沖縄のキャラメル

高校で同じ美術部に所属していて結構仲の良かった人と「貸した金を返してくれなかった」という理由で縁を切ったことがあります。

まだソイツと縁を切る前、書くとややこしくなるので割愛しますが、なんやかんやあってソイツの当時の彼女さんからLINEの友達追加をされました。
最初はソイツに関する愚痴を永遠に聞かされていたのですが、聞いてて最高に気持ち悪くて面白かったので嫌な気は一つもしませんでした。
縁を切っていなかったので、心の中では「金、全然返さないなこいつ、カスじゃん、ウザッ」と思っていても、感情を殺して、普通の顔をして一緒に飯を食いに行ったり部活をしたり喋ったり帰ったりしていました。
その間、LINEのやりとりを思い出して笑ってしまいそうでキツかったです。
愚痴のLINEだったものが次第に「同じ塾の同級生に気になる人がいる」という相談に変わってきました。
それでややこしいのは、ソイツと彼女さんも同じ塾に通っていたことです。
「ソイツと別れてから別の塾の人と付き合うのは厄介なことになりそうなんですけどどうしたらいいですかね」って内容を一生懸命考えました。
変な脳の使い方でした。
俺、彼女いたことないのに。

結局、ソイツと彼女さんは別れたらしいです。
彼女さんから「最後、結構な長電話になってめんどくさかったです」というLINEが来たのですが、その文言だけで白飯3杯は食えました。
機種変をした時にトークの履歴が消えちゃったのが、本当にもったいないです。

時間が少し遡りますが、高2の春頃、ソイツが僕に「Zenly入れて」と言ってきました。
で、ソイツの彼女さんとLINEのやりとりをしているうちにそれを彼女さんにも入れさせてるという事実がわかりました。
今考えると訳わからないですけど、僕と彼女さんも何故かZenlyを交換しました。
夜に試しに開いてみると、確かに同じ塾に通ってるんです。

で、一番意味わからなかったのは「別れた」と聞いた後なのにマップのソイツの家の上でソイツと彼女さんのアイコンが重なってたことです。

まあ、どっちもどっちですよね。
似たもの同士って感じで、大変お似合いだと思います。笑。

謎の恋愛相談が終わり、そこから雑談がだらだら続くようになりました。
返信の間隔お互い4日くらいでだらだらと。

彼女さんは1つ下の学年だったのですが、途中で修学旅行の話になりました。
「どこ行くんですか?」と聞かれて「沖縄です」と答えると、「ここのお店おすすめです」とキャラメル屋さんを紹介してくれました。

キャラメルええやんええやん、と純粋に思ったので班行動の時に友達を誘って行くことにしました。
おすすめしてもらった手前、「買っていくべきだよな….」と思ったので2缶ほど生キャラメルをお土産として購入しました。

「せっかくなので買ってきたんですけど、学校帰りとか一瞬空いてますか?」とお聞きしました。
で、自分から聞いた手前申し訳ないのですが、修学旅行後は予餞会(高3の受験激励会的な)で流す動画を制作をしなくてはいけなくて、放課後は学校中を駆けずり回っていました。
先生と話し合ったり、生徒会や実行委員の人と会議をしたり、動画を撮影したり、台本を書いたり、式のプログラムや演出をみんなと考えたり、動画の編集をしたり。
学校を抜けられるの時間がマジで一瞬しかなかったので、「最寄りの駅に着いたのを教えてくださったら渡しに走って行きます」と説明させてもらったのですが、雑談する中で状況を察してくれたのか、「終わるまで待ってますよ」と言ってくださいました。
LINEのやりとりの感じから、17時ごろにはすでに駅にいる様子でした。
「いや、寒い中で駅で待たせるの悪いので行きます」と言っても「いや、待ちますよ」と返してくださいました。
結局、19時になっても全然帰れそうになかったので「多分、20時過ぎても帰れそうにないんですけど、もう本当に申し訳ないので渡しに行かせてください」と連絡すると、「じゃあ、校門まで受け取りに行きます」と返事が来ました。

2時間も駅で待たせた挙句に校門まで来させた、というのが申し訳なさすぎました。

結局学校を出れたのは21時前だったので、最後に折れてくださって本当に良かったです。
4時間も待たせていたら、もう申し訳なさで死んでしまっていたと思います。

キャラメルを渡した後、忙しすぎて全くLINEを見れなかったのですが、帰りの電車で開いたらめちゃくちゃ長文のLINEが入っていました。
「そんなに申し訳ないって言わなくていいですよ」「キャラメル本当にありがとうございました」みたいな内容でした。
気遣いの神かと思いました。

その後ものらりくらりLINEが続き、「文化祭行ったんですけど最高でした」→「受験頑張ってください」→「受験の相談」みたいな感じで続きました。

結局、僕が彼女さんからのLINEへの返事を考えているうちにその存在を忘却してしまい、気がついた時には手遅れで、今は僕が既読無視をした状態でLINEが終わっています。


そういえばですけど、結構序盤で「敬語やめません?」と言われて「全然いいですよ。たまに出ちゃったらごめんなさい」と言ったっきり、永遠に敬語を使っていました。
バカリズムさんも言っていたのですが、敬語からタメ口へ移行するグラデーションが死ぬほど恥ずかしいので敬語のままになってしまいました。

話の流れで好きなアーティストの話になり、彼女さんからMrs. GREEN APPLEをオススメされました。
普通に好きになって、今でもめちゃくちゃ聞いてます。
「CHEERS」が特にお気に入りです。

当時の僕はおそらく音楽を全然聴かない人だったので、なにをおすすめ仕返したのかは全く覚えてないです。




不意に、自分のエンタメの守備範囲が広がっていることに驚く時があります。
16歳くらいまでの自分が摂取したエンタメの50倍くらいを17-20歳で摂取している気がします。

#241  沖縄のキャラメル

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