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ミュージカル『スクルージ ~クリスマス・キャロル~』の感想(相葉ハリー)

あまりにも今更な感想ですいません………。ミュージカル『スクルージ ~クリスマス・キャロル~』の感想です。

・ミュージカル『スクルージ ~クリスマス・キャロル~』
2022/12/7(水)~12/25(日)
日生劇場

所感

原作はディケンズの「クリスマス・キャロル」…私自身は子供の頃に何回も読んだな~て感じなんですけど、思い返せばつまりこの児童書シリーズの全巻セットが家にあったんですよね。

https://kids.shueisha.co.jp/yomimono/meisaku/

1作目が「ああ無情」(レ・ミゼラブル)、2作目が「クリスマス・キャロル」…相葉ファンになる伏線!?これシリーズ全巻貪るように読んだからいい印象があるんですが、特に最初の方の巻を一生懸命読んだから、より記憶が強いというはるか遠い昔の思い出があります。個人的に読書の原体験みたいな感じだったんだと思います。ちなみに子供の頃に舞台版も見に行った覚えがありまして、それがミュージカル「スクルージ」だったとしたらとてもいい話…と思いつつ、「クリスマス・キャロル」って本当にいっぱいいろんな舞台になってるし、たぶん全然違った気がします…ほんとに覚えてない!対して近年の「スクルージ」も1回観たことあるけどだいぶうろ覚えだったかも。

まあそんな自分語りはどうでもいいのですが、今回は相葉さんによるスクルージの甥・ハリーと、ヤングスクルージ?若スクルージ?エベネザー?をとにかく楽しみに行って参りました。改めて見ると、客層としてやっぱりお子さんとかもたくさん来ていたり、男性も多かったりして、市村正親さんがバンバン笑いとってるのがすごいな~になりました。今回の客層とのチューニングがバチバチにあってるんだなと思って、失礼かもしれないですが感心してしまいました。1幕で最初の聖霊を待つ間の「45分…早いな」とかで笑い起こってるのとかも毎回わからなくて謎だった…でも28年間やってるから、市村さんはそこで笑いが起こるとかわかってるんだろうな。しかも初日から千秋楽にかけても貪欲に変えていってたからすごかったです。

また市村さんって日常に根ざした仕草がお上手というか、もちろん誇張したところもあるんですが、それこそ笑いをとっていた、暖炉でお尻をあたためて椅子に座ったらアチッ!ってなるとことか、たしかにヒーターとかストーブとかでそんなことあるな~!という"あるある"。そういう日常のちょっとした動作を落とし込む匠の技とか、相葉さんも勉強になったんじゃないかなと勝手に思ったりしました。

一方で、これは誰が悪いとかでないのですが、観客がもう市村さんの声の調子に反応しちゃってるから、今、笑うところか…?というところで笑いが起こってたりして、そういうこともあるんだな~とびっくりしました。でも、そういうお客さんが来てるのもいいことなんだろうな~という演目でした。何目線だ。

あと「スクルージ」、いい意味で”こわ面白い”よね…と思いました。私も子供の時に読んで、本当にマーレイに鎖が巻かれてるイメージとか怖かった気持ちが残っているんです。今回の「スクルージ」でも、マーレイ出てくるあたりがずっと無音で、とにかくそこのシーンだけシアターコクーン的な雰囲気醸し出してる。別に無音だからコクーンというわけでもないのですが、なんかコクーン感があるんですよ。後ろの壁と周囲のセットが全部抜けて背後の道路が見えるオチなんじゃ!?みたいな(コクーンあるある)。

ちなみに私が好きなのは冒頭の「♪クリスマスキャロル」、そして「♪クリスマスの子ども達」(リプライズも)…この曲が1幕最後の場面転換に現代のクリスマスの象徴として出てくるのが美しくちょっと切ない感じで好きでした。でもspotifyで聞くとそういうアレンジでもない!?いつからのアレンジなのかわかりませんが「(てんてんてんてんて~ててて~て~て~て~♪)さあクリスマスキャロ~~歌え今~~~~~歌え喜びの歌~♪」と切ない~でも喜び~と場面が転換して現代のクリスマスになるのが好きで。もちろん最後にクリスマスキャロルと競る「♪どうもありがとう」サンキューベリーマッチも好きです。神田恭兵さん、意地悪なシーンも含めてかっこよすぎる。

「クリスマス・キャロル」という物語自体については、なにしろ180年前に作られたものだから、現代に鑑みて色々な感想が出てくるだろうなと思わせられることもありました(金貸しという職業の描き方なども含め)。私自身は、今の自分として観た時に、改めて「自分は町の人側なのかも」と思ってしまったところはありました。観る時によって違うものかと思いますが、個人的に今の時代でもう自分がスクルージ側とは思えなくて…。1万円超のチケットを何回も買って観てるわけではありますけど、たぶん今の自分だったら、いいとこボブ・クラチットの立場でTwitterに上司スクルージへの愚痴とかいっぱい書いてるかも?

