LITTLE MAN BOOKS

LITTLE MAN BOOKSは、ふつうのこと、小さなこと、少ないことを大切にしなが…

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LITTLE MAN BOOKSは、ふつうのこと、小さなこと、少ないことを大切にしながら活動する出版プロジェクトです。 1冊の本を丁寧に作り、皆さまにお届けしていきます。 http://www.littlemanbooks.net

最近の記事

『このきのこ』おおうちもとひろ(きのこ回文作家)特別インタビュー

回文であるからこそ、逆にしたからこそ、次のアイデアが出てくるんです。 -------おおうちさんがきのこ回文を始められたきっかけは何だったんですか? Twitterで、きのこ回文が流行った時期があったんです。僕以外にも、いろいろな人が参加して。 -------きのこ回文が流行るなんてことがあるんですね! 一瞬ですよ。それが、きのこ回文を始めたきっかけですね。もともと『ニコリ』というパズル雑誌に載っている言葉遊びが好きだったこともあって、きのこ回文が流行ったとき「あ、こ

    • 『旅のコマんドー [アジア編]』たびコマさんインタビュー【後編】

      ネパール、インド、タイ、タジキスタン、中国、チベット…。 寝て、起きて、食べて、また寝て。 旅をしながら生きていく。旅をしながら考える。 『旅のコマんドー』作者のたびコマさんに話を聞いたロングインタビュー。 ここからは、単行本未収録の完結編です! 聞き手:大和田洋平(LITTLE MAN BOOKS) ●持ち物がないから、それだけ身が軽いのかなたびコマ:お金をため過ぎてしまうと、それはそれで面白くないのかなっていうのは思いますね。生活に緊張感がなくなるというか。お金がなさ

      • 『旅のコマんドー [アジア編]』たびコマさんインタビュー【中編】

        ネパール、インド、タイ、タジキスタン、中国、チベット…。 寝て、起きて、食べて、また寝て。 旅をしながら生きていく。旅をしながら考える。 『旅のコマんドー』作者のたびコマさんに話を聞いた、 ロングインタビュー中編です! 聞き手:大和田洋平(LITTLE MAN BOOKS) ●お金になるべく頼らない生活。それをやってると思うんですよねたびコマ:これまで、なるべく働かないように生きてきたんですよ。極力、自分の時間を自分が好きにコントロールできる時間を多く持ちたいっていう風に

        • 『旅のコマんドー [アジア編]』 たびコマさんインタビュー【前編】

          ネパール、インド、タイ、タジキスタン、中国、チベット…。 寝て、起きて、食べて、また寝て。 旅をしながら生きていく。旅をしながら考える。 『旅のコマんドー』作者のたびコマさんに話を聞いた、 ロングインタビュー前編です! 聞き手:大和田洋平(LITTLE MAN BOOKS) ●楽だからこそ、面白くないんですよね−−−−たびコマさんがこれまで一番行ってるのは、どの辺りですか? たびコマ:何回も行ってるのは、タイ、台湾とか。あと中国、インドですかね。 −−−−マンガを見て

        『このきのこ』おおうちもとひろ(きのこ回文作家)特別インタビュー

          『不思議の国』写真家 石黒健治インタビュー(後編)

          「日本のどこへ行っても、人の血のにじんでいない場所はない、ということは感じていました。」大和田:54ページの写真は、長崎で撮影されたものですよね。長崎の写真は、どういうシチュエーションで行かれたんですか? 石黒:長崎は、『不思議の国』の写真集、写真展のために行ったんですよ。 大和田:なぜ長崎に? 石黒:やっぱり長崎なんですよ、なぜか(笑)。理由を聞かれると、困るんですよね。出身は福井ですから、長崎には住んだこともない。1回か2回行ったことはありましたけど、それもずいぶん

          『不思議の国』写真家 石黒健治インタビュー(後編)

          『不思議の国』写真家 石黒健治インタビュー(中編)

