ローカルクリエイター#17 石川雄一郎さん(フランス・パリ)

全国各地で活躍する #ローカルクリエイターラボ のメンバーのみなさんをご紹介するローカルクリエイター名鑑。

第17回目は、おとなり.fr発起人の石川雄一郎さんです!

・名前:石川雄一郎(いしかわ ゆういちろう)
・所属・肩書き:おとなり.fr発起人
・住まい:フランス・パリ
・出身地:神奈川県逗子市

・今注力して取り組んでいることはなんですか?

日本からフランスにワーキングホリデーに来る料理人・パティシエ向けに、サードプレイスを提供する”おとなり.fr”を準備しています。

ー具体的にはどのようなサービスなんですか?

フランスにワーキングホリデーや研修に来るのは職場探しなどを含めてハードルが高いように思われています。
実際は星付きのレストランでさえ人手不足のお店も多く、働き口には事欠きません。
ただ、何も調べずに渡仏してしまうと、閉じられた厨房と、狭い屋根裏部屋しか居場所がないパターンも多いです。
こうなると、最低賃金の長時間労働をさせられたり、時には休みがほとんどない状況の中で心身ともに疲れ、ワーキングホリデーを中断して帰国する人もいます。

そんな時に、一人のおばちゃんに相談するだけで解決することもあるんです。
会社の悩みをバーのカウンターで愚痴っていたら、隣の席の男性が言った「難しく考えなくていいと思いますよ」というアドバイスがターニングポイントになることがあるように。
「この人に相談するとすぐに状況は改善できる」、「人を欲しがっている働きやすい職場があるから、いまのお店を辞めても大丈夫」などの情報があれば、人間らしく、自由に働くことができるようになります。

現在、オンラインでの定期オンライン飲み会や、疑問点をまとめたウェブサイトを立ち上げる準備を進めています。

ーなるほど、素敵ですね。ほかに石川さんがやってらっしゃるサービスがあれば教えてください。

パリのレストランや食文化などを伝えるウェブサイト「あざらし奥さんとパリ暮らし」というブログを運営しています。今年の5月に立ち上げたのですが、現在月間1万PV弱まで成長しており、月に一回ランチを食べに行けるくらいの収入が生まれるようになりました。

パリで働いている料理人は、旅行者にとって価値のある情報を持っていますし、情報の伝え方が上手くないだけで、発信を始めさえすれば、手を動かす仕事だけではない収入源を作る事もできると思っています。料理人の稼ぎ口も複数ある方が経済的にだけではなく、精神的余裕も生まれますからね。

・なぜその活動をしているのですか?

パリにきて二年ほど、2軒のフレンチレストランで働きました。
事前に職場環境についてきちんと調べなかったこともあり、暴力的な職場で病院送りになったことや、お店が求めることをできず孤立して、どんどん仕事が出来なくなるスパイラルにはまったこともあります。
もちろん暴力や暴言を重ねて人間性を否定する行為は正しくありませんが、自分に事前の下調べが足りなかったことを痛感しました。

そしてまた、職場環境や外国語のコミュニケーションだけではなく、銀行口座・住宅や携帯電話など、生活に関わるストレスも多かったです。自分の場合は奥さんが一緒にいてくれたのでだいぶ助けてもらいましたが、単身で来る人は渡仏後の数週間は生活環境の整備で休みの日も忙しくしています。

ーそうなんですね、やっぱり海外での仕事は大変ですね。

そうなんです。海外で働くのは楽しいけれど、タフさがないと生き残れないと感じました。でも強い人しか生き残れない社会って僕にはとても居心地が悪かったんです。強くない人が気軽にチャレンジできる社会が実現されてこそ、飲食業はもっと幸せになると思いました。

じつは、日本で働いているとき、スマイルズの遠山さんからソーシャルシェフと呼ばれていたんです。当時働いていたお店のシェフになったのもTwitterがきっかけでしたし、店舗の改装にクラウドファンディングを利用していたこと、そして、人と人をつなぐことに楽しみを見出していた部分をソーシャルと表現してくれていたんですね。

そうか、ではシェフ(料理人・パティシエ含む)のソーシャルネットワークを作れたら、もっとみんなが幸せな社会が作れるはずだな、という思い付きから始めました。

・なぜローカルクリエイターラボに入ったのですか?

職場を退職してからいろんな本を読む中で佐渡島庸平さんのWe are lonely , but not alone.を読んでいて、そういえば僕がお店でやりたいことはコミュニティづくりだったんだな、と気づきました。

オンラインサロンや、オンライン飲み会の事例を目にすることも増えて、ぼんやりとフランスと日本をつなぐコミュニティを作りたいな、と考えていました。

ふとTwitterで古くから知っているCommonsの林さんや不登校は不幸じゃないの小幡さんが、地方を実利ある活性化するためのコミュニティを運営している、と目にして、ここに何か求めているものがありそう、と思ったのがきっかけです。

ー求めているもの、とは具体的に何だったのでしょう?

あいまいなのですが、海外の日本人コミュニティが悩むことと、日本の地方で悩んでいることが近いのでは?と思ったんです。
パリ在住の日本人は約1万人です。これって高知県土佐清水市(13,778人)や北海道の夕張市(8,843人)と近い規模です。
小さいコミュニティなので、業種内では多くの人が顔見知りですし、古くからいる人がそのコミュニティに対して存在感が強いため、日本よりも古い習慣も残っています。

パリに、地方と東京、世界のつながりを滑らかにして、豊かな社会を作ろうとするローカルクリエイターズラボの人々から学んだ知見を流し込めたら、僕がほしいコミュニティがつくれるじゃないか!?と独りで興奮していましたね(笑)

・今住んでいる地域の魅力はなんですか?

人の温度があり、美しく、文化が豊かな街です。
外国での暮らしは大変なことも多いですが、すれ違う人とかわす笑顔、ふと見上げた空と街が美しかったり、マルシェで買った食材が美味しいことで元気をもらっています。
心に余裕を持てたら、本当に素晴らしい時間が過ごせます。
また、日本人を含めて多様な人種が暮らしているので、人に対して寛容ですし、他人の人生を尊重する文化を感じます。

・これから地域でやりたいことはなんですか?

日本から気軽に働きに来られるようにしたいです。

フランスでのワーキングホリデーは30歳までですが、それまでの期間に海外で働くという経験は、スキル以上に人としての成長につながります。せっかくこれだけ便利な時代になったので、狭いコミュニティだけではなく、広く緩やかにつながれる場所を増やしていきたいです。

元来いい加減な性格なので、ガチガチのフォローをしてくれるコミュニティではなく、たとえばホームパーティを開いたけど、ずっと気を配るのではなく、ときどき主催者が寝ているような(笑)居心地の良さをつくりたいと思っています。

・困っていることや、人に助けてもらいたいことがあれば教えてください

こればかりはトライアンドエラーだと思っていますが、最初どのように立ち上げるとコミュニティに緩やかさと持続性が生まれるのか、悩んでいます。
まだFacebookページを立ち上げ、ドメインを取得しただけですが、この先どうしていこうか、考え中です。

また、ワーキングホリデーに来る人の悩みも募集しています。どんなことに悩んでいるのか、行けないハードルは何か、などの情報も集めています。もし渡仏を考えて悩んでいる人は、お気軽に相談いただけると嬉しいです。

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おとなり.fr


あざらし奥さんとパリ暮らし



テキスト/石川雄一郎

デザイン/目黒水海

編集/北川由依

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