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持続可能な都市物流は、都市のアクセシビリティと生活の質を高める上で重要

case | 事例

ベルギーポスト(bpost)グループは、2022年4月より、ブリュッセル東部の都市ルーヴェン市の中心部から市域南部をエコゾーンとして設定し、ゼロ・エミッションの手段で手紙と小包の配達を行えるよう、集配ポイントの密集したネットワークを構築してきた。今般、そのエコゾーンをルーヴェン市全域に拡大し、持続可能な配送を受ける住民の数を58,000人から103,000人に増やしたと発表した。

ルーヴェン・エコゾーンでは、すべての配達に電気自動車と自転車が使用され、住民も52カ所の集荷ポイントからなる密集したネットワークを積極的に利用している。郵便局3カ所、集荷ポイント7カ所、宅配ポイント5カ所、宅配ロッカー37カ所のうち、少なくとも1カ所は全住民の徒歩圏内か自転車圏内にあるよう設置されている。2022年のエコゾーン開始後数ヶ月で市内の宅配数は6%減少したことが確認されたが、現在は9%まで減少している。交通量の減少、排気ガスの減少、騒音の減少は、都市の生活の質と交通安全の向上につながっている。

bpostの調査によると、ルーヴェン市の小包のほぼ4個に1個がピックアップ・ポイントに配達されているとのことで、ルーヴェンの市民は徒歩や自転車で小包を受け取ることが一般的になっている。同社は2020年に試験的なプロジェクトとしてエコゾーンを始めたが、2040年までに事業による排出量ゼロを達成することを目標にしている。2023年からエコゾーンの拡大サービスを始め、ルーヴェン市の全域がカバーされ、市内のすべての郵便物はトレーラー付き電動自転車12台と電気自動車65台を使って配達される。bpostとルーヴェン市は郊外に新たな宅配ロッカーを設置する可能性調査も進めている。bpostは現在、15の都市でEcozoneモデルを展開している。

insight | 知見

  • 人口10万人の都市の郵便・宅配をゼロエミッションにするのはなかなかすごいことだと思いました。利用者側が各所に設置された集配ポイントを活用することで、宅配の交通を減らすことに協力しているのも素晴らしいと思います。

  • 宅配交通をいかに減らすかは宅配事業者各社が考えていることだと思いますが、適切なサイズの自治体と協力しながら集配拠点を構築していくというやり方もありそうですね。