購読し、組み立て、塗装について技術をインプットしていった。

改造については面倒くさい、という感情が勝ってしまい、組み立て+塗装という工程を楽しむスタンスでしばらく継続した。

そんなある日、1/144のズゴックE(HGでは無い旧キット)を600円程度で購入し、気合を入れて塗装してみた。
と言ってもモデラーからすれば当たり前の工程で、ヤスリがけをしてサーフェーサーで下地を作り、パーツの合わせ目は接着剤で埋めて切削してキレイに消す。
その後はダークグレーでほぼ真っ黒の状態にして、グラデーション塗装で面の中心を明るく、エッジ部分は影が残るような塗装法で仕上げた。

ヤフオクで売ってみた

当時不用品などをヤフオクで売りまくっていた私は、この完成したズゴックEを出品したらいくら位の値がつくのだろう、と好奇心が芽生えた。

自分なりにはかなり上手に塗装出来たのだが、思い込みかもしれない。
果たしてこれを欲しがる人がいるのか、いるとしたらいくら出してくれるのか。

今ほどガンプラ撮影を上手く行うための情報は簡単に知ることはできなかったし、スマホも無い時代。
持っていたデジカメで何とか自分なりに格好良く見えるアングルなどで撮影し、出品。

キット代600円と塗料代などが約1,000円弱だったと思うので、1,500円スタートに設定。
合わせ目消し以外に改造などは施していないことも説明文に記載した。

翌日には5,000円の値がついており、本当に驚くと同時に他人に認めてもらえたという思いで承認欲求は完全に満たされた。それどころか同僚にも自慢していたので、溢れていたのかもしれない。

入札者は数人おられたようで最終的には競り上がり、12,800円で落札された。

ここまで行くと唖然とした。
本当に良いのか?詐欺だったりしないか?

念の為入金確認後の発送としていたのでこちらにリスクは無く、取引を進めたが杞憂に終わった。
やり取りのメールも大変丁寧かつ良い方で、商品到着後にもお褒めのメールを頂戴した。

こうして、600円のキットはほんのちょっとの塗料代と作業の時間を費やしたら12,800円に化けたのだ。

子供が生まれて一時引退

2001年に長男が誕生した。

生まれたばかりの頃はまだガンプラ制作も継続していたが、ハイハイ、つかまり立ち、二足歩行と成長するにつれて、彼の手の届く範囲が大幅に広がった。

子供の手の届かないところ、は段々とスペースが限られていき、飾る場所も少なくなった。
ガンプラにはつきものの角(アンテナだが)や小さなパーツが脱落して床に落ち、それを飲み込んだりしたら大事件になる。

クローゼットのスペースを専有していた、「そのうち作ろう」と思い買い込んだ約50個の未開封ガンプラ箱達が、子供のために買ったモノを収容するのに邪魔になってしまった。

ヤフオクで1個ずつ売るのは手間だし、まとめ売りなら店舗に持ち込むか、と考えなんでも高値買取!を謳う古物商に全て売った。正確な価格は覚えてないけど半額程度で買ってくれた記憶がある。

塗装用の道具は売る気にならず、今でも持ち続けているしメンテナンスのお陰もあってか、順調に稼働してくれている。
実に20年選手である。

10年ぶりにエアブラシを稼働させザクIIを作った

一時引退してから約10年。
きっかけは既に忘れたがMGのザクII Version2.0が出ていることを知り、気がつけば手に取っていた。

また、10年の時を経て、プラモデル作成用の道具も新たな進化を遂げていた。
塗装中のパーツを乾燥させるための持ち手、それを刺して固定するための台座、固着した塗料を軟化させるための溶剤など、久しぶりに足を運んだ模型コーナーで賞賛の意を込めた溜息を漏らしながら、新しい仲間達をラインナップに加えた。

以前同様に全パーツにヤスリがけをしてサーフェーサーを吹きつけ、1つ1つのパーツを愛でるように下地を仕上げた。

塗装はまたもグラデーション塗装。
エアブラシで面の中心から徐々に明るくして、エッジ部分は黒く影が残るように。
今回はウォッシングと言われる汚しの塗装にもチャレンジした。

※これが原因で後に一部のパーツが侵食されボロボロになるのだった、、、

また、ウェザリングと言われる汚し塗装も施し、足元に泥汚れが着いたような技法も使った。
さらにはドライブラシと呼ばれる技法でエッジ部分の強調も行った。

持てる技術の全てを投入して完成したザクIIがこちらである。

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使用したキットはMS-06J ザクII Version 2.0

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ウォッシングが粗すぎてグラデーション塗装の効果が弱かったり、見る人が見れば雑な作品と言われるかもしれないが、自分としては大変満足しているので今でも気に入って部屋に飾ってある。

現在もグフ Version 2.0を作成中

このザクIIに全身全霊を傾けすぎてしまったのか、これ以降は塗装をしない素組を行う程度でまた数年の月日が流れてしまった。

息子たちがガンプラ作ってみたい!というので、指導しながら自分も素組で組み立てしたこともあった。

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組み上がったガンプラをキラキラした瞳で、「ほらー!見てー!」と満足そうに自慢してくる息子達が大層可愛く思えたものだ。
自分の趣味を子供達が一緒に楽しんでくれる、というのは本当に良いものだ。
仕事のストレスで荒んだ心も洗われる。

今から4年ほど前、MG グフ Version 2.0が売られているのを見て久々にガンプラ魂に火が着いた。
勢い込んでサーフェーサーを塗り、塗装を始めたまでは良かったが、何故か途中で中断してしまっていた。
理由は既に忘れてしまったが、熱しやすく冷めやすい性分の私なのでゲームにハマったとかそういう理由であろう。

そして2021年。
テレビで横浜のガンダムファクトリーの特集番組をやっていた。
芸能人がガンプラを作る姿も放送され、またも燻っていた私のガンプラ魂は再燃した。

あのグフを仕上げよう。

20年前に買ったエアブラシが稼働することを「こいつ、動くぞ…!」とガンダムの名台詞になぞらえて確認し、もう1つ大きなモチベーションを上げるきっかけが欲しかったため、塗装ブースを購入した。

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Amazonのレビューを吟味して購入。
LED照明付きで非常に作業がしやすく、ファンの吸引力も必要十分。
使用してない時は折り畳んでコンパクトになる。

こいつがあれば飛び散る塗装ミストを気にせず、めちゃくちゃ臭いサーフェーサーもベランダに出てホコリに怯えること無く、無風の室内で塗布できる。

というわけで現在グフを作成中。
間もなく完成するため、また記事にするかもしれない。

長文にお付き合いいただいた貴方に心からの感謝を。

サポートしようかな?と考えていただいたそこの素敵な貴方。 本当にありがとうございます。 サポートいただいたらお返しします。 お互いのnoteを盛り上げていきましょう。