          「淫乱の極みの、政治的不正も含めて、そういうソドム的状態っていうのは、今も変わりないと思っているんです。」大和田:例えば福島や獅子ヶ森のような無常感のある冷え切った写真と、それに対して人の熱気が濃厚にある、どこか祝祭的な写真。その両方が、この写真集の中には含まれていると思うんですね。 石黒:そう言ってもらうと、僕はものすごくうれしい。というのは、3.11の写真(53ページ)の前と後で写真を並べたときに、前の方に、人がいる写真を多く集めているんです。例えばこの写真(32ページ

          『不思議の国』写真家 石黒健治インタビュー(中編)

          『不思議の国』写真家 石黒健治インタビュー(前編)

          「意味とかなんかではなく、当然みたいな感じでした」大和田:石黒健治さんは、2016年に写真集『不思議の国 FAIRYLAND』(彩流社)を刊行されました。「石黒健治作品集3」とあるように、石黒さんの作品集としては、3番目ということになるわけです。その前の『ナチュラル-Oneness』が1992年ですから、かなりの期間が空いていることになりますね。その間、撮り続けた作品を写真集にまとめたいという思いはあったのでしょうか? 石黒:はい、あったんですけど、時々あって、時々立ち消

          『不思議の国』写真家 石黒健治インタビュー(前編)

          論考:石黒健治作品集3『不思議の国』と不可視のモデル

          1.「作家」と呼びうる人たち開始時刻に遅れて入ってきて最初に目に入ったのは、ギャラリーの入り口を入ってすぐ右側に掛かっていた、椿の花が半ば散り、地面に散乱している写真だったと記憶している。今となっては最初に見た写真が本当にそれであったのか定かではないが、少なくとも瞬間そこに目を引きつけられ、そして「死」という言葉を思い浮かべたのは間違いのない事実である。 ギャラリーでは石黒健治の挨拶が始まっていて、私は会場後方の折り畳み椅子に席を見つけ、前に座っていた知り合いに小さく声をか

          論考:石黒健治作品集3『不思議の国』と不可視のモデル

          中村治×田崎健太トークショー at 鳥取大学医学部附属病院 外来ギャラリー 2019年8月23日

          2019年8月13日(火)〜9月6日(金)の期間、鳥取大学医学部附属病院外来ギャラリーにて、中村治写真集「HOME 〜 Portraits of the Hakka」の写真展が開催されました。 こちらが、鳥取大学医学部附属病院です。 中村治さんが、同病院の広報誌「カニジル」の写真を撮影されているご縁で実現した今回の展示。作品32点が、外来・中央診療棟1階の長い廊下に並べて展示された光景は圧巻でした。 写真集のチラシも、置いていただいています! そして8月23日(金)に

          中村治×田崎健太トークショー at 鳥取大学医学部附属病院 外来ギャラリー 2019年8月23日

          「HOME Portraits of the Hakka」写真家 中村治インタビュー(後編)

          写真家中村治による写真集「HOME Portraits of the Hakka」の刊行にあたり、今回の写真集の見どころについて、中村さんご自身にお話を聞いてきました。インタビュー後半では、そもそも「客家」という存在をどのように捉えればよいのか、そしてまた私たちの心の中にある「HOME」の意味、表紙のおばあちゃんを撮影した際のエピソード、さらには「過去は今にしかない」という写真の本質へと迫ります。写真集を隣に置いて、どうぞ気軽にお読みください。(本編に掲載されている写真は、2

          「HOME Portraits of the Hakka」写真家 中村治インタビュー(後編)

          「HOME Portraits of the Hakka」写真家 中村治インタビュー(前編)

          写真家中村治による写真集「HOME Portraits of the Hakka」の刊行にあたり、今回の写真集の見どころについて、中村さんご自身にお話を聞いてきました。インタビュー前半では、写真集の被写体である客家(はっか)と彼らの住居である「客家土楼(はっかどろう)」について、詳しく語っていただきます。写真集を隣に置いて、どうぞ気軽にお読みください。(本編に掲載されている写真は、2006年、2007年、2008年、2019年に撮影されたものです) 客家とはどのような存在

          「HOME Portraits of the Hakka」写真家 中村治インタビュー(前編)