指を怪我した。具体的に言うと右手指の第一関節から1.5㎝切断、縫合する手術を行った。 楽器を弾くのにこんなにいい指はないと褒めてもらってから、私は私の指がすごく好きだった。女にしては大きくて長い。細くて白くて苦労したことのない形をしている。関節は大きすぎず、爪もそこそこ整っている。 事故の状況をはっきり覚えている。言葉で伝えるときは笑いながら話す。必要以上に大丈夫なことを強調して、ジョークにして笑ってもらえるようにする。私は私が大丈夫であってほしいと思っている。 痛覚がほとん
人間だれしも中学2年生でなくたって、今なんで私は私なんだろうと思う瞬間があると思う。1秒前まで別のところにいて全く別の意識を持ち、人間だったかすら分からない。足に指があり、胴に肩があることが不思議でたまらなくなる瞬間。 大抵それは疲れているときにやってきて、頭をぐちゃぐちゃにかき乱す。小さいときはそれが怖かったが、もうすぐ24歳になる私は疲れているの一言で片づけることができる。 久しぶりにそれがやってきて疲れていることを自覚した。意地だけで仕事をし、自炊し、お風呂に入り、洗
美しくなりたい。健やかでいたい。仕事が忙しくても死にたくない。私は思考の方向性がネガティブ極まりなく、ストレスにぶつかると危ない方向へよろっとしてしまう。堅実に貯金をしたうえで、安心して生活を送っていくために必要なものにはお金を払いたい。 シャープ加湿空気清浄機部屋が加湿されている状態というのは、なんと心地よいものなのだろう。肌がぱりぱりしない。目が乾かない。のどが痛くならない。お部屋が快適。ノーブランドの3000円ぐらいのものを使っていた時、床がびしょびしょになったことが
10月。信頼している人がとても怒っていた。私は怒るという行為、怒っている状態の人が心底苦手である。本当に、心から。 その怒りは幸い私に向けられたものではなかった。表面上は私たちはとても上手くいっている。喧嘩をしたわけじゃない。謝罪が存在しない。許す・許さないの選択肢がない、私の内面の問題。怒りを露わにできる人がそばにいるという事実だけが残ってしまった。殺してやる、みたいな強い感情、強い衝動。ねえ、冷静になった方がいいんじゃないとか、理由あってのことだよとか、おろおろしてみっ
自粛ムードは徐々に緩和されつつありますが、お休みの日は家にいる日が続いています。今までは土日を問わず週休2日、休日のどちらかはオーケストラの練習とカフェで過ごす日、もう一日を死んだように過ごす日にしてバランスを取っていました。私はテレワークができない職種です。加えて休業日を作らざるを得なくなり、休みの日が週3になりました。流石に毎回死んだような休日を送れば廃人と化してしまいます。そこで、自分の中でルールを作りました。 ◎3日ある休日の内、2日は生産的に過ごす「がんばる日」。
04 イオンのバーリアルが美味しい。一本だけ飲むことを品行方正飲酒と呼んでいる。 05 散歩をした。川縁の桜が美しい。 07 判で押したように毎日同じ生活。健康的な時間に寝起きし、仕事し、勉強し、適度に運動し、映画を観、楽器を弾く。退屈。好きな人が欲しいな。感情を乱されてみたい。 09 親戚が亡くなった人に対して、適切な言葉が思い浮かばず黙りこくってしまった。すぐにその後紋切り型のごあいさつを検索して覚えた。でも適切って何だろう。この定型文をするっと吐けることなのか。
最近頭がおかしくなったんちゃうかというくらいKing Gnuを聞いています。飽きません。ずっと聞いていられる。私にはたまにこういった、狂ったように聞く時期というのがあります。中学では宇多田ヒカル、高校では椎名林檎で、大学ではサカナクションでした。今はKing Gnuの波が！来ている！ 登場順はランキングではありません。順位をつけるなんておこがましくってそんなことできません。全部ラブです。解説ではなくて、ただの感想です。どこかに感想を発散しないと生きていけないから書きます。
今日は休日に幸せを得る方法をご紹介したいと思います。note在住の皆々様が大変高尚な休日を過ごされていることは存じ上げております。ここにあるのは完全な無です。虚無と言っても良いでしょう。 6:50 朝はいつも会社に行く時間と大して変わらない時間に起きます。偉いですね。暖房をつけ、部屋が温まるまでLINEやメールの返信をし、夜読んでいた小説の続きを読みます。暖かくなってきたら布団から這い出し、念入りな筋トレと念入りなストレッチを行います。休日にも拘らずこの行為は偉人だと言える
