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ケニアは何語?英語話せれば、問題ない?

こんにちは。アフリカ大好きりさぴょんです。
今回は、ケニアで話されている言語について書きたいと思います。

結論:


ケニアの人はマルチリンガルです。3言語を話す人がほとんどです。
英語ができればコミュニケーションに問題ありません。

3言語とは、
①母国語:両親が話す言葉。民族の言葉でキクユ語やルオ語等。
②共通語:スワヒリ語。家族の日常会話で使うが、小学校の科目としてスワヒリ語があり、勉強する。
③公用語:英語。小学校高学年から、英語を科目として勉強する。公式な場所やビジネスな場所で、英語が使われることが多い。

日常会話@田舎

私に毎日スワヒリ語を教えてくれた友人


最初にケニアに来て、びっくりしたのが、みんな母国語(キクユ語)、スワヒリ語、英語をミックスして話してます。私がJICA海外協力隊で住んでいた場所は、ニエリという場所です。ケニア山の方面です。その地域はキクユ族の人たちがほとんどでした。小学校の先生とかで転勤で他の地域から来ている先生は、キクユ語がわからなくて大変そうでした。私の配属先のボスは、メルー族でした。メルー語とキクユ語はかなり近いので、聞き取ることができるけど、話すのがちょっと違うということでした。周りの人も、キクユ語が母語ではないのがすぐわかるので、「キクユではないね、どこ出身なの?」と他のケニア人に聞かれていて、その対応はちょっと悲しいですよね。

私はJICA海外協力隊の派遣前訓練でスワヒリ語を勉強してきたので、意気揚々とスワヒリ語を話しましたが、ニエリのようなキクユ族が90%以上の場所は、みんなキクユ語しか話しませんでした。これは想定と違って活動を始める時にお祖母ちゃんたちが何を言っているのかわからなくて、習ったスワヒリ語が役に立てませんでした。もちろん、同僚はスワヒリ語と英語が話せるので、普段は日常会話はスワヒリ語で、仕事の細かい話になると英語に切り替えて話していました。ニエリは比較的に教育レベルが高い地域なので、スワヒリ語がわからない人はおばあちゃんくらいでした。おばあちゃんもスワヒリ語がなんとなく理解しているが、話すのはできないという感じでした。
キクユ語を勉強しようと一回語学学校に行ってみたのですが、一から習得するのは難しいと感じて、スワヒリ語と英語を伸ばすことにしました。

日常会話@地方都市

しかし、これが大きな地方都市になると変わります。
ナイロビ、ナクル、キスム、モンバサ等の大きい都市になるといろんな民族の方がいるので、スワヒリ語で話すことが多くなります。マタツステージ、レストラン、道端で、スワヒリ語を一番よく聞きます。
また、英語を話せるというのはちゃんと教育を受けたという証拠にもなるので、公式な場は英語になることがあります。同僚がナイロビのボスと話す時は、英語になります。また、少し田舎でも仕事を探しに来た大学生が、児童相談所を訪れた際に、自己紹介は英語でしていました。仕事となれば、ちゃんとした英語を話せることは大前提になるので、英語で話す人も多いです。
また、ケニアは観光地だけでなく、多くの場所で、英語で対応してくれます。ケニアは東アフリカの中でも英語を話せる人が多いイメージです。ちゃんとした教育を受けている人が多いですね。そして、面白いのが観光客(英語しか話せない人)に内緒で打合せするために、こそっと裏でスワヒリ語や現地語でやりとりしています。マルチリンガルだとそうゆう技があるんだなと感心しました。

スワヒリ文化の海沿い

Fort Jesus National Monument

コースト(モンバサ、ラム、キリフィ等)と呼ばれる海沿いはスワヒリ文化が残っています。そのため、スワヒリ語での会話も多く、きれいなスワヒリ語を話します。
よく「sanifu」なスワヒリ語を話すという言い方をしますが、正式なスワヒリ語をこの地域やタンザニアの人は話すと言われています。ケニアはブロークンスワヒリ語や英語が多いので、お互いに混ざたり、英語のネイティブの人が理解できないような文章や単語があります。英語でもスワヒリ語でもない若者言葉もあり、それを話せると若者にめっちゃウケます。
「チョンジョ」めっちゃいいね!
という意味の言葉で、古着を売っている市場とかで、使ったりします。
コーストでは、民族が沢山あり、いろんな母語の人たちが住んでいるのもあり、スワヒリ語をよく聞きます。

モンバサの海

ケニアの英語

これは一概にみんなが同じとは言いにくいですが、ケニアの人は母語の特徴もあり、日本人に聞きやすい英語だと思っています。元々の植民地がイギリスなので、イギリス英語を教科書で採用していることが多いですが、発音やイントネーションがイギリスっぽいとは思ったことがないです。

スワヒリ語は母音をはっきり発音する言語で、英語のように最後に子音だけ残る単語ありません。
英語 Book  スワヒリ語 kitabu 
英語だとブックとは言わずにブッ(ク)と最後の子音のkを発音しなければなりませんが、スワヒリ語は最後だけ子音の単語はありません。
スワヒリ語の本という意味のKitabuはキタブとローマ字読みをして発音でしてもらえれば、ネイティブです。逆に英語ネイティブの方がKitabu を発音すると、変な発音になります。(うまく文章が表現できないけど。)