相葉さんがパンフレットで「ミュージカルでは明るい雰囲気だけど実際は食べることに切羽詰まっている人たちがたくさんいたはず。そんな彼らに高金利でお金を貸して暴利を稼ぐようになるスクルージ」という視点を出してくれたのも良かったし、レミゼ経験者という感じがしました。「この荒波がお前らを押し流す♪」で客席を指差す相葉失業者とても好きだったなあ。相葉さんってあんまりそういうこと言わないから、そういう視点あったんだ!?とも思った。

とはいえ、「クリスマス・キャロル」出版時も読んでた人はスクルージに自分を重ねていたのかな?下記のような記事も見つけました。

世界中のスクルージたちを改心させた
チャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」がかけた魔法
http://www.news-digest.co.uk/news/features/14375-charles-dickens-christmas-carol.html

あと明確に現代に通ずるメッセージもあり…「愛する人がいつまでもそばにいるとは限らないから全力で愛せ」、つまり「推しは推せる時に推せ」てことですよね?え違う??

相葉ハリー&若スクルージ

お目当ての相葉さんについては、ほんと~によかった!出じろ的にご本人けっこう余裕もあったと思いますけど、歌声がどんどん太く豊かになるね~!と聴いてて嬉しかったです。得意な音域が多かったのかな?と思いつつ、若スクルージ「♪君…君…」におけるソロ「翼をください~♪」とか、2幕最後の「僕らの幸せ~♪」とか、急に高くなるやん!?てところ丁寧に歌えてて非常によかった。事前に予習として色々聴いて「ここ決めてくれ!!」と思っていたので、当たり前かもしれないけど決めてくれてて耳が幸せでした。勝手な印象ですが、相葉さんは歌い込めば歌い込むほど細部が丁寧になり歌声に艶が出ると勝手に思ってるのでとてもよかった。

若スクルージと対照的な相葉ハリーもほんとおもしろかったです。1幕のスクルージ事務所での「はあ~ボブ・クラチット!ありがとう!」の「はあ~」の声色にハートついててかわいすぎる。しかも立ってるだけで品がある、なのに2幕の「牧師さんの猫」が愉快野郎すぎてこのシーンずっと笑ってました。本当にヘレンといる時はめちゃくちゃ品があるのに、「牧師さんの猫」ゲームができてなさすぎてちょっとびっくりする(そういう台本)。ハリーって、お金あるの?ないの?頭いいの?よくないの?何もわからないわ、あなたのこと……でも猫にゃんにゃんしててかわいかったし毎回面白かったです。

クリスマスメドレー&撮影タイム

元々告知されてたSPイベントデイみたいなのが12日昼・13日昼・14日夜、そして後から追加されたのが24日昼夜、25日昼(千秋楽)でした。後から発表されるイベントは荒れがちですが、元から発表されてた12日~14日は撮影ありという区別もあり、特に反発などはなく穏やかだったんじゃないでしょうか。個人的には12日昼のSPカテコに参加した時に「このクリスマスメドレー、クリスマス当日にやらんのかい」と思ってたので、24・25日にやってくれてよかったんじゃないかと思います。

クリスマスメドレーは、武田さん独断による指名制あいさつ(12日なし、13日相葉・奥田、14日愛原、24日昼神田、24日夜子役クリスマスチーム、25日昼阿部・武田・子役キャロルチーム??絶対もう数人やってるんだけどとにかくレポがないからわからん…)、からの、子供たちの「牧人~ひつじを~」(ワンフレーズ)~「きよしこの夜」(ガチ)、「ジングルベル」(安崎・愛原~相葉・実咲~今井・今~市村・武田 ワンフレーズずつからの全員)て感じ。ジングルベルもしっかり声出てたし、歌のうまい人たちの「きよしこの夜」ってうめ~!という当たり前のことを思いました。

その後の撮影タイムですよ。たいていこういうのって「スマホのみ」とか言われるけど、ホリプロさんはカメラOKで。本当に大丈夫なのか心配になり、藪蛇になってもいいから…と現地でも確認したらOKだったので、安心して一眼レフで臨みました。やっぱ目標としては、きれいな相葉ハリーを世に出したい、というところがありました。個人的にずっともどかしく思ってたのが、自分は絵を描けないおたくだ……みたいなところで、やっぱ絵が描けるとレポの幅も広がるじゃないですか。でも写真OKなら、仕事で買わされた30万のカメラがある!(ブラックだね)結果としては、けっこうテンパったけどそこそこちゃんと撮れた気がします。もちろん、相葉ハリー自体がめちゃくちゃビジュ良かったのですが。余裕があったら全体も撮りたかったけど時間もけっこうあっという間なのでそれどころではなかった…。