12/30仕事納め。職場の大掃除をしました。給湯室の床を拭きながら、将来設計について考え、転じて子供の名前とその画数を検討しました。妊娠の予定どころか恋人がいません。来年も妄想と欲にまみれて過ぎていくのだと思います。 スキをして下さった皆様ありがとうございました。良いお年を。
サクセスストーリーの代名詞、私はあの話が苦手だ。灰にまみれて継母たちにいじめられ、お城に行く夢を見てため息をつく可憐で可哀想な女の子、シンデレラ。何と魔法使いによって美しいドレスを纏い、ガラスの靴を履き、舞踏会に繰り出す。そこで王子様に見初められなんやかんやで結婚、一件落着ハッピーエンド。 その、それやん、なんやかんやだよ、問題は。見初めるの前のワンクッション、ガラスの靴を落とすでしょ、王子様が拾ってなんて言ったと思う？ こんなに小さい足の人は美人に違いない ばかやろう
高校時代の部活の顧問が亡くなった。告別式を知らせるラインが届いたのは旅行中のことだった。私は彼女が大嫌いだった。いつも平気で声を荒げる人だった。理不尽な理由で、今思えば本当にどうでも良い理由で怒られたりした。けれど涙脆いところがあって生徒に好かれていた。私はそれすらも嫌いだった。話し方、飴と鞭の使い分け方、表情。先生を慕う人達は信者じみていた。 まずやってくれやがったと思った。折角の旅行が台無しだ。なんて事してくれているんだ。次に悲しむグループラインを冷めた目で見て、紋切り
彼と彼女がお付き合いをされているのはずっと知っていました。広い広い会場で彼女が美しい指輪をしているのを、左手の薬指につけているのを、すぐに見つけました。誰のどんなアクセサリーよりも輝いていたのですから、私が特別目ざとい訳ではありません。報告を受けることを想定し、お腹にちからを入れました。 私は彼が大好きでした。尊敬できて、常にユーモアと気遣いに満ち溢れた人です。兄のように慕っていました。彼と彼女は円でした。まるく繋がっていて、お互いに補完しあっているところが円のようでした。
紺色のワンピースを着て、爪を水色に塗った。朱色の口紅と銀色のアクセサリーをつける。日に肌を透かして歩くのが好き。コロナとスイカの缶チューハイを交互に飲み、イヤホンでナイトクルージングを聞いている。今年は夏を乗りこなしている気がする。”夏休み”の存在がないから夏の終わりに怯える必要がない。大人になって良かった。 いっこうに美人になれないし、頭の中は飽和状態が変わらず続いているけれど、最近はそれでもいいと思えるようになってきた。許す、許してあげる。 もう9月だ。これから来る秋
3泊4日、北九州方面へ旅行し、電車内でこれを書いている。私は出先ではひたすら歩く。それはそれは長時間歩き続ける。食べてる時と寝てる時以外は歩いていると言っても過言ではない。1日20キロは軽く歩く。何が楽しいのと聞かれる。何が楽しいんだろうね、本当。人生と一緒、と答える。ただ無為に歩くこと、自分の足で地面を踏みしめ、行き先を決められることは心安く、私にとって必要な行為なのだろう。 旅先では道を覚えるように歩くのが好きだ。頭の中に地図を作るように東西南北を刷り込んでゆく。 古着屋
あなたは希望なんてないと言う。何も楽しくないと言う。私は何も言えずに困った顔をする。私はあなたを救えない。でもあなたは救われるべき人だと思う。 救いたいなんて傲慢な考えは持てない。ううん、ごめん、言い訳だね。正直なところ私にはあなたを救う程の力がない。でもあなたを突き放して自己責任だと言い放つ図太さはない。自信がないから大丈夫だと無責任に言えない。優しくないから安易な共感もできない。中途半端に頭を撫でてしまう。あなたが望んでいる言葉を探してしまう。救われたいと願っているのを
打算的になるときの罪悪感を社会人になっても持ち続けている。これを一生持ち続けるのだろうか。呼吸する様に嘘をついた後、立ち上がれなくなる倦怠感から逃れられず歳をとるの？想像するだけで悲しくて身動きが取れなくなってしまう。いつか罪悪感も煩悩も期待も嫌悪も劣等感も全部全部もたなくなればいいのに。清さと美しさと潔さだけで生きていきたい。正しさなんていらない、汚れたくない。大人は若いゆえの潔癖だと言うけれど。違うと反発して気づく。ああこんなやり取りは先人によって繰り返され、私も彼らと同
