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グラスゴー空港はデジタル・ツインの実証に向けたコンペを実施

case|事例

英国政府の研究資金助成機関「イノベートUK」が創設したイノベーション推進プログラムのひとつである「Connected Place Catapult」はグラスゴー空港を対象にデジタル・ツインの実証を行うため事業者選定のコンペ「Living Lab Digital Twin Competition」を開始した。

このコンペは航空分野でのデジタル・ツイン技術の導入を進めることを目的としており、実際のフィールドでの実証となることからデジタル・ツイン導入の実際的な利益を深く理解できると期待されている。コンペで選ばれた事業者には70,000ユーロ(約1,300万円)の補助が行われる。

Connected Place Catapultのディレクターであるアンドリュー・チャドウィック氏は、今回の実証で施設や機器の改修の効率化や人流のマネジメント、エネルギー管理などの面に期待を寄せている。デジタル・ツインによる旅客の移動のモデリングは動線配置の効率化や施設の利便性向上につながることが期待され、またエネルギー分野でもエネルギー消費のモニタリング、排出量やコストの算出が支援されることで新しいインフラ導入の検討により資するデータや知見が提供されうる。

indight|知見

  • 空港はモノもヒトも情報も行き交う複合施設ですし、複雑かつ高度な運用が求められるので、デジタル・ツインが効果を発揮する領域のひとつのように思います。空港を止めずにインフラや機器改修を進め、安全かつ利便性の高い動線配置を行うためには、現実空間が再現されたバーチャル空間でのシミュレーションがより効果を発揮しそうです。

  • 日本政府が進めるSIPなどでも英国のカタパルトプログラムを参考にしているのかもしれませんが、研究開発の先の社会実装のフェーズでの制度設計や人材の育成方法、産学官民の役割分担など学びが多そうです。