【1月25日】

 積ん読完全消化! やったね。

『帰りゃんせ』やんちゃな男の子が、ちょっとした反抗と不思議な出会いから、最終的に恐ろしい目に遭ってしまう、怪談チックなお話。というか、怪談だな、これは。童謡がモチーフって、ジミ〜に夢に出そうな、絶妙な不気味さなんだよね。しかも一瞬救われそうになって救われないENDの後味……いや、怪談なんだから大成功だよ、これは。

『異世界? いかねえよ。』タイトルの通り、いわゆる異世界モノへのアンチテーゼ。妖精が執拗に勇者転生を勧めてくるのに、頑なに応えない男の子の話。繰り返される、「現実はルーチンワークだ」ってキーフレーズ。わかるなあ。気づいたらおんなじような日が続いてる。異世界だ妖精だといいつつ、これは徹底して日常モノなんだなあ。

『ただいま、おかえり、また明日』兄と2人で喫茶店を切り盛りする高校生の女の子と、その兄と、研究者の和泉くん。ほのぼのラブコメディかと思いきや……いくつかの引っ掛けがあって、ドキドキする。キラキラしていて、だけどどこか湿っぽくて、それでもみんな前を向いている……どことなく少女マンガを読んでる気分。純粋にいい話だ。

『あなたは砂場でマルボロを』さっきのが少女漫画なら、これは完全に青年誌、もしくはゴールデンタイムを避けて夜中にやるドラマ。女という生き物の、生臭い在り方をこれでもかと描いた作品。表現がどこか詩的で奥行きがある。文章で魅せるのが上手いなあ、って素直に感動した。ずるい、汚い、色っぽい。言ってみたいし、言われてみたい。

 全15作品、みんなで1万字くらいの短編をせーので書いて競うっておもしろい催しだなーと思った。個人的には、最後に読んだ『あなたは砂場でマルボロを』が好きかな。



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