アメリカの物価対策には利下げが必要

  当然のことながら利上げが物価を下げるのだが、今のアメリカの物価状況をみると真逆の状況にあるのではないだろうか。現在の高い物価を分析すると、物価を示す指標のコアCPIの内約60%が家賃であり、これが高止まりしている。したがって家賃の高さが物価高ということができる。この家賃を示すジロー指数は高金利の影響で下がってきたが23年前半から底打ちの状況のである。ジロー指数は約7月後のコアCPIに反映されるということなのでコアCPIの家賃分は今後は底打ちになることが予想される。
 ここでアメリカの住宅事情を考えてみよう。現状は移民の増加等で家不足はかなり深刻なようである。特にニューヨークの近郊は昔から日本人には信じられないような高額な家賃であったが現在はそれがそれが倍近い上昇している。しかもこれまでの高金利によって新しい住宅の供給は細ってしまったのでそれが改善される見込みはほとんどない。
また、買い替えに関しても同様に買い替えると買い替え先の住宅ローンが高金利になるので現状の安い住宅ローンの家に住み続けようということとなり買い替えは停滞している。
 したがって、利下げを行えば住宅の供給は当然増加するので、現在の供給不足による借家の家賃、そして中古住宅の価格は低下していくことが予想され、通常とは真逆な結果となるのではないだろうか。当然、小幅な利下げでは効果が少なく、また効果が出るまでには時間が掛かりそうだが。
 

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