【ユキコさんの生活】不倫とぷるもちわらび

2019年6月19日(水)12:11

「あーもーショックやー」
松原さんがコンビニから帰るなりガックシしている。
豊「松原さんどうしたん?」
松「いつも買ってたぷるもちわらび、今日売ってへんかってん」


ユ「ああ、あの大福みたいなやつ?」
松「そう!けどあれ大福やないねん、もちの部分がぷるっぷるのわらび餅で、しかもミルクの味しててさ、中には甘い生クリーム入っててほんまめっちゃ美味しかってん!」
枚「松原さん甘党ですよね〜」
松「あかんの?」
枚「ダメなんて言ってないですよ〜!ただ太っちゃいますよ⭐️」
松「それ私に言う?」
豊「あれってファミマやんね?」
松「そうそう、ミルキーみたいな味で美味しかってん」
ユ「帰りに駅の方のファミマ寄ってみたら?」
松「うん、そうする。」

そう言うと松原さんは立ち上がり、会議室のドアを閉める。

松「こうなったらリカちゃん、全部聞くで」

ユキコさんは枚方さんの不倫について、松原さんが糾弾を始めるのだと思い青ざめる。
そこまでしなくていいのに。
まさか、わらび餅がないストレスがこんな事になるなんて。

チラッと豊中さんを見ると、無表情を装っているが目は好奇心で輝いている。

松原さんが席に戻り、買ってきたタルタルチキンカツ弁当を開けながら話し出す。

松「で、どうなってんの?」

ユキコさんは始まった、と緊張するが、豊中さんを見ると好奇心が隠せない表情になっていた。
まさか、豊中さんがこんな人だとは。

枚「もうどっぷり、ダメです。」

枚方さん、なぜ不倫なのにそんなに堂々と言えるの、少し不思議ちゃんだったけど、そういう所はしっかりしていると思っていたのに、とユキコさんは驚く。
一方豊中さんは目を一層好奇心でキラキラさせていた。

松「えぇそうなんや、あかんやろ。」
枚「もう手遅れですね。」

ユキコさんは手遅れの一言で暗い気持ちになる。

松「いつからなん?」
枚「先月ぐらいからですね。」
豊「どっちからいったん?」

豊中さんの発言にユキコさんはドキッとする。
まさか豊中さんまで追求を始めるなんて。

枚「女の方みたいです、かなり押したみたいですよ。」
松「そうやんな〜、やって絶対課長のタイプちゃうもん。」
豊「そうそう、見た目は華奢な細身で確かにタイプかもしらんけど、中身がなぁ〜。」

ユキコさんは違和感を感じる。

枚「もう凄かったみたいです、メールで出張先で、課長押し切られたんじゃないかな。」
松「あの課長がぁ?」
豊「いやあるで、やって振ったら今度何言い出すか分からんやん。」
松「そっか、セクハラーとか?」
豊「そうそう、飲みに行ったりLINEしてたりしたら、グレーなんちゃう?」

ユキコさんは話についていけず、声をあげる。

ユ「ごめん、課長の相手って誰なん?」

3人がユキコさんの方に振り向く。

豊「そっか、ツキモトさん知らんのか!」
松「聞いたらびっくりやで。」

枚方さんが天海祐希みたいな表情でユキコさんに告げる。

枚「三宮さんですよ。」

え?三宮さん?
人間、驚くと映画やドラマのような反応は出来ないものだ。

ユ「え?え?」
松「な、全然タイプ違うやろ。」
豊「そうそう、課長って明るいバリキャリみたいなハキハキテキパキしてるのがタイプやんね~。」
そう言いながら豊中さんは課長のドンピシャに近い枚方さんを見やる。
松「わかる、私もりかちゃん危ないって思ってた。」
豊「ごめんやで。」
枚「いいですよいいですよ、多分三宮さんが私をお昼に誘ってきたのもそれが原因だと思うんで。」
ユ「どういう事?」
枚方さんの表情がまた天海祐希みたいになるけど、可愛らしいベビーフェイスでは決まらない。
枚「多分、牽制したかったんだと思います。」
豊「なるほど、私が今の課長の相手なんだから、お前は手を出すなよ、と。」
枚「はい、だからいっつも惚気ばっかり聞かされるんですよね。あんな事してもらったとか、どこに連れて行ってもらったとか。」
松「ええ、三宮さん惚気んや。」
枚「あえてじゃないかな。」
ユ「意外と強かなんかな。」
枚「三宮さんも女性ですから。」

こうしてお昼休みは過ぎてゆく。

ユキコさんは一人、自分の勘違いに気づき、少し落ち込む。
思い込みって怖いと思った所だったのに。


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