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なぜ,ドラえもんはのび太に,アドラー心理学を採用しなかったのか?

どうも、リキッドです。ふと感じたことがあったので書いてみようと思います。僕は、現在、アドラー心理学を採用して子育てに取り組んでいます。その視点から「ドラえもんって、アドラーと逆だ」と感じたんです。"ドラ"の部分は一緒なんですけどね。

今、空前のブームとなっているアドラー心理学ですが、その代表的な概念となっているうちの一つが、目的論です。
目的論を簡単に解釈すると、これからの自分の人生は自分自身で選ぶことができる。ということだと思います。
この逆の考え方が、原因論です。これは、過去に何かしらの出来事があり、それが原因となって自分の今やこれからを決めているといった考え方です。まず、目的論という大きな概念があり、そのための代表的な手段として、課題の分離賞罰教育の否定というものがあります。

すこし、説明すると「課題の分離」というのは、物事に対して、最終的に誰が責任を負うのか?ということを考え、人の課題には足を踏み入れないようにする。ということです。
逆に、人の課題にズカズカと足を踏み入れると、お互いにとっていい結果にならないとされています。

次に、「賞罰教育の否定」ですが、これは、その名の通り、怒らないし褒めない、ということです。怒ることや、褒めることは、上の立場の者が下の立場の者に下す評価なので、これもまた、アドラー心理学では推奨されていません。

さて、皆さんご存知のドラえもんですが、のび太くんに対して様々な援助を施してあげます。
例えば、のび太くんが0点を取れば、四次元ポケットから、100点を取れる道具を出してあげます。
また、ジャイアンにいじめられたら、仕返しできる道具を出してあげるんですね。
さらに、その過程で「すごいじゃないか!のび太くん!」や「やればできるじゃないか!」また「何をやってるんだぁ!!!」などという言葉も、よく使われていると感じます。

このような、毎週繰り返されるドラえもんの言動は、課題の分離賞罰教育の否定といったアドラー心理学の考えと真逆と言っていいと思うんです。
しかし、ドラえもんともあろうお方が、未来からやってきたのに、アドラー心理学を知らないわけがありません。いや、知っていてむしろ採用していないと思ったんです。

ところで、ドラえもんという漫画の最終的なストーリーって何だと思いますか?たぶん、ドラえもんとのび太くんが二度と会えなくなって終わるんだと思います。(まだまだ先でしょうが)
そういうフィナーレが想像にやさしいのですが、だとすると、のび太くんは本当にドラえもんがいなくても、ちゃんと自立して生きていけるのでしょうか?おそらく、今のままでは難しいと思います。最終的にドラえもんとのび太くんは離れ離れになってしまう。
これが分かっているのに、なぜ、ドラえもんは、のび太くんの自立に向けた援助をしないのでしょうか?

これはドラえもんの持っている"ある道具"の価値を、ドラえもん自身がちゃんと分かっているからだと思ったんです。
その"ある道具"とは一体何か?
それは、

タイムマシーンです!

ドラえもんはタイムマシーンがあることで、いつでも過去に戻ることができるんですね!これはすごいことです。

例えば、先ほどの話で、100点を取れる道具をのび太くんに出してあげたとします。そうすると、何もなければ、のび太くんはその道具をずっと使い続けることになるでしょう。(実際の漫画では、何かしらの障害が出て、その道具をずっと使うことはできないストーリーになっています。)
まったく、努力しなくても、テストでは、常に100点を取り続けるという結果になります。
しかし、それは、テストで100点が取れるというだけなので、いざ、大人になって、何かの役に立つか?というと、何の役にも立ちません。
ただ、勉強をしなくていい理由を作ってしまった道具とも考えられます。

普通なら、時すでに遅し、大人になってから気づいたのでは遅すぎる!となるんですね。
しかし、ドラえもんはタイムマシーンを持っています。なので、「あの時に、100点を取れる道具を渡したのがマズかった。。。」と気づけば、タイムマシーンに乗って、過去にひとっ飛び。のび太くんに道具を渡す前に戻り、やめることができるんです。
そして、道具の代わりにこんな言葉をかけてあげることも可能です。
「やっぱり、勉強は自分の力でやったほうがいいと、僕は思うんだ!」
そうするとのび太くんは、もしかすると、努力して勉強をするかもしれません。

この理論で結論まで話を持っていくと、最終的に、ドラえもんがのび太くんと出会う前までタイムマシーンで戻れば
のび太くんとは会っていないという事
にできてしまうんです!
そもそも、のび太くんの自立にとって、ドラえもんは必要なのでしょうか?本来なら、パパとママとのび太くんで解決しないといけない問題です。
それを、タヌキ、、、いや、猫型ロボットが出しゃばって、応急処置だけしてあげる。この図式では、いずれぼろが出てしまうんです。そして、のび太くんは大人になったときに社会になじむことができないでしょう。
根本的な解決にはなっていませんからね。だったら、ドラえもんと合わないほうがよかった。。。そもそも、そこが間違いだった。
そう思えば、タイムマシーンで戻ればいいんです。出合う前にね。。。
最悪、タイムマシーンで出合う前に戻り、リセットすればいい。ということを知っているから、ドラえもんはアドラー心理学でのび太くんを育てなかったんだと気づきました。

アドラー心理学にタイムマシーンの概念はありません。っていうか、そんなもの、今の世の中がすごく便利になっているとはいえ、あるわけないんです。(これから先は分かりませんが。)
タイムマシーンがない以上、過去に戻ることはできません。つまり、起こってしまった事実を変えることはできないんです。非力な僕たちにはね。。。

だったら、過去を見るのではなく、これからどうするか?を見すえて生きようじゃないか!

過去の原因に目を向けるのではなく、今、この状態からどうしていくのか?ここを考えるべきだ!

過去に戻れない以上、今を、そして、未来をより良いものにしていく決心をして生きていく。それが、アドラー心理学を作った、アルフレッド・アドラーの決意だったのではないでしょうか?

もしかしらた、タイムマシーンが将来的にできて、過去に戻ることが可能になるのかもしれません。しかし、人生は思ったより短いと思うのです。
そこまで、生きていられる保証はありません。
誰もが短い一生のなかで、タイムマシーンの可能性に賭けて、原因を探り生きるか?
自分自身の可能性に賭けて、人生をより良い方向にシフトチェンジしていくか?

それを選ぶことができるのは、いつだって、あなただけなんです!

そんなとき、僕はいい言葉を知っています。

「助けてぇ~、ドラえもぉ~~~ん!!!」

(BGM チャララララララ♪チャララララララ♪・・・・ by 昔のドラえもんのテーマ曲)

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