面白いのが、名前とかでBrianという名前なのに、最後の子音で発音しにくいせいなのか、ブライアンではなくて、ブライウーというあだ名になることが多いです。

ケニアでJICA海外協力隊の時にヨーロッパの大学院に進学するために英語の勉強をしていました。2年終わって、日本のBritish councilに行って、最初のアセスメントテストを終えると先生が今までどのように英語を勉強してきたのが、聞いてきます。「私の勉強方法が間違っていたのか」と思いきや、ケニアにいたことを話すと、
「OK, I got it.」と言って私がアフリカン英語なんだと納得したようです。

ケニアの人々は、小学校から英語を話すので、大学院で英語圏に留学してもそこから発音がイギリスとかアメリカっぽくなることはないです。ケニアでとても発音がいい人は、小さい時から英語のネイティブの国に住んでいたか、ナイロビにあるinternaional schoolに通っていたという人が多いです。internaional に通う子どもたちはいわゆるネイティブの発音です。ケニアの人が学校で習ったアフリカン英語との違いはすぐにわかります(笑)

ケニア人は英語が流暢で自分たちが英語ができるという自信があるので、私が英語を話している時に、発音を注意されたりすることもあって、イライラしますが、彼らも英語が母国語ではないので、比較的英語でのコミュニケーションは取りやすいと思います。
未だに慣れないのが水曜日の発音。綴りの通り読みます。
「Wednesday」ウェンネズデイ
日本では、ウェンズデイと読むのを教わると思います。最初は「ん?」となりましたが、私がウェンズデイと言ってもケニア人もわかってくれるし、ウェンネズデイと言われてもわかるので、コミュニケーションには問題ありません。

語学学校

もし現地で英語、スワヒリ語、キクユ語等勉強したい場合は語学学校がたくさんあります。日本の英会話教室のように競争率が高いわけでもないので、語学教授法に長けている先生がいる場所は少ないです。
そもそもビジネスとしてセンスもないかも。言語学習を始める時に、現在の言語力のアセスメント、目的や目標を設定してどれくらい学習する必要があるのか、どのような勉強方法が良いのかとか、話し合って決めるのが普通かと思いますが、そんなものはありません。いきなり授業が始まります(笑)。自分から積極的に、上達した目的や方法をガンガン提案してください。その場合に譲ってくれない先生もいます。

苦い経験@ナイロビ語学学校

英語の研修で語学学校に2週間行くことになり、グループで参加していました。途中でわからない単語があり、先生に意味を聞きました。先生は、私が持っていた電子辞書で調べろと言いました。
「英語を英語で理解したいから、よかったら、先生から口頭して教えてほしい」
とお願いしたところ、
「辞書は意味を調べるためにあるんだよ。辞書を引けと。」
この後口論になり、先生は、「俺が先生だから、俺のやり方でやる!」と言われました。一緒に英語の授業を受けていたクラスメイトによるとこの口論の時の私の英語はかなりスピーディーですごかったよ、と。
本当に伝えたいことがあるときに脳の回転が速くなったんだろうか。
ということで、日本とケニアの文化をちゃんと理解していない私がおかした間違いでした。日本では私がお金を払うの顧客として、リクエストができます。しかし、ケニアでは顧客ファーストなんてないし、先生が生徒よりも上の立場であるものが当たり前です。
お互いに自分の主張を繰り返すという、ひどい経験でした。私もケニアに来たばかりで、かなり頑固になっていました。今思えば私が悪い。

ケニアの手話


ケニアには、ケニアの手話がちゃんとあります。ろう学校の数が少ないので、適切な教育を受けられていない聴覚障害者がたくさんいます。ケニアの推定60万人の聴覚障害者人口の半分以上がケニアの手話を使用しています。ケニアの手話は植民地だったイギリスや、アメリカ、フランスの手話等を参考に作られたと言われています。他の言語や日本の手話と同じように方言もあり、地域によって少し手話が違うこともあります。
アフリカの他の諸国よりも、体制や形式が整っているのは外部からの支援が入ってきているからだと思いました。Wikipediaによると、ケニア手話通訳者協会(KSLIA)は、2000年9月に初めての米国平和部隊(Peace Corp Volunteers)のろう教育ボランティアによるトレーニングを受けた20人の地元通訳者グループによって設立されました。
ケニアの場合は、母国語やスワヒリ語などいろんな言語を持っている社会なので、ろう者やろう通訳者にとってはコミュニケーションがとるのが難しいと想像します。ろう者は手話でのコミュニケーションで中心で、日本語を書いたり、読んだりするのが苦手な方が多いです。手話と口語は別な言語なので。日本でも大きな違いがあるのに、ケニアだとろう者間で手話でコミュニケーションするのは問題ないが、それ以外で筆談や通訳を入れて話すのが難しいなと思いました。

ということで、ケニアの言語事情について書いてみました。英語ができれば、ケニアは問題ないです。拙い英語であったも、ケニアの人が優しいので、頑張って理解してくれます。
余裕があれば、スワヒリ語の挨拶を覚えると喜ばれますよ~


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