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メルカート

段々と話せるようになってくると、私たち外国人の行動範囲も広くなってくる。
学校が主催する日帰りのバス旅行も楽しかったけれども、わたしにはもっと、興味を惹かれるものがあった。

メルカート
 
ペルージャにはメルカートコぺルトという、屋根のある食料品などが調達できるマーケットがあり、時々、果物などを買いに出かけた。

ひと部屋を借りているだけなので、料理が出来ないのが残念なくらい、魅力的な野菜などが数多くあった。

ぶ厚~い皮のでっかいパプリカ、日本のものの3倍くらいある茄子、それまで見たことのなかったキュウリみたいなズッキーニ、、珍しい~!

トマトも種類が沢山あって、サラダには赤身の少ない果肉が盛り上がっているのが美味しく、完熟したものはトマトソースに適していると教えてもらった。 細長いサンマルツァーノ種が有名。
私はでも、この細長いサンマルツァーノ種のトマトを、サラダで食べていた。 それでも美味しい。

メルカートの野菜売り場で、順番を待っている時、横にいるおばさんに訊ねてみた、’ズッキーニは、そのまま食べられるの?’
’いいえ、茹でたり、炒めたりして食べるのよ’と、親切に応えてくれた。
いつか、このズッキーニを炒めたり、茹でたりして食べたいな。。
 
量り売りが多く、1kgでどのくらいの量?、、最初は想像できなかったけれども、だんだんと慣れてくると楽しくなってきた。

でも最初は、最小単位が1kgだと思っていたので、イチゴも1㎏、食べ終わってから、サクランボも1㎏と買っていた。 メッゾキロ(500g)といえばよかったと、後で知る。
 
という訳で、最初はイチゴを1kg買い、食べ終わってから、他の果物を買っていた。 愚かだったけれども、これも今では笑える懐かしい想い出。

その頃、大型スーパーマーケットもなく、メルカートでは、週に1,2日、魚を売る。
 
ペルージャは内陸で、丘の上の町。
たまにお魚が恋しくなっても、なかなか手に入らない。

後にキッチン有りのアパートメントに、暮らし替えをした時には、タコを買って、友達とタコパをして楽しみ、またある時は、鯵を煮つけたりした。
生で売っているタコは、旨味があって、たこ焼きが、より一層美味しくできた。 
大阪生まれの私にとって、貴重な食材。
もちろん、たこ焼き器は、日本から持ってきた。

買い物に慣れない、イタリア語もたどたどしい外国人には、最初、傷んだものなんかも紛れていることもある。 私は、文句を言えなかった。
そして、やっと顔を覚えてもらい、お馴染みになってくると、徐々に新鮮なものも手に入るようになる。

それでもしつこく欲しくもない種類を入れる売り手もいる。
それは、見た目でわかる、東洋人のデメリットかもしれない。
けれど、他の事では日本人というだけで、、それだけで、得することもいっぱいあるのだから、納得は出来ないけれども、仕方がない、許してあげよう。

この国では消費者は、日本ほど強気ではない気がする。
日本では、消費者が強い。そして改善’されるけれども、ここではなかなか変化することが無いからかな。。
私には、消費者に敏感すぎる日本と、ちょっと鈍感に思えるイタリアの、ちょうど間くらいがいいのだけれど。



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