植原正太郎 グリーンズ共同代表

いかしあう社会づくりのヒントを発信するWEBマガジン「greenz.jp」を運営するN…

植原正太郎 グリーンズ共同代表

いかしあう社会づくりのヒントを発信するWEBマガジン「greenz.jp」を運営するNPOグリーンズで健やかな経営と事業づくりに励んでます。2021年5月に家族で熊本県南阿蘇村に移住。釣りとスケボーと自給自足がしたい二児の父。

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最近の記事

【考察】結局「もののけ姫」は何を伝えたかったのか?「生と死」という観点から。

4年前に娘が生まれてから「もののけ姫」のブルーレイを買った。娘がタタリ神を恐れなかったので、誇張じゃなく200回くらい観たと思う。 1997年公開の作品。すでに26年が経っているにも関わらず、まったく色褪せることなく僕たちにメッセージを投げかけてくれる。来世紀にも残る名作だと思う。 いつだったか忘れたが、このWEBサイトと出会ったことで僕の「もののけ姫」観は多く変わった。映像研究家の叶精二さんによる解説。宮崎駿監督が民族・歴史・文化について、膨大な情報量を1シーンごとに詰

    • トランジションは多層的。

      2021年9月に「自分をいかす仕事に出会うトランジションコミュニティ」と銘打ってグリーンズジョブをリリースしてから1年が経った。 ウィリアム・ブリッジズが提唱する「トランジション理論」を引用しながらリニューアルした事業。「トランジション」とは以下のようなものだ。 人生を振り返れば、誰もが1回は経験したことがある段階だと思う。 「グリーンズジョブ」という事業名からは「仕事」の意味合いを強く感じられるかもしれないが、僕らが扱いたいのは仕事だけではなく、暮らしや生き方そのもの

      • フルリモート組織で「全体性」を育てる方法

        NPOグリーンズもフルリモートワーク3周目に突入した。基幹事業はWEBマガジン運営なのでもともと「リモート前提」のチームだったけれど、コロナ前は週1くらいでオフィスに集まってたし、ランチも一緒に食べれば、リアルイベントの終わりには打ち上げもしていた。 2020年3月に初の緊急事態宣言が発令されてから現在に至るまで「リアルに集まった」のは3回くらいしかない。その間、メンバーの新加入や移住が進み実質的に「多拠点チーム」になってきた。 整理のために、現在事業に携わるコアメンバー

        • ローカル組織の採用には「藻場づくり」が必要説

          ローカルには面白いチャレンジの場がどんどん広がっている。それもそのはず、この10年間で土の人と風の人が混ざり合い、地域の課題を解決するための多くの事業が芽吹いているからだ。 そうして生まれたローカル組織は、事業を着実に成長させ、新しい仲間を増やしながら地域から新しい価値を生み出し続けている。 最近、グリーンジョブで「採用寿司」というランチ企画を始めた。採用担当者の皆さんと、寿司を食べながら採用課題を聞かせてもらいながら、一緒に「どうすんべか」を考えるオンライン交流会だ。

        【考察】結局「もののけ姫」は何を伝えたかったのか?「生と死」という観点から。

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        • サステナブルな未来のための100のアイデア
          9本
        • ソーシャルな経営のコト
          2本

        記事

          家族でぶっとびカードを使って南阿蘇村に移住した話

          桃鉄には様々なカードが用意されてますが、ワクワク感MAXなカードを1枚選べと言われたら「ぶっとびカード」でしょう。「ここではない、どこかへ」行くためにランダムな物件駅にでぶっ飛んでしまうというシンプルかつ不確実性のかたまりのようなカードです。 コロナ禍をきっかけとした社会の劇的な変化に揉まれながら、我が家も去年の春から真剣に移住を検討していました。 結果的には、当初の想定には全くなく東京・目黒区からの直線距離は800kmを超える「熊本県南阿蘇村」に移住したのは、ぶっとびカ

          家族でぶっとびカードを使って南阿蘇村に移住した話

          毎朝お散歩しませんか、というお誘い

          リモートワーク生活だと、ともすると一歩も外に出ない日が発生します。僕自身もコロナ禍によって生活様式が一変してしまった人なのですが、日がな一日パソコン画面の前にしかいないってのは、生き物としてどうなんだと悩むようになりました。 そこで、今年に入ってから「散歩」を日課にしてるのですが、これがよい。外の空気吸うだけで生きてることを思い出せるし、みどりを眺めながら歩けば頭もスッキリします。 そんな中、巷で話題のみんなで暮らしのリズムを整えるプラットフォーム「Nesto」の藤代健介

          毎朝お散歩しませんか、というお誘い

          NPO法人グリーンズの共同代表に就任しました。

          こんにちは、正太郎です。突然ですが2021年4月1日をもって、NPO法人グリーンズ(@greenzjp)の共同代表に就任しました。ファウンダーでありこれまで代表だった菜央さん(@suzukinao)と共同経営体制になります。ちなみに菜央さんと僕は干支が同じ辰年です。 2006年7月に創刊したWEBマガジン「greenz.jp」はこの夏で15周年を迎えます。共同代表に就任するにあたって創刊当初の記事をいくつか漁ってみると、菜央さんによるCWニコルさんへのインタビュー記事があり

          NPO法人グリーンズの共同代表に就任しました。

          「待機児童」は保育園だけではないって話

          2019年4月、我が家に第一子の娘が誕生し、東京都目黒区にて出生届を出しました。 それから1年が経ち、世間はコロナ禍まっただ中ではありましたが、2020年4月に娘は近所にある保育園の0才児クラスに無事入園できました。 「目黒区、全然保育園入れないぞ」と散々噂を聞いていたのですが、フタを開けてみたら令和2年度の目黒区の保育園待機児童数はなんと「0」。区政が解決に動いてくれた賜物。感謝しかないっす。 こちらが目黒区の保育園の待機児童数の推移。平成29年度は600人を超えてい

