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ヒンメリの世界

光のモビールとも呼ばれるフィンランドの伝統装飾、ヒンメリ細工。麦わらを一本の糸で繋げて作る。ヒンメリ(Himmeli)はスウェーデン語で「天」という意味。フィンランドの伝統的な装飾なのに、なぜ語源はスウェーデン?と気になって色々調べてみたけれどそこまでの詳細が記されたものを見つけられていない。たぶん、フィンランドがスウェーデン領だったころにこの装飾の名前がついたのかな、という程度の推測で良しとしよう。

トップの写真は、ライ麦の麦わら。
色が緑だとネギみたいじゃない?ネギじゃないよ!刻まないよ!
この色から、だんだんと黄金色に変化していくそうだ。

ヒンメリを教えてくれた先生が、種をまいて育てて収穫して天日干ししてカットして分けてくださった大事な麦わら。

これらを作りたい形の長さに合わせてカットして、糸で一筆書きみたいに繋いでいく。
こんな感じで初めて作ろうとしている形は基本の正八面体。それを3つ重ねてみる。

好きな音楽を聴きながら、黙々と手を動かす時間。肩は凝るけど、楽しくて夢中になってしまう。どことどこを繋ぎ合わせたらどんな形になるのか、って、もっと難しい形を作る人は数学みたいな問題を考えながら作るのだろう。

基本形の正八面体を3つ重ねたもの、完成。
すごくうれしい。
私のファーストヒンメリ。

これは3つ重ねているけれど、1つの正八面体は12本の藁を繋ぎ合わせて作る。
その12に意味があって、フィンランドの人たちは12ヶ月、つまり1年を無事に平和に過ごせますようにという祈りをこめてこれを作って飾るのだ、という話を聞いた。

祭りとかで賑やかに行われる祈りもいいものだとは思うけれど、私はこういう静かで丁寧な祈りに惹かれる。

今はクリスマスの装飾として飾られていることも多いらしい。

実際、去年のクリスマスシーズンになぜか虎ノ門ヒルズの一階にヒンメリをオーナメントにしたツリーが置いてあった。

ドラちゃん...
ヒンメリと松ぼっくりだね。

これは自然な麦ではなくて、何かストロー状の素材で作られていて、これはこれで都会のクリスマスには映えてるのだろうけれど…
私はやっぱり素朴な自然の色合いや、ひとつひとつ大事にゆっくり作られている昔からの伝統のものが好きだなあ。

ひとつめが完成して、もっとやりたくなって、ふたつめに星を作ることにした。正確には六芒星という形。
また麦をカットして糸で繋いでいく。

少し慣れてきて、あまり迷いなく進むことができた。とはいえ、数時間かかっている。
やった、完成!

夜にライトが当たるとその影も楽しみのうち。
正八面体は寝室側に吊るして、

星はリビング側に。

星は小ぶりだから、まだまだ展示できる。がんばらなくては。笑

ヒンメリを眺めていると、心がまるくあたたかくなって、落ち着く。
なんだか、家がより一層好きになったぞ。賃貸だけどね。

何かに夢中になると飲まず食わずで1日が過ぎてしまう。
おなかすいたー!
なんか食べよう!

きっとまた作るね。


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