万作しろの女声遍歴 part2

おはようからこんばんはまで、目を通していただいてありがとうございます。

前回までのあらすじ
ニコニコ動画の歌ってみたで女声というものを知ったボクは、ただ何となく出来たら楽しそうという軽い思い出始めてしまう!
その道は険しく、見つけた4種類の方法のうちの囁き声アプローチの感覚が分かり始めるのに2か月もの時間がかかったのである!

今回はその続きからになります。


モチベーションの維持

何をするにしても大事なのは、継続することだと思っています。
継続は力なりといいますからね。

女声の練習って、要するに喉の筋肉を鍛えていくことです。
新しい動かし方を覚えて、繰り返して使うことでさらに強くなっていく。
感覚的に進んでいくのはそうなんですが、実際してるのは筋トレということになる、と個人的には捉えています。

では継続するためにはどんなことが必要なのかというと?
楽しんでやること、段階的にステップアップして達成感を得ること、共通の趣味を持つ仲間を作ってともに切磋琢磨すること…など、色々あると思います。

ですが、女声をするにあたってボクが一番重要だと感じたのは精神的に女の子になって声を出すこと。

女声の練習をしていてやる気が下がる、モチベーションが維持できない…という人の多くは、内面から女の子になり切れていないのではないかと思うのです。
もちろんこれはある程度の声質があることが前提にはなるのですが、基礎的な発声の練習などを日々しっかりとしていれば声が全然変わらない、なんてことはほぼないと思いますし、もしそうならやり方が間違っていると思います。

ボクはもともと声真似だったり、自分ではない何かになって振る舞うことを遊びでしていたので、自然とそこは出来てたと思います。

想像するのは、自分がなりたい憧れの女の子。
その子ならこういう思考回路をしているから、こういうときはこういう風に喋るだろう。
なるべく見た目も細かく思い描く。髪や瞳の色、表情はどのくらい感情によって動くのか、などをプロファイルしていきました。
また、頭の中で向き合うことで、現実の自分の姿を忘れることができるように、布団に潜って暗闇の中でやっていました。
もちろん、女の子になったつもりで、声質も理想に近づけられるように足りない所を意識して練習していくように。

これらを寝る前にほぼ毎日やっていて、この習慣は今でも続いています。

なりきること

言い方を変えると、演じているとも言えます。自分の中で形成した女の子像に、自分がなること。
ボクは色々と声質を変えて、幅広く声真似をしていますが、一番大事なのはその役に入り込むことです。

色々な方とお話をしてきて感じたのは、ここが曖昧になってしまっているなー、ということ。その女の子の作りこみ、解像度が上がっていくと振る舞いも自然なものになり、細かい抑揚や反射的な反応のクオリティが高くなります。逆にそこが不鮮明だと、声が迷子になりやすいと思います。

声の高さは?鼻にかかるような声質?息はどのくらい入るのか?どんな喋り方をするのか?と、声の要素を細かく分けて考えられるようにします。

要素の分析

ここがよく分からないままやっていると、いつまでも見えないゴールに向かってがむしゃらに進むことになってしまって、たとえ辿り着くことができても自分の足取りもわからず、とりあえずよく分かんないけど時間かけたらできたー!という、自己分析ができていない状態で完成になってしまいます。

完成したらいいんじゃ?と思う方もいると思います。
では、そこから発展してさらに声を磨きたい、と思った時にどうなると思いますか?
しっかりと自己分析ができて、様々な要素を理解しながらやっていた人ならば、新しい道とゴールが以前よりもハッキリと見えるようになっていて、足りない所を補っていくだけでどんどん前に進めます。

しかし、分からないままで完成してしまった人は、次のゴールを目指す時も同じことをする羽目になります。
響かせる位置の調整、喉と声帯の開き具合、エッジのかけ方等、なんとなくでやっているとどの要素をどのくらい入れれるのか、自分が本当に持っている細かいことが分からないということになります。

さて、ではボクはどうだったのか?
答えは、半分くらいできていた、です。



え、半分?ここまでわかっているのに半分しかできていなかったのか?
そうです、なぜならここまで書いたことに気づいたのは女声の練習を始めてから10年以上たってからのことですから
長くやってきて理解できたこと、ということになります。

女声の練習を始める人のほとんどは、こういったことに関する知識が無い状態から始まるわけですよね。
声に関係するお仕事などをしていて、その分野の勉強をしていないなら、なおさら知らないことだと思います。知らなくて当たり前です。


そして、なりたい理想の女の子の細かい設定から、それに見合う声質や感情を持ち合わせられるように一人細々と練習して5年程たった頃。
ふと練習した音声を聞いて、あれ、これめっちゃ可愛くないか?と。
客観的に聞いても、可愛いのではないか、と!
そう思ったのである!!!!


そう、理想の女の子の設定を詳細に考えて、一人の女の子として振る舞うために必要な声質を作り上げるのに、5年かかったのである!!!!




今回はここまでです。次回はニコニコ生放送編です。
自分のやってきたことを、今の観点から見て解説する形になってしまいましたが、この辺の話は参考になる方が多いのではないかと思ってそうしました。

それではまた次回お会いしましょう。ここまでご拝読して頂いてありがとうございます。
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