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何で音楽仕事をやめられないのか

日本工学院MU科(ミュージックエンタテインメント/マネジメントコース)卒。学生時代のすべてを川嶋あい・奥華子の路上スタッフとして学校より現場に捧げそのまま音楽業界にフェードイン。「音楽業界にはwebの力が必要だ」と音楽業界を一度離れ…「web楽しい!天職!」からの時は流れてまさか本当に音楽業界に戻ってくるとは。。。

音楽が好きというより「届く・伝わる」が好き

音楽仕事をしている人ってみんな音楽について詳しい、わけじゃないです。
私はそんなに詳しくないし、多分みんなが言っている「音楽好き!!」とは違うと思います。そんな私がなぜ音楽業界に進んだのか。
それは私がラジオっ子だったから。(え?関係ある?と思った方待って!!

私の実家はなかなかに古風な厳しい家柄で、中学高校と多感な時期に8時半就寝(テレビが見れない)だったので、許されていたものがラジオだけだったのがきっかけです。ラジオで流れるPOWERPUSHの知らない曲。学校でみんなが話している流行りの曲じゃないけど、私はいいなと思った曲やアーティストがいてワクワクしながら聴いてました。
田舎なのでCD屋さんもなくて時計屋さんの一角にちょっとだけならんでいるような環境だったので、ラジオで聞いたアーティスト名や楽曲をメモってお店で取り寄せてもらっていました。

高校時代、友達同士でおすすめのCDを貸し借りしていて、そこでみんなは知らないけど自分がいいと思ったアーティストを友達が気に入ってくれたり知ってくれたりする、その
「見つける→伝える→いいねと言ってもらえる」の一連の流れがすごく楽しくて。
だから音楽業界にきました(真面目)
今も変わらず想っていることで、とにかく作品やアーティストを届けたいし伝えたい。ここに使命感を感じてやっています。

ちなみに、音楽の専門学校に行こう!と思ったきっかけになったアーティストは「Sound Schedule」
今でもサウスケ大好きだし大石お兄さんの曲も歌も大好き。
今も音楽活動続けてくれていて嬉しい…。
(音楽に興味を持ったのはもっとさかのぼって幼少期、シンディローパーがきっかけ)

大事にしてる3つの柱

私が「音楽の仕事」を学んだ場所は、奥華子のマネージャーとしてピリサウンドにいたころです。アーティスト奥華子とレコーディングエンジニアでもある社長と学生の私、3人でした。
私が華ちゃんのサポートをするようになったきっかけは社長が何かで書いていたので省略しますが、社長が職人だったのが私が音楽仕事をするにあたってとても影響が大きかったなぁと思っているし、感謝しています。

いつの頃からか自分の中で音楽仕事をするときに大事にしているものがあって、
①芸術はアーティストのため
②すべてのエンターティンメントはファンのため

そして3つ目が
③聴く人のための音作り 
です。

プロのレコーディングエンジニアの社長がいたから、そのそばで音作りへの情熱を感じることができる環境にいさせてもらったからこそ、今でも私の中で大事にすることが出来ているものだし、作品ができたとき常に立ち止まって考えます。
「聴く人のための音になっているかな」って。

ちょっと暑苦しいんですがそれぞれ分解して説明させていただきますと、
「芸術はアーティストのため」というのは、生まれてくるすべてはアーティストの思うがままでいいという意味。湧き上がってきて創りたいって思うそれがとても尊いことで、それについてとやかく言いたくない。全肯定で一番のファンであり味方でありたいと思ってます。だから私はアーティストマネージャーをしています。

音楽ビジネス舐めてんの?って言われそうなので2つ目に行きます。安心してください。
「すべてのエンターティンメントはファンのため」は、アーティストから生まれ世に作品として出た瞬間、それはアーティストのためのものではなくて、すべてファンのためのものであるべきという意味。
すべての人が作品を知る権利がある。その作品が届かない・届けられないのが私の中では罪と思っています。
作品は作っただけでは意味がない、届けなければ意味がない。(アーティストが作品を創る・生み出すことには意味あるよ!ニュアンス誤解なく伝わりますように…語彙力)
はっきり言っちゃうと「いい曲作ったら聴いてもらえる」「いい曲だから誰かが聴いてくれる」っていう他責なヤツが嫌いです。
作って終わりじゃない!!作ったら聴いてもらえるように届けないと!!
「宣伝するのはダサい」「アーティストだからそれはやりたくない」って言われるとウソでしょって思います。自分の作品を自分が一番愛してほしいし自分がいいと思っているならなおさら「最高だから聴いてね!」って息を吸うのと同じように毎日毎日毎日言って!!って思います。
だって私はあなたの曲がいいと思ってるんだから!作った本人が言ってくれなかったらファンは悲しいですよね。コールアンドレスポンスです。「最高だよね!?」って言って。「最高です!!」って言い返したい。言わせてくれぇ…(※オタク心が溢れて取り乱しましたスミマセン)

ここはマネージャーとしても大きな意味を持つ柱ですが、マーケターとしての主戦場だなと思っています。
アーティストの気持ちに寄り添いながら、必要としている人に情報を届ける、お互いのより良いバランスで両方を繋いでいく。この作業がマーケターとしてすごく楽しい部分で使命感もある。やっぱり届ける・伝わるは面白い。

