爆音でかかり続けてるよヒット曲 #3『紅白歌合戦にいた2人のユーミン』(ハシノイチロウ)

LL教室のハシノです。
もうすぐ冬ですね。
 
70年代生まれの自分にとって、冬といえば無条件にユーミンを聴きたくなります。特に昨年はAppleMusicやSpotifyなどのサブスクリプションサービスで
過去曲がどっさり解禁されたこともあり、ドライブ中などはずっとユーミンを聴いてました。
また、平成最後の紅白歌合戦で往年のバンドメンバーを従えて歌った姿がとても印象的でした。
 
このメルマガ読者の諸兄姉にとっては、何を今さらとバカにされるかと思いますが、ユーミンってすごいですね。
今回は70年代生まれの自分、そして80年代90年代生まれにとってのユーミンを考えてみたいと思います。
 
ユーミンを初めて認識したのは、小学校高学年の頃。
年上のいとこからいろんな知識を仕入れてくる同じクラスのちょっとませた女子が、「ダイヤモンドダストが消えぬ間に」のカセットを貸してくれた。
 
同じ頃、クリスマスの夜に明石家さんまが司会で、いろんな豪華アーティストがこの日限りの曲をやるっていう歌番組「メリー・クリスマス・ショー」が放送された。母親と一緒に観たその番組に桑田佳祐やアルフィーや吉川晃司らとともにユーミンが出演していて、動く姿をはじめて認識したのだった。
 
当時クラスの中でもませたグループにいたので、ブルーハーツや長渕剛が硬派でかっこよくて、女子たちが光GENJIに夢中になっているのを幼稚っぽいとか思っていた生意気な小学生だった。
ちょっと前まで好きだったチェッカーズからは「卒業」してたような、そんな価値観だった自分にとって、ユーミンは硬派じゃないけどすごく大人っぽくて、背伸びしたい欲をすごく満たしてくれる存在だった。
 
世はバブル真っ只中。
大学生とか若いサラリーマンたちがテンション高くサーフィンやスキーに繰り出すトレンディな姿を、「ねるとん紅鯨団」なんかの番組を通じて、小学生ながらに見上げていた。
 
自分も大学生とかになったら、免許をとって車を買って、よくわからないけどブランドの服を着て、クリスマスにはシティホテルを予約して、そういうことを全部こなしてはじめて、やっと恋愛のスタートラインに立てるのかと。いったい何十万円必要なんだよと。こりゃ大変そうだなと。
 
そんなふうに小学生までが煽られるような「恋愛至上主義」の空気があったわけだけど、その空気を作った主犯格として、ユーミンがいるような気がしていた。

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