見出し画像

100倍、身につく国語力(75)地方語篇


❤小~高校生と,母親向けのレッスン

   (1年間で国語力の悩みが解決できる!)

名古屋弁 ②
 
【特色のある名古屋弁】
(2) ユニークな「 名古屋弁」の発音
 名古屋の発音で最もわかりやすい特徴
は、母音を伸ばす
ことにあります。例え
ば、「あー、えらー」は、「ああ、つか
れた」という意味
で、他の土地から来た
人がこの表現を始めて聞くとビックリし
てしまいます。
 
「えらい」は、他の土地から来た人が、
名古屋に来て驚くナンバーワンのランキ
ングだそうです。なぜなら、日本語には、
「えらい」=「偉い」という単語があり、
名古屋弁とは全く違う意味が一般的だか
らです。つまり、名古屋弁でいう「えら
い」とは、「(体が)しんどい、きつい、
だるい」という意味になる
ので、風邪や
寝不足など、あらゆる場面で使われて
います。
 
【例文】
 ・名古屋弁 
  きんのう(きのう)から熱を
  出しとってえらいもんで、
  バイト休んでええですか?
 ・標準語  
  昨日から熱を出していて体が
  つらいので、バイト休んでいい
  ですか?
 
 このように名古屋人はこの「えらい」
という単語が、この地方独特の意味が
あるという自覚がないため、上のような
言い方を無意識に使う傾向があります。

ネットのイラストより転載


 その他にも名古屋弁の典型的な言い回
しとして、次のような例もありますので、
参考にしてください。
 
  ・(そう)だね→(そー)だがね
  ・いいがね→ええがね!
  ・とてもうれしい!
    →でらうれしいー!
  ・うまい!→ うみゃー!
  ・なにしているの?
    → なにしとる?
 
 名古屋弁は発音を伸ばし、そしてイン
トネーションと続いて語尾の変化の仕方
にも特徴がある
と言われています。中で
も有名な名古屋弁「だがや」が語尾の
変化で最も多いといわれています。
 
 例えば、「今日は暑いね」が「今日は
暑いがや」と語尾が変化します
。また、
「そうだよね」が「そーだがや」、「今、
やっているよ」が「今、やっとるがね」
というようになります。この「~だがや」
や「~るがね」に関しては、名古屋市に
住む若い人たちが使う語尾になります。
 
 もう少し年配の方になると、語尾が
「なも」とする方もいます。いずれにし
ても名古屋に行くと、「~だがや」や
「 ~だがね」は、市内の至る所で何度
でも耳にする
と思います。

ネットのイラストより転載



 名古屋弁の代表的表現の「~だがや」
は「~でら」とは違い、名古屋弁が可愛
いと指摘されることがあります。さらに、
「~もん」や「~まい」ですが、聞きな
れない人からすると、面白い方言として
人気があるようです。

 名古屋弁で、語尾につく言葉にはそれ
ぞれに意味があり、「~もん」は「~だ
から」になり、「~まい」は「~しよう
よ」というふうに変ります。

 その他、母音が長くなる単語は数多く
ありますが、学校でしょっちゅう耳にし
ていたのは、次のよう言葉です。
 
  ・学校 → がっこー
  ・教室 → きよーしつ
  ・廊下 → ろーか
  ・早退 → そーたい
  ・教科 → きょーか
  ・校則 → こーそく
  ・頭髪検査→とーはつけんさ
  ・朝礼 → ちょーれい
  ・放課(休み時間)→ほーか
 
 ちなみに、「放課」は普通「放課後」
を意味しますが、名古屋では「休み時間」
の意味
で使われているのを知らず、私
はうっかり生徒との約束をスッポかして、
みんなから注意されたことがあります。

ネットのイラストより転載

 ちなみに、よく耳にする度に驚いた
言葉があり、それををいくつか紹介し
ます。  

 ・名古屋駅 →めーえき 
 ・名古屋大学 →めーだい   
  (東京の「明大」ではない)  
 ・合格   → ごーかく 
 ・あんたねえ →あんたねー 
 ・そうか、そうか       
     → ほーか、ほーか  

 これは余談ですが、否定語の「~ない」
は「~にゃー」となります。ですから、
「にゃー」は猫が「ニャーニャー」と、
鳴いているように聞こえると指摘される
ほど、すっかり有名になってしまいまし
た。しかし、最近では名古屋人、特に
女性は他県の評判を意識して控えている
せいか、あまり耳にしなくなりました。  

 ところで、名古屋弁の「~もん」を
使用する場合は、例えば「今日は暑かっ
たので、汗が出た」を「今日は暑かった
もんで、汗がでた」となります。そして、
「~まい」の場合は、例えば「 食事に
行こうよ」となり、「食事にいこまい」
や「テニスしようよ」を「テニスしよ
まい」となります。  

 名古屋弁では、発音上からいくつかの
約束事がありますので、簡単にまとめを
しておこうと思います。  

 ①「 ミャーミャー」言葉    
  実際には書き言葉での表現は  
  ありません。これは例えば  
  「行こみゃー」は「 行こめぁ  
  ー(mæ:)」に近い発音になり  
  ます。つまり、長音はあいまい  
  母音で伸ばすということになり  
  ます。まるで英語の二重母音の  
  ようです。

ネットのイラストより転載


 ② 母音の長音化の傾向
   母音は長く引っ張って長音
  化する傾向にありあります。
  例えば「あー」「いー」、
  「うー」、「えー」、「おー」
  は、「えぁー」、「えぃー」、
  「いぅー」、「いぇー」、
  「うぉー」となります。また、
  「あい」「あえ」の発音は、
  ほとんど同じで、発音記号の
  「æ」がもっとも近い発音と
  なります。そこで、いくつか
  の例をあげてみましょう。

 【例】
  ・一枚(まい) → 「いちめぁー」
  ・帰っていく →「けぁーてく」
  ・着替え(がえ) →「きげぁー」
  ・気配 →「けぁへあ」
  ・この前(まえ)→「このめぁー」
  ・最近 →「せぁーきん」
  ・試合 →「しえぁー」
  ・~さえも →「~せぁーも」
  ・司会 →「しけぁー」
  ・大概 →「てぁーげぁー」
  ・手応え →「 てごてぇー」
  ・蝿(はえ) →「 へぁー」
 
 ③ イントネーションの違い
  アクセントとイントネーショ
  ンの違いは微妙ですが、イント
  ネーションは文章全体を包む
  ような調子となり、平板になる
  傾向が強いようです。
 
 ❤このように、同じ文章を読 
  んだとしても、そのイント
  ネーションにより、名古屋
  出身者はすぐに分かります。
  名古屋出身者には英語のよう
  な抑揚があり、リズムが他
  の地方より強いという特徴が
  あるようです。
 
アナミズ (2024.04.26)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?