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新しい働き方で人生も地域も変えていく。つながる地域複業とまちづくり

第5講座は、近年働き方の自由化を背景に関心が高まっている「地域複業」をテーマに開催。雇用形態の変化、自分らしい働き方の探求など、現代社会の中での新たな生き方を模索する、興味深い内容となっています。さらに、受講生は事前にビジネスモデルを作って、それぞれプレゼンする時間も設けられ、講師からのフィードバックに新たな気づきを獲得する講座となりました。

能登ローカルシフトアカデミー第5講座
■開催:2020年10月28日(木)19:30~21:30 オンライン開催
■テーマ:ビジネスモデル構築と複業
■ゲスト講師:加藤 遼 氏(株式会社パソナ JOB HUB ソーシャルイノベーション部長)
■モデレーター:稲田佑太朗(能登ローカルシフトアカデミー プロデューサー)


ゲスト講師紹介

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加藤遼(カトウ リョウ)氏
株式会社パソナJOB HUB ソーシャルイノベーション部長

岐阜生まれ、横浜育ち。旅と音楽とアートが趣味。「旅するようにはたらく」をテーマに、行政・企業・NPOの連携による地域産業・ワーケーション・サステナブル ツーリズムの推進に取り組んでいる。地域企業と複業人材のマッチング『JOB HUB LOCAL』・ワーケーションプロデュース『JOB HUB WARKATION』事業責任者、NPOサポートセンター理事、IDEAS FOR GOOD Business Design Lab.所長、サステナブル・ビジネス・ハブ理事。内閣官房シェアリングエコノミー伝道師、総務省地域力創造アドバイザー、東京都観光まちづくりアドバイザーなど公共政策の専門家・委員なども務める。

「旅するようにはたらく」とは?

まずはゲストによる講話で、冒頭で受講生に「複業の経験がありますか?」と問いかけると、あちこちで手が挙がります。今回のテーマ「複業」への関心の深さがうかがえます。
「働き方の自由化を背景に、地域複業が広まってきています。もうひとつ、最近話題のワーケーションについて、これが新たなまちづくりの手法になると考えていますので、このあたりを事例を挙げながら紹介しましょう」と話が始まりました。

加藤さんは、地方で学びたい人などを対象に、現地へ2泊3日ぐらいで旅やフィールドワークを企画して、現地の社長たちが語り合って気が合ったら複業をマッチングするという事業も行っていて、まさに「旅するようにはたらく」ことを実践しています。
旅することによって、行った人同士が仲良くなり、一緒にやりましょうと地域の手伝いを始める。地域の人にとっては、外部の人との交流で、それまでにない面白いことが起こってくるという効果もあります。

加藤「最近、オフィスでのフルタイム正社員という形からリモートワーク、ワーケーションと、時間や場所にとらわれない働き方が広がってきました。これによって、比較的自由に複業がやれるように変わってきています。働き方の自由化が起きているのです」

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複業の推進で変わる働き方

これからの働き手は、自分の望むライフスタイルを探求するために、好きな場所を探しながらリモートワーク移住したり、二拠点居住したりということが起こってきます。
企業の人材確保も、従来の職業紹介、人材派遣、求人広告などに加え、フリーランス、兼業・複業人材など複業人材の活用の選択肢を増やすようになります。
加藤さんは、働き方が変わることによって、地域も都市計画や企業誘致の概念まで変わるだろうと言い、最終的なインパクトは「まちづくり」になるとも。

加藤「企業も社員が暮らす町、事業させていただいている町に貢献したい気持ちが出てくる。そこで地域のコミュニティに入って、地域と仲良くなって、そこから地域複業マッチングワーケーションなどプロジェクトが生まれ、本社移転サテライトオフィス設置起業といったビジネスにつながるという流れです。これから地域に立ち上がるビジネスに必要になることだと思います」

働き手も企業も、地域との結びつきが大事。そこと経済を合わせて考えられる人材が今後求められるのではないか、と結びました。

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*参加者の事業プレゼン&フィードバック

ここで、受講生による事業プレゼンテーションを行い、加藤さんからフィードバックをいただきました。

●事業テーマ『能登内外の人がその魅力に触れられるメディアをつくる』
思いとか、未来をたくさん取材して発信してあげるといいと思います。あと取材した人たち同士の点と点のつながりみたいなものを可視化してあげるといいですね。
事業テーマ『関係人口を増やせ! ざっかふぇ』
→最近能登町でもシェアオフィスができて、そういう場は多い方がいい。お金の面の問題がまだありますが、社会的価値は100%あって、やりながら見えてくる世界観が楽しみ。
事業テーマ『ゆりかごから墓場まで キャリア支援で能登を後世に繋ぐ』
→そういう時代ですね。5年後10年後は自治体が全部やっているのでは。行政主導でできなかったら、自動車教習所あたりをe-レジデンシー系モデルの入り口にするのはどうか。
事業テーマ『コーチングを通じて、モヤモヤしている経営者の自信と行動を倍以上に活性化する』
社会的な自立とか自信を取り戻すサービスが絶対重要だと思っていて、これ将来社会課題として出てくると思います。コーチングの力でアプローチできるといいですね。
事業テーマ『地域労働力偏在問題解決と交流人口創出とのマッチング』
→年間計画で労働力を分配していくことができないかということで、特定地域づくり事業協同組合法を活用して法人を作るのがひとつの方法だと思います。
事業テーマ『地域の当たり前を破壊し 世界に発信できるコミュニティを目指す』
個人のメディア化タレントシェアリングは、すごくつながる話だと思います。自分らしい生き方、働き方を表現した結果、経済、社会に貢献するというアプローチがいいですね。
事業テーマ『もったいない農水産物をなんとかしたい 生産者をサポート』
農業や食のビジネスは「口」を意識していくことが重要。例えば、廃棄食材をシェフがおいしく料理してくれたら嬉しい。2、3個の課題を一気に解決するといいと思いました。

受講生たちのビジネスプランも少しずつ全体像が見えてきたようです。いよいよ次回が最終講座!

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