私は髪を染めたことがない。
ピアスホールも空いてない。
タトゥーも入れたことがない。

最初の二つは大学生にもなると全く珍しいものじゃなくなるわけだけど、私は一生変わらなくていいかもな、なんて思ってた。

「これ！」といった一つの理由はないけど
そもそも容姿が良くない自分を着飾ることに意味を見出せなかったり、手を加えていない自然のままでいることの方が珍しいからそうあろうと思ったり。
あとは、校則から解放され周りの空気に流されなんとなく髪を染める集団(同世代の人たち)に対する、お金かけて髪を傷めるのになぜ「もう大学生だから」みたいなよくわからない動機なの？別にこだわりもないのに染めるの？あなたは何色が好きなの？などと反逆精神を持ってたな。あ、NMB48の「絶滅黒髪少女」という歌をテレビで観て妙に惹かれた記憶もある。
まとめると、自信のなさとひねくれた自己主張。(シンプルに黒髪の人が男女問わず好きというのもある)

そんな私の凝り固まった価値観が揺らぎ始めたのは
BTSとの出会いがきっかけで。

今思えば、私に起こるいろいろな変化はいつも
好きな人ができた時だった。

ギターを始め、作詞作曲を始め、左でお箸を使うようになる(私は右利き)という染まりまくりの推し方をしたこともあったし、人に優しく柔軟であろうと心がけたこともあったし、英語を話せるようになろうと英語学習アプリに課金したこともある。
夢中なとき真似して終わるんじゃなく、どれも未だに現在進行形だから、続いてるだけマシかなあとは思うのだけど、私が私の中の何かで起こす変化ってあんまり思い出せないなあ。

でも人って、そんなもんなのかもしれない。

1人で生きている人なんていないし
人と関わらなければ見方を変えるのも難しい。
逆に言えば、
人はいつも誰かがいて生きられていて
そんな誰かと関われば、自分以外の見方を知れる。

BTSが私に与えてくれた変化は沢山沢山あるのだけど、その一つが、容姿への考え方。

ヘアカラーやピアスは、彼らが楽しんでいる部分もあれど、職業柄ビジュアルの変化も大切だし、私が彼らのそれに精神的なものを見出すことはそこまでしていなくて、ただただ素敵だな〜と思った。可愛いし、かっこいいし、ワクワクする。私も楽しみたくなった。クオズのキキララ期大好き。

タトゥーは、そもそも私に無縁なだけではなく、私の周囲とも無縁のものだったし、これからもそうだと思っていた(というより、考えたことすらなかった)
別世界を生きる人たちのものだった。
それなのに、気づいたら私の世界に、一つの表現として、タトゥーがあった。

初めは、ジョングクさんのタトゥー。
私が彼らを認知したときすでに、しっかり刻まれていた。
それに関して当時は、好きも嫌いもないというか(そんなこと言う資格誰にもないのだけど)、派手だな〜という印象で。
だけど、色んな映像を見ていたら彼がまだ子どもだった頃「タトゥーを入れてみたい」とキラキラした瞳で語っているのを見つけた。
彼の憧れのアーティストが、タトゥーを入れていることを知った。
彼がどんな人なのかを少しずつだけど知るようになって、きっと何かしらの意味があってやっていることなんだろうとも思った。

だんだん私の中で、タトゥーを入れるということをその過程も含めて意識するようになった。

その次は、ジミンさんのタトゥー。
いつだったか、13と手首に刻まれているのを知った。
他にも、簡単には見えないところにいくつかあることを知った。

込められた想いは本人の口から語られない限り憶測で話せないから書けないけど
少なくとも、無意味なものでないことはわかる。
言葉なんて特にそう。

とても惹かれた。

わたしにとってタトゥーは、チャラいとか、ヤクザとか、そういうイメージだった。『蛇にピアス』という映画の印象もかなり強かった。
本当に無知だった。

だけど好きな服を纏うように、アクセサリーを纏うように、好きな本を本棚のよく目立つところに飾るように、好きな歌をSNSに投稿するように、自分を表現する一つの方法でもあるのかもしれないと思った。

私は自己表現が好きだ。
難しいからあまり開示しなかったりするけど
面倒がられるのが嫌だから諦めたりもするけど
私の好きな音楽を、好きにならなくていいから知ってほしいと思ってしまうし
誰かに私をわかってほしいと思ってしまう。

そんな私には、身体に、簡単には消せない仕方で
私自身を表すような何かや、私が私を励ますような何かを刻めたらとても良いなあと
タトゥーが一気に魅力的に見えてきた。

きっとおばあちゃんはとんでもなく嫌がるだろう。
私はおばあちゃんっ子で、小さい頃からずーっと毎日毎日一緒に生活してるから、悲しませたくない。
おばあちゃんには、私をわかってほしいよりも、ただ幸せでいてほしい。
最愛の人を失った悲しみを、涙も見せず一人で抱えているだろうから、せめて残りの人生は、私がいて心強いと思ってほしい。楽しく過ごしてほしい。
だから見せないと思う。

