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徹底ガイド!Excelで行う在庫管理!

在庫管理は、過剰在庫や品切れなどを起こさないための重要な管理です。
様々なメーカーが在庫管理ツールやシステムを開発し、以前よりもはるかに安く利用できるようになっています。
中には利用制限があるものの、その制限内であれば無償で利用できるツールなどもあります。
ただ、一度無償で利用したら最後、営業電話が鳴りやまなかったり、いつのまにか有償プランに変更されていて請求書が届いた…という悪夢がよぎり、導入に至らない方も多いのでは…(実際は、そのようなことはないと思います)。

今回はそんな方々のために「徹底ガイド!Excelで行う在庫管理方法」についてご案内いたします。
運用ルール例も記載しますので、ぜひご覧ください!

Excelで在庫管理を行うメリット

Excelは誰でも知っているソフトウェアで、在庫管理から財務分析まで多岐にわたり利用することができます。特に中小企業やスタートアップでは、新たなシステムを導入する前の「仮の手段」としてExcelが利用されることが多いことでしょう。

そんなExcelの魅力は、ユーザーのニーズに応じて機能を追加したり、マクロで自動化することもできることです。基本的な在庫管理表であれば、直ぐに作成することができます。


在庫管理ステップ

では早速、在庫管理ステップをご案内いたします。

ステップ1.在庫管理シートの作成
今回は基本的な在庫管理ということで以下項目を想定しました。
・商品ID
・商品名
・現在庫数
・安全在庫
・注文待ち
・入庫予定日
・最後の注文日
・追加するか?
上記項目を設定し、テンプレートとします。

◆項目の注意点と説明
商品IDと商品名は一意であり、重複しないようにしてください。特に商品名は略称などを使わないようにしてください。
安全在庫は、最低限確保しておくべき在庫数を入力します。
注文待ちは、注文は受け付けたがまだ出庫(または出荷)されていない商品を指しています。
入庫予定日を入力することで、いつ商品が入庫するかが共有でき、社員の誰もが在庫表を確認することで、お客様へ納品日を案内することができます。
最後の注文日を入力することで、将来的な需要をある程度予測できます。
追加するか?は、在庫が安全在庫数を下回った場合に「Yes」、そうでない場合は「No」と表示させる項目です(※関数例 "=IF(現在個数セル<安全在庫セル,"Yes","No")" )。

ステップ2.初期データの入力
最初の在庫データを入力します。ここで正しい在庫数を入力しなければ、後の運用に影響が出ますので、棚卸後の数値を入力することをお薦めします。

ステップ3.在庫の更新
商品が出庫(売れた、使われたなど)または入庫(仕入れた、製造完了など)した場合、対応する「在庫数量」のセルを手動で更新します。
安全在庫は季節や需要に応じて適宜見直しをしてください。また「条件付き書式」を使って、在庫数が安全在庫を下回った場合に警告色を出すように工夫するのも良いです。

ステップ4.定期的な棚卸
月に1度などの頻度で、在庫を実施に確認してExcelと合っているかを確認します。棚卸在庫数と在庫管理表の在庫数に違いが散見される場合、棚卸の頻度を上げ、こまめな棚卸をお薦めします。


Excelで在庫管理を行う場合のヒントと注意点

Excelで表を作成する際、こだわれば色々な機能を付与することができます。ただ、こだわればこだわるほど属人化してしまい、作成者しか修正することができなくなってしまう…という事態も招きかねません。VBAやピポットテーブルなどを利用し複雑な在庫管理表の作成も可能ですが、先ずはシンプルイズベストを心がけましょう。
利用者が表を壊さないためにセルの保護設定もお忘れなく。

また、運用を開始する前に運用ルールを策定することも大切です。
以下、事前に決めておいた方が良いルールです。

ファイルの保存とバックアップ方法
Excelでよくあるのが、どのファイルが最新なのかわからない問題です。
ファイルは特定のフォルダに保存し、定期的にバックアップを取るようにしてください。バックアップ期間や方法を定めておくことをお薦めします。
自動回復機能やVBAなども利用できますが、先ずはファイルをコピーして特定のフォルダに保存するというこで良いと思います。

アクセス権限の設定
指定された担当者のみ編集可能にすることで、適切な管理にすることもできます。

データの定期確認
数値や日付などのデータ形式に誤りがないか、定期的に確認を行います。在庫内容の確認ではなく、データ形式の確認に注力するのがポイントです。

現在庫数の更新ルール
入庫または出庫がある度に必ず更新することを徹底することや在庫が0になった場合の対応方法を決めておくことで、速やかに注文手続きを行うことができます。

エラー確認時のルール
こちらもExcelでのあるあるですが、おかしな挙動をした場合も保存ができたから大丈夫と思い、そのまま放置…ということがあります。
挙動がおかしい場合のルール(報告先や報告方法)を事前に決めておくことが良いです。

文書化
これらの内容を文書化し、運用ルールとして関係者全員に共有しておきましょう。

まとめ

Excelは手軽に使えるツールですが、多くの人が触るとデータの整合性が取れなくなってしまうケースがよくあります。しっかりと運用ルールを設け、適切に管理できる状況をつくることが大切です。
それができれば、Excelでの在庫管理でも十分だと思いますし、ビジネスの成長度合いに応じて、さらに高度な機能(VBA、ピボットテーブル、関数など)を使い、複雑な在庫管理を行うこともできると思います。

しかし、ビジネスの規模・複雑性・プロセスにより、在庫管理状況は大きく変わりますので、在庫がスムーズに回転しているか、過剰在庫や品切れを防げているか、ということを日ごろから意識し、Excelだけでは手に負えなくなった際には、在庫管理システムへの移行を検討ください。

ご案内した在庫管理方法を参考にしていただくことで、顧客サービスを向上させる一歩となることができれば幸いです。

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