そして3つ目。
「聴く人のための音作り」は言葉の意味そのまま、聴く人が気持ちよく聴ける音になっているのかどうか。
音楽を作っていると技術的なこだわりって出ると思うんです。こっちのほうが音がいいとか、音楽に詳しい人が聴いてこれはカッコいいとかエモいとか評価されちゃうやつ、音楽理論どうこうとか。こだわりがあるのはとてもいいことだと思います。
だけど、シンプルにそれ誰が聴くの?誰に届けようとしているの?っていう視点…意外とおろそかになってないかなぁって思うんです。
大半の人はミュージシャンが使っているようないいスピーカーでは聴かないし、「このコードが」とかなんとかって言いながら聴かないでしょ?
何かの技術大会に出すならそここだわるべきだよねっていう部分に偏りすぎて『大衆の耳』がおざなりになっていないか。その感覚や思いやりを学んだのがまさにエンジニアの社長がいたからな部分です。
「音楽はこだわりと思いやり」っていう社長の格言が好きです。
エンジニアだからミュージシャンのこだわりが分かるんですよね。エンジニアだから大衆の耳を意識できる。エンジニアだからその音作りにこだわれる。プロってすごいなって思いながら学生時代を過ごせたのは本当に糧になっています。

実はもう一つこの柱には裏テーマ的な意味があって。
そんなこだわりと思いやりの音作りでミュージシャンとファンを音で繋いでいる見えない職人がたくさんいるんだよ、その1曲があなたの耳に届くまでに信じられないくらいたくさんのプロが関わって音楽が創られていて、音楽ってとても尊いものなんだよっていうところまでしっかり伝えられるマーケターになりたいなっていう想いがあります。

音楽の価値が水1本より安い…ってやっぱりちょっと悲しいなって思っています。個人で作る音楽がダメとも思っていないし、音楽がプロミュージシャンだけのものとも思っていないです。
ただ、「音楽がある」ってもっと価値のある尊いものなんだよっていう感覚?がもっと伝えられたらいいなと思ってます。

長くなってしまいましたが、これが私が音楽仕事をするときに大事にしている3つの柱です。私はこんな感じの暑苦しい系マネージャー兼マーケターです。


日本のミドルグラウンド層を厚く(熱く)したい

こんな長々書いて読む人いるのか、読みづらくて記事としてダメそう…と思いながら書いてます(続ける気)

で、なんで音楽仕事をやめられないのかというところです。
「届く・伝える」が好きだから、別に音楽じゃなくてもどの業界でもいけます。「音楽仕事の3つの柱」もそうなんだねーって話なだけです。これも業界で置き換えたら基本どこでもこんな感じになるはずですし…。

やる理由それは、「音楽業界を変えたいから」です。
超ザックリw

書き出しでちょっとだけ経歴を書きましたが、音楽業界にフェードインしてからweb業界に転職しています。19,20歳の自分では違和感を感じながらも変えられない現状がたくさんあったわけです。人としても社会人としても力不足でした。
私は割とみんなが当たり前と思っていることに違和感を感じやすい方です。
「音楽はプロのもの」「メジャーアーティストとそれ以外」が当時なんだか
違和感だったんです。人としての当たり前に与えられた生活を犠牲に音楽をやることが違和感でした。プロを目指すってそういうことかもしれないけど、当たり前にあるものと引き換えないといけないの?という感覚(伝わりますかね...?)。メジャーデビューしたら年間のリリーススケジュールが決まりそれに伴ってライブのスケジュールも決まり。。その滑車の中をコケるまで走る、みたいなのがなんかすごく、、(音楽ビジネス舐めてんのかって言われそうだけどw)
分かるんです!分かるんですけど、、こう…違う形にしたいなと漠然と思っていました。いろんな意味で若かったので!

実現したいのは、「音楽」のための生活じゃなくて、生活の中にある「音楽」でアーティスト活動ができる世界線です。
人生のすべてを音楽に捧げるってそれはすごいことだし、そこまで突き詰めるからこそ道が開ける人もいるのは確かだと感じます。じゃあ、それができない人はインディーズとして活動するしかないのか?って考えたときに、もうちょっとその間のミドルグラウンド層が増やせたらみんなハッピーなんじゃないかなって思ったんです。
平日会社に勤めていてもアーティストになっていいし、年齢で音楽活動をやめる必要もない。「音楽」に振り回されるんじゃなくて、その人の人生の中に「音楽」があってほしいし、そういう世界が私はいいなと思っています。

ただ、インディーズでありながらメジャーのようなアクティブな活動(インディペンデント=独立な活動)をするって1人じゃ実現は難しいことだと思うんです。
そこで必要になるのが音楽デジタルマーケターだと思っています。
音楽のデジタル化が進むからこそ、インディペンデントアーティストが活動の幅を広げることができ、影響力を生むことができるようになってきましたが、逆にアーティストが楽曲制作以外にもやることが増えてしまったとも言えます。インディペンデントアーティストの活動を理解し、デジタルマーケでサポートすることができるのが音楽デジタルマーケターです。

メジャーレーベルに所属するメリットは多少変化はあれど今も昔も変わらず...だと私は思っているのですが、より今の時代にマッチした活動の仕方としては、インディペンデントアーティストと音楽デジタルマーケターがチームを組み活動を行うことだと思っています。

私が「音楽業界にwebの力が必要だ」とweb業界で学んできたことがすべて役立つ上に、自分が違和感に感じていた世界をアーティストと共に変えれるかもしれない。
こんなにワクワクすることって想像できますか?音楽デジタルマーケターとして戻ろうと思ったのは、そんないろんな巡り合わせがあったからです。

日本の音楽業界のデジタル化とか、音楽デジタルマーケターとはみたいな話までし始めると大変なのでざっくり締めますが、

音楽ってもっと自由でいいよね!いいはずだよ!
それを見せつけに行こうぜ!

って思ってるので辞められません。
だって楽しいんだもん(極論)


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