呪い

最近ワイルドリフトにばかりうつつを抜かして、ずっと書こう書こうと思っている文章が書けていません。

そんな中で、とある文章に出会いました。

それが、こちらの文章です。

PAPAさんとは同い年ですが一切接点は無くて、でも自分と似ている方だと以前から感じていました。それの極めつけがこの文章で、思わず僕も書きたくなったので重い筆を執りました。

近いうちに頑張って他のも書くつもりなので、そちらも温かい目で読んでいただけると嬉しいです。取り敢えず、本題に移ります。


彼の文章に抱いたのは共感だ。まさに自分も同じように、周りの大人みんなきらいで、仲のいい友達にもなんだか演技をしているような心地で、もはや自分の考えていること、感じていることが自分にも分からないような、そんな過去を歩んできた。

昔書いていた文章はだいたいゴミ箱に棄てられてしまったのだけど、とある二冊のノートは残っている。一つは、それらを棄てた時に書きかけだったために机の上に残されていた、小説を書いたノート。
もう一つは、ここでだけは素直な気持ちになろうと決めた自分の心の内側を全部書いたノートだ。

そのノートの内容はおおかた覚えている。だから、その中から昔の自分の言葉を引用する。

「自分は世界で一番不幸だと思う。たとえ僕より不幸な人を論理的に証明されたとしても、僕が今自分を世界で一番不幸な人間だと思う限りにおいて、やっぱり僕は自分が世界で一番不幸だと思う」

今の僕としては、この文章はとても的を射ていると思う。そして僕が思うに、世の中には「世界で一番不幸な人」がたくさんいる。

失礼な話だが、PAPAさんの昔もそうだったのではないかな、と邪推している。

社会って意味が分からなくて、そういう人を量産している。上手く生きていけない人を容易く突っぱねて、そのルールに順応する人を囲い込む。その中で特に能力を示した人を成功者だと祭り上げてみんなでわっしょいわっしょい、なんてすばらしい世界だろうと洗脳しまくる。

まぁ、別にそれはいい。

要は、世の中にはそういう社会に上手く順応できない人がいて、今僕が言いたいのは、そういう人の数は自分が思う以上に多い、ということだ。

それって、結構つまらないことだと思う。折角生まれてきて、まだまだにしてもそれなりに科学は発達していて、少なくとも狭義において世の中は昔より格段に便利になっている。なのにそういう人がいるのは、おかしな話だ。

世界で一番不幸な人は、自分とこの世界を呪うだろう。でも、ネガティヴな気持ちは意外と長続きしない。永遠に自己嫌悪に浸れるほど、人の心は強くできていない。そのままいたら心は壊れてしまう。

でも、やっぱり心にも防衛本能というのは備わっているらしい。あれだこれだと、信じることのできる何かを探し求めている。

彼の出した、eスポーツに呪われている、という結論。僕はすごく分かる。

別にeスポーツじゃなくてもいいのだ。でも、その中でeスポーツに出会ったのだ。運命論を語るのはばかばかしいかもしれないけど、運命だと思っていいに決まっている。その方が、ワクワクするのだから。

そうやって何かに縋りつくのは、とても大事なことだ。僕は、それが不幸な人が生きていくための一つの方法だと考えている。実際、自分もそうである。

いい話風な雰囲気でよく言われる、使い古された話をしたい。

「呪い」と書かれたとき、まずは「のろい」と読むだろう。しかし、この漢字には、もう一つの読み方がある。

それは、「まじない」だ。おまじない、などという単語の、あの「まじない」だ。

彼がこれを知って使ったのか知らずに使ったのかは分からないけど、どちらにせよハイセンスだな、と感じる。

のろい、と読めば、なんだかネガティヴな聞こえがする。実際そういう意味合いである。でも、まじない、と読むとなんだかポジティブに感じる。まぁそういう意味合いの言葉なのだから、だけど。

要は、これらは表裏一体だと捉えることができなくもない、ということだ。

こういう、漢字や言葉を使ったポジティブな解釈というのは厳密には誤ったものかもしれない。実際、僕もあんまりあてにはしない方だ。

でも、僕らは確かにeスポーツにのろわれているのだろう。

別に何でもいい、ただ、なにかに縋りつきたくて、なんとなくカッコいいと思った対象。

大いに結構ではないだろうか。そもそも人間如きに、生きる意味などという高尚なものは存在しないのだ。

ただ、どうせ縋りついて、理由もなくそれが大好きなのだったら、のろわれる前にまじなわれてみてもいいんじゃないかな、と思う。

きっとそれは素敵なことで、正しいことで、信じる側が馬鹿を見ることはそうそうないだろうから。

以上、使い古された陳腐な話でした。

僕の好きなことは、文章を書くことです。それを読んでもらうのが同じくらい好きです。そして反応としてスキとかフォローをしてもらうのは、もっと好きです。僕の文章を読んでくださって本当にありがとうございます。