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100倍、身につく国語力 (27) 意味篇

❤小~高校生と、母親向けのレッスン

(1年間で国語力の悩みが解決できる!)

表現篇 ③

  
(3)「 意外」という言葉の意味
 
  「 意外」という言葉はよく使われる
言葉ですが、よく考えてみますと、普段
は見落としがちな意味のあることが分か
ります。「 意外」は思っていたのとは
違った結果をもたらすことで、想定外の
出来事だと考えられます。
 
 そこで、今、『 ベネッセ 表現読解 
国語辞典』を見ますと、和語、漢語、
慣用表現の領域に分類し、それをプラス
イメージとマイナス・イメージの二つに
分けて説明されています。まず、プラス
イメージは、「 予想もしていなかった
出来事が起こり、それが幸運に恵まれる」
という意味合いが述べられ、次のように
なっています。

【和語】 
 裏をかく、思いがけない、思いの外、
 思いも寄らない, 期せずして、図ら
 ずも、 端(はし)無くも 

【漢語】 
 案外、奇想外、奇想天外な、想像以上
 の、存外(ぞんがい)、望外(ぼうがい) 

【慣用表現】 
 意表をすく、嘘から出た真、けがの
 功名(こうみょう)、どういう風の吹
 き回しか、鳶(とび)が鷹(たか)を生む、  
 拍子(ひょうし)抜けのするほど、 
 瓢箪(ひょうたん)から駒(こま)、  
 物怪(もののけ)の幸い  

 一方、マイナス・イメージは,「予想
が外れた現象が起こり、負担を感じる」
という意味が述べられ、次のようになっ
ています。 

【和語】 
 当てが外れる、裏目に出る、
 勝手が違う、突拍子(とっぴょうし)も 
 ない、とんでもない、番狂わせ、
 まさかの 

【漢語】 
 心外に、不意に

【慣用表現】 
 案に相違する、晴天の霹靂(へきれき)、 
 滅相(めっそう)もない  

 このように見てくると、「 意外」は、
当人が期待していた予測や判断が叶え
られると満足し、逆にそれが充足され
ないと心理的に不安定な状況になる
ことが分かります。  

 ここで気をつけなければならないの
は、「 意外」と表現すべき箇所で、
うっかり「 以外」という言葉を使って
しまう人をよく見かけます。これは、
当事者がある決まった範囲や規定を超
えた程度の差として認識するため、全
く違った意味になってしまいます。

 これは同音意義語なので、注意しなけ
ればなりません。 『広辞苑』でも、同じ
ような意味が掲載(けいさい)されています
が、基本的な意味は変わりませんが、上
の辞書とは、少しニュアンスが違うよう
に説明されています。ですから、ときに
は辞書類を見比べてみるのも面白いかも
知れませんね。

 ❤結局、言葉には文脈によってプラス
ともマイナスの意味ともなるわけで、

こういう現象は漢字の熟語にも現れます。
これについては、次に紹介したいと思い
ます。 

<参考>沖森 卓也編『ベネッセ 表現読解
 辞典』 (べネッセ、2003) 

アナミズ (2024.03.09) 

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