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【子どもに増税虐待する気?】令和六年度出産・子育て応援給付金差押禁止法案

本noteではこの度国会で審議されることになった「令和六年度出産・子育て応援給付金に係る差押禁止等に関する法律案」(本法案」)について考えてみたいと思います。対象とするものは2024年第213通常国会で法案が審議されている『令和六年度出産・子育て応援給付金に係る差押禁止等に関する法律案(衆法)』です。

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当noteでは昨年の補正予算の審議にあたって『補正予算は「愚か者に降るカネの雨」だ』を書きました。そこで、イーロンマスク氏の次の言葉を紹介しました。

It‘s been raining money on fools for too long.
Some bankruptcies need to happen.
あまりにも長い間、愚か者たちに金の雨が降り注いでいた。 いくつかの破産は起こる必要があります。
(略)
Companies that are inherently negative cash flow (ie value destroyers) need to die, so that they stop consuming resources.
本質的にキャッシュフローがマイナスの企業(つまり、価値を破壊する企業)は、リソースの消費を止めるために消滅する必要があります。

The Guardian「Elon Musk welcomes global recession: ‘it’s been raining money on fools for too long’」Andrew Lawrence(2022.5.28)

本制度は基本的には地方自治体の事業に対する国からの交付金ですが「民間への委託も可」という説明書きもあります。
そこで気になるコト発見…!この施策を議論するこども家庭庁の「子ども・子育て支援等分科会」委員には、な、なんとあの駒崎氏も入っています。あやしいですね…。
しかもですよ!「こども家庭審議会」には『名簿』があり、そこに駒崎氏の名前はないのですが、名簿のない分科会には駒崎氏がちゃっかり委員として参加しているのです…。
第5回 子ども・子育て支援等分科会議事録』(クリックで飛べます)

「国のやることに間違いはない」または「国のやっていることに自分は関係ない」と国の政策に対して他人事で無関心な人が多いと思いますが、本当に悲しい事実です。私は、自分が苦労して稼いだ収入から税金をコツコツ払っていますが、その大切なお金が見知らぬ人が勝手な理屈をつけていろんなところにバラまかれ、無駄遣いされるのが大嫌いです。

恐らくこの制度によって最も恩恵を受けるのはアプリ会社や出産時の「マタニティギフト」会社、チラシ、冊子製作会社です。公共事業は一般の仕事より単価が高いため、利益率が高いのです。
下表は出産・子育て応援交付金事業の実例です。安定のゴミっぷりで草も生えません…泣

〇参考: 妊婦・子育て家庭への伴走型相談支援と経済的支援の一体的実施(出産・子育て応援交付金)『令和6年1月26日出産・子育て応援交付金事業の事例集(第2版)

『令和6年1月26日出産・子育て応援交付金事業の事例集(第2版)』p.1

この表トップの石狩市は5万円分のデジタルギフトだそうです。デジタルギフトってなに?と検索したら下の記事で石狩市役所の行政改革・DX推進課の役人が一生懸命行政のデジタル化について語っています。ですが、やってることはカタログギフトのバラマキ。失礼かもしれませんが、くだらない仕事としか言いようがありません…涙


しかも、イーロンマスクが言うように、税金を使って行われる補助金の多くは企業の成長を阻害し、国民の積極性を削いでしまうのです。この根本的な理由は自由が奪われるからです。

2023年1月(令和4年度第2次補正予算)より「出産・子育て応援給付金」(出産・子育て応援ギフト)と、「伴走型相談支援制度」がスタートしました。育児に関する現金給付制度は「児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)」により規定されていて、3歳未満は一律1万5.000円、3歳児から小学卒業までは1万円(第3子以降は1万5,000円)、中学校卒業(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)まで1万円です(下記「社会福祉士あおいのブログ」さんの記事で改正内容が記載されています)。
「子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)」においても現金給付事業は児童手当法に規定する児童手当を基本としています。

「出産・子育て応援交付金」はこども家庭庁の予算として各自治体に交付されるものです。それを各自治体独自の施策として原則現金で妊婦、保護者(養護者)に給付する制度が「出産・子育て応援給付金」です。現金給付と自治体独自のサポート事業に対し交付されます。令和6年度当初予算としては624億円が定められており、前年(370億円)比1.7倍の予算規模です。

こども家庭庁/政策/予算決算税制/予算令和6年度『令和6年度こども家庭庁当初予算案(参考資料)(令和6年2月15日)』7ページ

社会福祉士あおいブログさんの記事で紹介されていますが、本制度は「こども家庭庁 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」において令和7年度より制度化されることになります。それまではこども家庭庁の事業として実施されます。

こども家庭庁の事業としては0歳から2歳の子育て家庭に対し支給するもので、妊娠期から始まり、産後の育児期まで継続支援されるサポートを総合して計画しています。特に妊娠届出時に5万円相当、出生届時に5万円相当の給付が行われます。

624億円の予算ですので80万人子供が生まれるとして800億円のうち、国が三分の二を補助します。したがって国税から約530億円分の現金給付が行われる計算になります。残りの予算でクーポン発行等にかかる経費を国が100%、伴奏型支援に国が二分の一を補助する予算となっているのだと思われます。

本制度は出産と2歳までの子供の成長のサポートのために用いられる予算ということで、確実な給付が必要であるため、次のように定められています。

本法案第二条
譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることを禁止

第213回通常国会衆法3号「令和六年度出産・子育て応援給付金に係る差押禁止等に関する法律案」『概要

昨年の「出産子育て応援給付金に係る差押禁止等に関する法律案」についてはてつお1648@減税と規制緩和を求める移住者さんがまとめて下さっていますので、こちらもご参考になさってください。

最後に、本制度が令和7年度より法制化されるに当たり、問題点を述べて終わります。こども家庭庁の自治体への説明資料では「子ども・子育て支援法」の改正案が次のようになっています。

(妊婦等包括相談支援事業等との連携)
【第十条の三】 市町村は、妊婦のための支援給付を行うに当たっては、妊婦支援給付金の支給と児童福祉法第六条の三第二十二項に規定する妊婦等包括相談支援事業による援助その他の支援とを効果的に組み合わせることにより、妊娠中の身体的、精神的及び経済的な負担の軽減のための総合的な支援を行うよう配慮するものとする。

(支給要件)
【第十条の八】 妊婦のための支援給付は、妊婦であって、日本国内に住所を有するものに対して行う。

(市町村の認定等)
【第十条の九】 妊婦のための支援給付を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、市町村に対し、妊婦のための支援給付を受ける資格を有することについての認定を申請し、その認定を受けなければならない
【2】 前項の認定(以下「妊婦給付認定」という。)は、当該妊婦給付認定を受けようとする者の住所地の市町村が行うものとする。

令和6年2月22日出産・子育て応援交付金の制度化についての自治体説明会(資料)

つまり、国籍問わず、自治体に居住する人が申請したら基本的には申請を受け入れなければなりません。場合によっては現在居住している外国人が出産時だけ妊婦を呼び寄せ、支援を受けることもできるのではないでしょうか。市議会議員への立候補などは「3ヶ月」は居住実績がないと当選しても無効になることもあるというのに、ずいぶん違いますね…。

バラマキには、たかる人が必ず現れます。このような点も補助金の問題です。もしかしてグル?と思ってしまうのはわたしだけ?!

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