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ある性的倒錯者の告白&妄想 (7)女子中学生?に付け回された。


前回からの続きです。

これまで語ってきた女装外出はあくまで初期の方で、後に私は新宿二丁目を中心に、というより新宿限定になっていきます。
そこでは平気で女姿のまま買い物をしたり
店で食事をしたりお酒を飲んだりしていました。それはあそこが特殊な場所(街)だから出来たことだと思うんですよね。ところが普通の街でそれをやってしまうと人の目も違うし色々面倒なことが起こりがちで注意した方がいいと思います。それは今の時代でも同じなのかな?
考えてみれば、いくら女装者への偏見が少なくなってきたとはいえ、男性がスカートを穿いて化粧をして街を歩いていれば圧倒的に目立ち異様ですよね? 果たして女装行為はLGBT問題、性的マイノリティーの部類に含まれその議論の俎上に載るのか?不勉強な私には分かりません。

ましてや、あれは昭和の時代。

ちょっと慣れてきた頃かな?
深夜限定の女装外出だった自分が、その頃は昼間は無理としても夕方でも出歩くことが出来るようになっていました。
女装外出をしていると、酔漢等に色々卑猥な言葉を投げかけられたり、車につけ回されたり怖い目にも遭いましたが、基本、私は “石橋を叩いても渡らない” 用心深い性格で危険そうな場所や人物には近づかないようにしていたので、大きなトラブルに巻き込まれることはありませんでした。

そんな時にあれは起こったのです。

ある土曜の夕暮れだったかな?
私はあまり目立たないような白地に赤?の質素な花柄ワンピース、ストレートロングのウィッグで散歩に出掛けました。メークも完璧? 男とバレることはないと…。
アパートから少し離れた場所に、いかにも昭和風情といった感じのパン屋さんがあったんですよね。男バージョンの私はそこでよく買い物をしていたので、店のおばちゃんとは顔見知りです。
このワンピース姿の女(私)を見て、おばちゃんはまさかそれが、たまにパンを買いに来る若い男(私)だとは夢にも思わないだろう、、なんて考えながら歩いていました。
(勿論、女装で店には入りません)
目の先、店の前に4人?程の女の子グループがいるのです。そして、その内の一人がジッと私の方を見ている気がした。
(ヤバい!) 私はこの年頃の女の子が厄介なのは経験的に知っています。小学生にしては大きく高校生にしては幼そうなので、多分中二位でしょうね。

女性は非常にカンが鋭く観察眼がある。しかもまずいことに、この年頃は好奇心旺盛で異質なものは見逃してくれません。一人なら騒ぐことはないでしょうが、3〜4人のグループですから最悪絶体絶命。

花柄ワンピース姿、ローヒールの足はパン屋がある方へ向いている。一人の女の子が私を見ている気がする。ここでUターンしてしまうのはあまりにも不自然だ。
私は心の中で(騒がないで…)と願いながらもそのまま何事もないように彼女たちの前を通り過ぎようとする。絶対に目を合わせてはならない。どうにか通り過ぎた。

「ねえ、ねえ! あの人男じゃない?!」

「ええ〜 うそ。信じらんない!」

声が大きいぞ!
彼女たちの無遠慮な声が聞こえる。
ここで振り向いてしまえば、あの年頃の女の子の習性でキャーキャー騒ぐに決まっている。自分では完璧に女装しているつもりでも、酔っ払いの目は誤魔化せることはあっても彼女たちは鋭いので無理だ。
私は背後で女の子たちが私を指差しながら騒いでいるのを意識しながらも、逃げるように足早になるのもおかしいので、平静を装いながら道を進んだ。

どうにかやり過ごした?かと思った。

そう思ったのも束の間、背後に人の気配。
それは、タタタタと、私の横を小走りにすり抜け前へ出ると振り返った。あの女の子たちの中の二人だ。その二人は私と目が合いそうになると「キャー!」と叫びながら後ろに戻って行った。

「やっぱり男よ!男よ男よ…」

かわいい女の子もグループになると本当にタチが悪い。彼女たちは尚も私の跡をついてくる。どこまでしつこいのだ?
向こうからやって来る通行人が、背の高い異様な女(私)と、それをキャーキャー言いながら追跡している女の子たちを見比べ目を丸くしている。

私は最悪のことを想定した。
このまま女の子たちにキャーキャー騒がれながら付き回され人が集まったら大変なことになる。誰かが警察に連絡する可能性だってある。エライことになった。

ストレス・マックス!

続きます。

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