          「待機児童」は保育園だけではないって話

          目に見えない世界に目を向けるという話

          いきなりですが「土中環境」という本を読んだ方はいますか?個人的には「BEST OF BOOKS 2021」にすでにノミネートされています。 サステナビリティや自然環境について考えるとき、人はどうしても目に見えるものから考えてしまうものですが「土中環境」では文字通り「土の中の出来事」について深い洞察を届けてくれます。 山の中に入ると木々や生き物に目がいきます。しかし、それらの生命を支えているのは「土中の水や空気の流れ」だそうです。人の目に見えない土の中の水脈によって有機物や

          目に見えない世界に目を向けるという話

          年収600万?ついに都会の「マネージャー人材」が地域再生にダイブできる制度が日本にできたって話

          地域おこし協力隊は2009年に89名でスタートした制度。令和元年度には5,500名もの隊員が、日本全国の地域で活動されています。総務省は令和6年度には8,000人を目標に制度の拡充を進めていく方針です。 この制度のおかげで日本全体としても良いことがたくさん起きている一方で、多くの問題も生まれています。話すとキリがないのでここでは割愛しますが、国がダイナミックなことやれば、問題もダイナミックに起きるもんだとは思います。 ひとつだけ問題を挙げるとするなら地域側に「マネジメント

          年収600万?ついに都会の「マネージャー人材」が地域再生にダイブできる制度が日本にできたって話

          「エコスゴイ未来」はとっくにやってきている。僕らがサブスク型オンラインスクール「Sustainability College」を始める理由。

          どうも、グリーンズの正太郎です。10月から新たな学びの場をつくります。その名も「Sustainability College」(通称 サスカレ)。morning after cutting my hair,Incの田中美咲ちゃんと僕が「co-学級委員長」として立ち上げます。 読んで字の如く「サステナビリティ / 持続可能性についてみんなで学ぶ場」になります。気候変動が加速し、異常気象が常態化しつつある現代においてはサステナビリティは「必修科目」だと考えています。美咲ちゃんも

          「エコスゴイ未来」はとっくにやってきている。僕らがサブスク型オンラインスクール「Sustainability College」を始める理由。

          グリーンズのビジネス部門のアシスタント募集してます!(8月21日エントリー締切)

          どうも、グリーンズの正太郎です。先日、SNSでこんな投稿をさせてもらいました。 こんな海の物とも山の物ともつかぬ人材募集なのに、その後10件近くお問い合わせいただきまして感動しました。ご興味持ってくださった方、本当にありがとうございます。 とはいえ、グリーンズが最近取り組んでいるプロジェクトや、業務内容&求めているスキルなどを説明しないままに採用するわけにもいかないので、noteにまとめました! その上で「お、ぼく・わたしのこと呼んだ?」と感じる人はエントリーいただけれ

          グリーンズのビジネス部門のアシスタント募集してます!(8月21日エントリー締切)

          「これからのオフィス」はどうなる?リモートワーク前提のチームワークから考える

          全国的に新型コロナウイルス感染者はピークアウトし、緊急事態宣言の解除が進んでいる。先ほど、首都圏と北海道も解除された。 ただし、解除翌日に「人の動きが元通り」になることはない。「緊急事態」ではなくなったかもしれないが「感染リスク」が「ゼロ」になるわけではないからだ。1918年のスペイン風邪は「第二波」が致死率10倍となって世界中で猛威を奮った歴史を振り返ると、まったく安心できない。 さて「緊急事態宣言」が解除されると、今までの「当たり前」に幾分か戻りつつも、大幅に見直す必

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          気候変動withコロナ 経済のグリーンリカバリーと生態系との共生

          いよいよ日本国内でも新型コロナウイルスは「収束」に向けた空気感となってきている。4月11日に1日の最多感染者数743人が確認されて以降、着実にピークアウトしており、5月14日には政府によって39県における緊急事態宣言の解除が発表された。引き続き東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、京都、兵庫、北海道では8都道府県では緊急事態宣言下の地域だが、報告される感染者数と死者数の数字は落ち着き始めている。 しかし、世界全体では感染者数489万人、死者数32万人となり、しばらく毎日9万人前後

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          場がつくれない今、場について考える。

          コロナのおかげで変わってしまったことはたくさんある。その中でも「人が集まる場」をつくれなくなってしまったことは大きな事件だ。生まれてこの方「集まってはいけません」という指示が出たこともなければ、従ったこともない。だけど、いまはそうせざるを得ない。 リアルな空間に集まれなくなり、オンラインの会話が中心になったことでこれまで享受していた「当たり前」に気づくことは多い。画面越しの会話では言葉以上の微妙なニュアンスを汲み取ることは難しく、人間関係を深めることも難しい。コミュニケ

          場がつくれない今、場について考える。

          『気候変動後の都市』:サステナブルな未来のための100のアイデア vol.9

          『サステナブルな未来のための100のアイデア(通称:サス100)』は、NPOグリーンズの植原正太郎が自学自習のために更新していくサステナビリティ探究マガジンです。 昨月、友人のオススメで東京ミッドタウンで開催されている「未来と芸術展」に足を運んできました。 「AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」「豊かさとは何か、人間とは何か、生命とは何か」という深遠な問いに対してアートやテクノロジーの側面から考察できる展示企画でした。 特にセクション1の「都市の新

          『気候変動後の都市』:サステナブルな未来のための100のアイデア vol.9