なんかでも、レボライの後だったので、いろんなハートできてそれがいっぱい写真に撮られててよかったね…と思いました。より「楽しそうな公演だな」というのが伝わる。あとRTしたくなる。ずっと言ってますけど、RT大事だよ。

ちなみにツイートに「君…」と書いたのは、若スクルージとスクルージのデュエット曲「♪君…君…」を踏まえたもので、ふだんからこんなテンションで見ているわけではございません。この写真を撮って役目終えたのか、今カメラ故障していて修理中。

ハリー枠の見どころ

多分今後のハリー枠ファン(相葉さん続投の可能性もある?)が気になると思うので出番も記しときますね。下世話な視点で申し訳ないんですが、歌は少なくともけっこう満遍なく出てくれておいしいと思います。

■1幕
・最初のクリスマスキャ~ロル♪の歌のところからずっとヘレン(妻)と一緒にいる!最初止まってるけどちょっとぷるぷるしてて人間を感じます。
・スクルージの事務所のシーン、ハリーが扉を叩く音が強すぎてビクッとなる。ハリーはめちゃくちゃかわいいしボブ・クラチットとも仲良さそう。いなくなったと思ったらドアから出てくるので気を抜くな!
・このあとは40分くらい出ない。
・スクルージが過去のクリスマスの精霊によって自身の過去に。下手から机と椅子を運びながら出てくる若スクルージ!肩幅が2mある!!もみあげも2mある
・過去の楽しいクリスマスでずっともじもじしてる若スクルージ、イザベルが落としそうなケーキを受け止めマリウスとコゼットみたいになる
・下手から上手への大移動もする
・「♪幸せ」イザベルとのデュエット。指輪をはめる仕草があります!バックハグする場面で肩幅2mすぎて「抱きしめきれていないのでは??」と心配になる(きっと大丈夫)
・その後現れる「闇金スクルージくん」一気に荒んでしまう。フェジウィックさんはどうしたんだ(※原作にも特に描写なかった)
・「♪君…君…」のデュエットめちゃくちゃいいです。声がバチバチ響いています。最後の「君~~~」で去る時のポーズ、髪の毛をほどくバッチーニくらい決まっていた
・いろいろあって現代のクリスマスへ…やっぱすごい品のある相葉ハリー。フライングする市村スクルージは進撃ミュより高速で飛ばされてる

■2幕

・冒頭の場面が変わったとのことで。以前は、たぶん、パブみたいなとこで騒ぐシーンだよね??本当に記憶があいまいなのですが…でも初演はそもそもこっちだったとかなんとか。本当にあいまいなので元々なのかわからないですけど、ハリーが2幕冒頭から出てくれるようになったならラッキー
・ハリーのクリスマス会、「牧師さんの猫」ゲーム!それまですごく品のあるように振る舞っていたハリーが急に「猫大好き~!!」と言い出して笑う
・そもそもこのゲーム、スクルージ初見ではルールが理解できないので「???」の中でシーンが終わるのですよ。何回か観るとわかるんだけど、本当にその日のスクルージだけ観に来た人にとっては謎シーンになってるかもしれない
・と思いながら、毎回いちばんのお楽しみシーンになっていました。トッパーとか神田さん客とか反応してくれるとうれしい
・牧師さんの猫のステップ、相葉さんちゃんとダンス上手い人の動きだったよ!
・いろいろあってスクルージが変化して、街の皆さん~クラチット家~と行く中で、ハリーは!?と思ったらもちろんちゃんと出てきます
・「♪もしも大砲があったなら お祝いにぶっ放せ~ ぶっぶっぶぶぶのぶっ」ハリー「エベネザーおじさん…おじさんですか!?」のくだり、どんどん長くなってってエベネザーおじさんが気まずそうすぎて面白かったんだけど、他の年のレポなども見て、毎回出力抑えめのところから始まって、日が経つにつれてどんどんやるようになってってるのか〜と思って、けっこう衝撃だった。意図してなのかしてないのかわからないですが
・オフマイク相葉ハリー「だれですかあれは笑」とか言ってて「お前のおじさんだよ!」てツッコミを早めに心の中でしてしまった
・2幕ほぼほぼ歌ってなかったのに、最後の最後で「僕らの~幸せ~♪」をがっつり決めてく相葉ハリーめちゃくちゃ好きでした

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