お母さんも、良くは思わないだろうなあ。
ジミンさんのことが好きだし、ジョングクさんのこともかっこいいと言ってるし、全否定はしないだろうけど、いざ娘がとなると、喜ぶような人ではないなあ。

妹はどうだろう。ジョングクさんのことが好きだけど、笑うかもな。私がそんなことするの？って、笑うだろうな。まあなんでもいいです。(不仲…？笑)

お父さんは読めないなあ。20年間ずっと、ほとんど怒られたことないけど、怒るのかなあ。怒らなければ、そっけない感じでちょっとニヤニヤしながら反応に困るんだろうな。本音は言ってくれなさそうだ。

私は家族がとても好きだけど、家族には見せていない側面が沢山あって、時々そこに気づかれると驚かれてしまう。

たとえば中3のとき、受験で必要な自己申告書の文章に部活で部長をやってて感じたことなどを書いた。それを読んで母は泣いた。「こんなにいろんなことを思ってたんだね」って。
たとえば高3のとき、推薦で人より早く受験を終わらせた自分がどんどん賢くなる周りに置いてかれちゃう気がして、何も成長しないのは嫌で、ネットで見つけた詩の公募に応募してみた。(方向性間違ってるね、勉強しなよね)
受かっちゃって、郵便物が届いてバレた。めちゃくちゃびっくりされて騒がれた。

私がこんなに表現することが好きだなんて、家族は知らない。めっちゃ隠してるとかじゃないから、感じてるかもしれないけど。
知られたいようで、知られたくないから、このまま、自然のままでいい。
だけど、知られて、悲しませるようなことは嫌だ。

だから、いつかもっと、自分で自分がどうありたいかに確信を持てたとき、人に何を言われても揺らがなくなったとき、タトゥーを入れようと思ってる。もしくは、人に何か言われて揺らがない強さを持つために、入れようと思ってる。

でもこう思った瞬間頭をよぎる。　
ユンギさんの、「いつか慈善事業をしたい、そのときの印象が良くないかもしれない」って自分の信念のために入れない選択肢もあるんだなあってこと。
とても考えさせられる。

「人のために」という考えがまだ私にはしっくりこなくて、いつも自分のために生きてる。私が好きな道を歩いてたいし、嫌いな人とはその道で交わりたくない。その一方で、ひとりでいる時以外は人のことを考えてしまうし、目の前にいる人が辛くないか気になる。でもこれも、私が辛い人を見るのが辛いから、そうならないように助けたいだけなのかもしれない。自分のために生きることは、誰かに自分のことで責任を負わせたときに申し訳なく思われるのが面倒だから、みたいなややこしい理由のようにも思う。
でも私がBTSに出会って変わったように、これまでも色々変わってきたように、これからどうなるかはわからない。


人の力になる方法っていくらでもあって、ボランティアに行くのか、アルバイトをするのか、募金をするのか、物資を送るのか、本当に色々だと思う。
SNSの呟きみたいな本当に些細なことでも、どこかの誰かにとって大きな救いになることがきっとあるんだと思う。
その中で何を選択するかは自分次第。だって困ってる人全員を助けることなんて誰にもできないから。悔しいけど、常に全ての人を思うなんてできないんだ。　

今自分のために生きてる私が、もし人の力になりたいと思ったら、どんな選択をするんだろう。どんな選択ができる状態にあるんだろう。わからないから、迷っちゃうなあ。
迷ってるってことは、まだぐらぐらで、揺らいでるんだ。こうできるような自分になっていよう、と言えないんだ。自分の在り方に確信を持てていないんだ。まだなんだ。

だったら、私にとってタトゥーはただのオシャレにはならないんだし、ちゃんと考えて、定まってからにしよう。(話逸れすぎてタトゥーの話してること忘れかけてましたねㅎㅎㅎ)
焦らないようにしよう。

ナムさんも言ってた。「人生は速度じゃなくて方向」だから。この言葉は私の救いだ。ゆっくりでも、ちゃんとどの道に進もうか考えればいい。
それを間違えなければ、きっと目指す場所へ近づける。間違えても、ちゃんと考えてればどうにでもなる。

そうやってたどり着いた先でなのか、たどり着くためになのか、どっちかわからないけど、私は私に、大切な言葉を刻みたい。何を刻むのかだって、これから何を見て、何を感じて、何を求めるかで変わるんだろう。刻まないという選択に辿り着いてもいい。そもそもこんなに考えるべきことなのかな。みんなもっと気軽にやってたりするのかな。でも考えちゃうんだから仕方ないよな。今はまだ、自分を探す時間を生きてるんだ。

というわけで(というわけで？)
なんだか私の気持ちにぴったりすぎる歌を大好きなバンドが最近発表してくれたのでリンク貼って終わります〜とても穏やかな曲です。グッナイ🌗