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化かされる

 こんばんは、乙訓野添です。運動すると腹が減る。してないと減らない。自然の摂理に体が順応してくれてる様です。

 前回の事件以来、とりあえずタヌキとの関係は平穏になったかと思われてました。まぁ、付き合って3年近く。自分もそろそろ結婚して身を固めた方が良さそうな歳ですし、ましてや子供つくるなら、今がリミットでしょう。新しい出会いは、もう望みようもなさそうですし、この際、タヌキでもいいかぁ。そんな風に考える様になっていました。

 ところが、年の瀬も押し迫った頃、タヌキが急に趣味の違う方向に進みたい様な事を言いだしました。突然のことだったので、「?」と思ったのですが、基本的にタヌキのことを見下していたので、やれるもんならやってみたら?みたいな返事をしてました。
 そのまま、自分の実家の方で年越しをし、帰ってからプロポーズをしようと思っていました。そして、その日、こちらが口を開く前に、向こうから別れを切り出されました。しかも、他に好きな奴がいて、さらにはそいつが自分が前から大嫌いだと言っていた奴でした。
 話しはこうです。昨年末にそいつに会い、趣味の違う方向に誘われ、乗り換えを決心。なのに、こっちの実家までのこのこ付いてきて、帰ってきてから振ってきた、という寸法です。ブサイクの癖に後釜を決めてから切り出してくるとは、用意周到なことですが、だったらなぜ、こっちの実家まで来たのか。そのあたりがワケワカメでした。

 しかし、実際にはそれどころでなく、大混乱でした。というのも、まさか自分と正反対のカードが出されるとは思ってなかった事、しかも嫌いな奴だと知っててそいつに奔った事、婚期も逃す事、様々な想定外が自分に襲いかかってきました。
 こんな時困るのは、趣味の世界で付き合いをやると、別れた時に悪影響が及ぶという事です。一体、何をどう吹いて回ったのか知りませんが、この事件をきっかけに、SNSでつながっていた趣味関係の人らが、次々自分に背を向けていきました。良好に機能していた関係は、何かのきっかけでみんなひっくり返るのを目の当たりにしました。そして、自分は女を取られたみっともない男、という事になってしまいました。

 ともあれ、乗り換えが不可能になってから、タヌキと結婚しようと思うまでに、こちらもそれなりの意識改革をしてきた訳ですが、それは何もかもフイになってしまいました。しかも、正規彼女の補充も効かないとあって、タヌキごときに引きずっているみっともない自分がそこにいました。たった2ヶ月で体重が20kgも落ちてしまうほどでした。
 まぁ、それまで自分がやってきた事を考えれば、よくもまぁ、というところですが、そんなのは都合よく忘れてしまっています。「そういえば、タヌキって室町時代くらいまでは、人を食い殺す恐ろしい妖怪ってイメージだったらしいけど、こういう事だったんかな」とか思っていました。キツネよりもタヌキの方が、よっぽどタチが悪かった、と感じていたのです。

 そのタヌキが、完全に別れ際に「一目惚れだったのにな」と言ったのだけは、別の意味で印象に残りました。自分のことはブサイクだという自覚がありましたが、そんな自分でも一目惚れされる事があるんだな、と。これだけはちょっとだけ自信になりました。

 今回のnoteはここまで。堕した自分に相応しい罰が降ったと思います。しかし、人生的危機はこの後にやってくるのです。最後まで読んでください、ありがとうございました。


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