六月一日


子供騙し。

そういうと嫌な響きだが、

夢を見せる。

といえば正しいことに聞こえる。

誰もが一度はクリスマスイブの夜に来てくれる

おじさまのことを夢に見て、

大きくなってから現実を知る。

みんなは何歳のとき、真実を確信したのだろうか

もちろん誰しも一度は親を疑うのだ

しかし、いや、そんなはずはない。

と存在を素直に信じ続ける人もいれば

嘘ばっかだな、おい。

と疑いを堂々と見せる奴もいる。

私は、馬鹿なもんだから、小6で周りの全員が首を振るなか

頑なに信じ続けた。

あまりに自分が騙されやすいので

むしろ親は気を揉んだそうだ。

中学生になって、まだ信じ続けよう。
という固い意志を私に感じた母は

観念したのか、それとも呆れたのか

カミングアウトしてきた。

ショックだった。

むしろ、母はこういう文化を呆れた感じで見守っているタイプだった。

思い込みが激しい自分は

そこまで冷めた感じで見たら負けだと思ったので、

世界に一人くらいはどこかに存在するんじゃない?

とか言ってた気がする。

負け惜しみだ。

残念だが、そんなすげーおっさんいたら世の中苦労しないのだ。

夢を見せてくれた親。ありがとう。

今日、6月1日なんですけどもね。

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