フクちゃん はばたく

ふぞろいの林檎たちだったボクたちは前期高齢者になった。孫の世話に忙しいリンゴもいるが、フクちゃんは2024年1月29日、東京三鷹市から大阪豊中市に人生を引っ越し、20数年来の交際を経て入籍、新たな生活を始めた。フクちゃんに幸多かれと心底、祈念する。ボクらは1978年から82年まで学生生活を過ごした。マスコミ志望が集まり、新聞つくりに熱中したが、希望どおり大手新聞で記者になったのは2人。フクちゃんは広告会社志望だったが、映画会社の営業になり、実に楽しそうにリーマン生活をしていたが、リーマンショック後、思いがけないリストラにあう。それでもヘラヘラ笑ってたな。その後、警備員を経て大学の受付に職を得た。これまで交際した女性もいたのだが、独身、ひとり暮らしを通してきた。映画会社の関西支社時代に知りあった彼女は、シングルマザーで子どもが社会人になったら、一緒に暮らす話をしていたという。だいぶ前に、もうだめかもしれないと漏らしていたが、昨年彼女の住む豊中市で新生活を始めると決めた。学生時代の仲間は仰天しながら、良かった!おめでとう、の声が湧き上がった。ギリギリまで仕事や学生時代からの荷物の整理に追われ、お祝い送別会はできなかったが、ロールキャベツが食べたいと新宿「アカシア」でランチ会をして、4人が集まった。いちばんの心配は、「いままでずっとひとり暮らしだったから、ふたりで仲良く暮らせるかなあ」。フクちゃんは、キャンディーズの熱烈なファン、映画、アニメ、ゲームは専門家はだしだった。ボクは卒業後もフクちゃんとはよくあっていただけに、人生引っ越しに心から乾杯、エールを送る。フクちゃん、お幸せに!ボクは株式の新聞記者を10年、その後雜誌の世界に移った。フクちゃんとのアレコレが走馬灯のようにめぐる。それにしても東京にいなくなる。寂しい。

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