【覚書き】『応用行動分析学』島宗理著


この記事は、とあるところで行われた読書会で出たおはなしのまとめです。

タイトルの通り覚書きのため、地の文はありません。

応用行動分析学 ヒューマンサービスを改善する行動科学(島宗理)

https://www.amazon.co.jp//dp/4788516225/

●(p14〜)
科学的根拠に基づいた医学はこれだけの発展をしてきた。行動分析学などのヒューマンサービスがこれから普及していくには「科学的根拠に基づいた」とう部分が欠かせない。
そのための「科学的根拠」に焦点をあててこの本は書かれている。
(記録法などが詳しく書かれている点、行動の諸法則よりも記録法、研究法が先に掲載されている点について)


●(p286〜)
合気道のコーチング手法について面白いと感じた。
自分が介入するならモデル提示だろうと思いついたが本書ではあまり効果がなかったとされており、最終的には一番遠回りのように見える、1つ1つの行動を強化していくやり方が一番効果的であるとのことだった。


●Q.インターバル記録法と基準変化法の違いとは?
インターバル記録法は、標的行動をやったやらないがはっきりわかりづらい継続的な行動を記録する際に使える方法。
本書では「サッカーでボールを保持している時間」のような例が挙げあられている。
一方、基準変化法は、例えばボールを保持している時間の目標時間をだんだんを挙げていって最終的に到達したい時間数に近づけていくときの、目標値を少しずつ変化させていく方法のこと。


●「家計簿をつける」の記録の仕方について
1回単発の行動で、やったやらないがはっきりわかるので、丸ばつでの記録がいいだろう。
基準変化法を用いるなら、標的行動の「リスト」を準備し、そのリストの達成数に対して基準変化法を用いることができるのではないか。
例)
1、机に座る
2、家計簿を開く
3、レシートを手元におく
4、計算機を手元におく
5、・・・   などなど
例えば全10項目になったとして、介入前は平均5項目に丸がついているなら、まず目標を6か7にする。
6または7が達成できてきたら、また目標を上げて、8にする、などの流れ。


●Q.従属変数と独立変数とは?(p49〜)
例えば、「勉強した時間」が独立変数で、「テストの点数」が従属変数、のような感じ。
例えば野球で。「スイングスピード」が独立変数で、「ホームラン数」が従属変数。
例えば、「筋トレ回数」「素振り回数」が独立変数で、「スイングスピード」が従属変数。
標的行動(従属変数)に対して、弁別刺激なども独立変数になる。


●独立変数の記録の重要性について
従属変数たる標的行動の記録も大事だが、同時に、関わる独立変数の記録も行うことがとても重要ではないか。
例えばダイエットのような、欲しい結果が、介入に対して遅延して現れる場合の関係性を見つけるためには重要だろう。
(この記録方法には名前はないのか?)


●素人が介入するのは危険?
奥田健次先生の著書ではよく「素人が介入するのは危険。医者が薬を処方することと同じ」と書かれることがある。
では、私たちのような自学者が介入することは危険なのか?
→初学者向けの本を読んで強化弱化のことだけを知った者が、弱化の副作用なども知らずに安易に弱化に走ることを危険と言っているのではないか。


●この本はバイブルとして使える
ワードマップ、とあるように、用語辞典のようにも使えるし、介入時のアイデアの引き出しとしても使える


●Q.行動分析学は「研究法と同じ手法が実戦でもそのまま使える」とあるがどういう意味か?
一般的な心理学などの場合、実験群と一般群の2群に分けて統計を取ることがある。
この場合、いわゆる”一般的”あるいは”大局的”な傾向はつかめても、目の前にいるAさんにも同じことが言えるかどうかがわからない。
あるいは、ヒアリングなどの手法を使う場合、実験場面と実生活場面では異なる回答をするかもしれない。
一方、行動分析学はシングルケースデザインであるため、一人一人の問題解決に寄与できる。逆に言えば、一度に大局を見ることには向かない学問と言えるかもしれない。


●Q.インターバル記録法はどんな時に使えるだろうか?
継続的に行うことが望ましい行動を記録する際に有効だろう。
なるべく長く行うことが望ましい場合など。
例えば、児童が席につくことができるとか、勉強することができるとか。
あるいはサラリーマンがずっと仕事に集中していられるとか。


以上

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