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恋愛偏差値低いわたしが結婚できた理由

「あ〜もう恋愛わからん!めんどくさい!結婚したいけど恋愛したくないぃぃ。」
天を仰ぎながらそう嘆いた1週間後、
わたしは本当に恋愛期間ゼロで結婚することになった。


これは、荷台夫婦の馴れ初めのようなもの。
嫁側から見たストーリー。

わたしたちの馴れ初めなんて誰が興味あるんじゃいとつっこみたくなりますが、
結婚してからまだ日が浅い今、
これから先に起きる様々な濃い思い出に紛れて忘れてしまわないように、
ここに記したいと思います。


2人の出会いは2016年の5月9日。
わたしの31歳の誕生日だった。

自分の望む世界を生きようと決心し、
学びのために長野県安曇野にあるシャロムヒュッテの住み込みスタッフをするために訪れた最初の日。


玄関に立ち、はじめましての挨拶をしていると、奥から細長い人がぬぼーっとでてきてペコリと無表情で挨拶をしてきた。
後の夫である。

「無愛想な人だな」
これがわたしの第一印象。

あとになって分かるが、その頃の彼は自分に自信がなかった時期だったのと、
彼もシャロムヒュッテに来たばかりでまだ猫を被っていたそうだ。

イマイチな出会いだったがその後すぐに意気投合。
スタッフみんなでお出かけした帰り道の車の中、みんなは後ろの座席で眠っていた。
運転しているしうんと助手席のわたしで
育った家庭のことや、過去の恋愛の話をした。
状況は違えど似ている感覚があり仲良くなった。

その後わたしたちは一年以上に渡り、
なんでも話せる良き相棒として友情を育むのである。



息がぴったりでよく2人で居たこともあり、
「2人は付き合ってるの?」
「お似合いだよね」と周りの人に本当によく言われたが当の本人たちはトンチンカンであった。このときはまだ気づいていない、お鈍ちゃんのわたしたち。


当時、わたしは恋愛をこじらせていた。
惚れやすいくせに本当に好きな人には素直になれない、恋愛偏差値の低いわたしは「もう中途半端にモテるのめんどくせぇ!」となり、
胸くらいまであったロングヘアにバリカンを入れ、丸坊主にした。
それくらい大迷走していた。
その実験は「坊主の女」というハードルを越えたマニアックな人だけからモテるという謎の結果を生み出した。いい実験だった。


そんなこんなで、しうんとは家族のような関係が続く中、去年の夏に異変が起きた。


5月にわたしが先にシャロムヒュッテを離れてから、しうんの様子がおかしくなった。

2人でシャロムヒュッテの運営に燃えたぎっていた中で突然わたしが辞めた。
これからは自分ひとりで頑張らねばと思えば思うほど、気力がなくなりうつ状態になってしまった。

「かおりロス」である。

うつ状態の彼は、業務をすることもその場に居ることもできず逃げ惑うように失踪を繰り返した。

携帯もつながらず、どこにいるかもわからずスタッフたちが心配する日々が続いた。

わたしはあまり心配していなかった。
彼のことだからきっと大きな学びを得て浮上してくるだろうと信じていた。
信じていたし、寂しくなかったはずなのに、
ひとりで山を眺めていると、なぜかとても不安な気持ちになった。

こんなときはしうんに話したら元気になるのに、居ない。
そう思ったら涙がでた。驚いた。
今思えば前兆だったのかもしれない。


坊主だった髪がショートヘアに伸びたころ、
わたしには好きな人が居た。
だけどその先に進む確信が持てなかった。
そのことを仲間たちに相談しているときに発した言葉が、冒頭の言葉である。


「あ〜もう恋愛わからん!めんどくさい!結婚したいけど恋愛したくないぃぃ。」


言霊ってすごい。


その頃、失踪中のしうんをわたしは2度も偶然に確保している。
探してもいないのに導かれるようにしうんがいる場所にわたしが行ってしまうのだ。
お互いが無意識に求めていたからかもしれないと後になってから思った。

偶然会うたびによく話し、しうんは少しずつ元気を取り戻しつつあった。


製作中だったトラックキャンパーがほぼ完成したころ、2人でその中でビールを飲んでいた。


最近考えていることをお互い話している中で
「わたしたちはクズである」
という一つの答えが出てきた。


感情のコントロールができない。
自分がやりたいこと以外は継続できない。
恋愛うまくできない。
面倒くさがり。
できないものはとにかくできない。


だけど、しょうがないよね。これが自分だし。
クズとして胸を張って生きて行こうよと笑いながら話した。
いつも通り友達として。
だったはずが、、、


しうん「おれ、結婚するなら〇〇ちゃんか、かおりちゃんだと思うんだ。」
(当時しうんには片思いしている人がいました)

しうん「〇〇ちゃんと結婚したら、彼女に合わせて就職したりするつもりだったけど、よく考えたらおれ多分無理だわ。またキャパオーバーで病んじゃう。笑
かおりちゃんとだったらそのままの自分で一緒に楽しく生きていけると思うんだけど、かおりちゃんはどう思う?」


かおり「そうやねー、、、。わたしもまあまあのクズで変人やし、多分ふつうの人だと手に負えないと思うんやってね。これまでがそうやったし。
だけど何となくしうんなら手に負えるじゃないかと思う。こんなわたしやけど受け入れられる?」

しうん「え、いいよ?」

かおり「じゃ、結婚する?」


🌟👰💐🤵🌟


というまさかの流れになり
交際0日でわたしたち結婚しました。
荷台夫婦の誕生です。


家族関係も友情関係も良好なのに、恋愛だけが極端に下手くそだったわたし。
まわりの友達はなんでそんな上手にできるんだろう。
わたしはもしかしたら結婚できないんじゃないか?と不安になる時期もあった。
結婚てゆう契約システムなんてクソ喰らえだ!と強がった時期もあった。

だけど愛する人と一生を共にするというプロセスはとても大きな学びになるはず。
この実験はぜひやってみたい。
やっぱり結婚する!諦めないぞ!と自分を励ますものの、どうしていいかわからず空回りしていた。


そんな中わたしが結婚できたのは、
わたしの恋愛的な感情が決めたのではなく
見えないけれど存在している何かによって決められたような気がします。


気合い入れて力んでいた肩をふっと緩めたとき。
そのままの自分に目を向けられるようになったとき。
望みはカタチとなってわたしの手に舞い降りてきました。


怒涛の流れだった去年から明けて一ヶ月が経ちましたが、
未だにたまにこのミラクルな現状に不思議な気持ちになります。

だけど人生ってそんなもの。
コントみたいなもの。


これからのわたしの人生コントも面白く展開していけるように、
前兆をちゃんとキャッチできるように、
いつもそのままの自分で目の前のことを見つめていきたい。


生きる実験は続く