雨の効用
何気ない、普段と変わらない朝を向かえる。いつも通り始発電車に乗り、少し眠そうな人たち、完全に眠りについている人たち、旅行でどこかにいくのだろうか、少し高いトーンで、しかし、控えめな声で話す若い人たち。
そんな中、僕はというと、いつも通り本を読む。
目で文章を追いながら、頭では別のことを考えている。
人は平等に新しい朝を向かえる権利を持っている。前の日が、幸せであっても、最悪な日であったとしても、朝は来る。
朝日が希望に満ちた光となるか、ただただ、眩しいだけのライトとなるか。
前者は、旅の出発前に似ている。何が起こるかわからない、そしてこれから起こる未来に胸が躍る感じだ!
後者は、未来に対して悪い期待をしている感じだ。つまり、起こって欲しくない出来事が起こる。そう感じることである。
残念ながら、僕は後者の朝を向かえている。
今日、何が起こるか知っているからだ。
ただ、こんな朝でも救いはある。
今日が、雨だということだ。ライトのスイッチは切れている。
それでは、行ってきます!
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